堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

2023年10月期のアニメまとめ

 そういえば7月期はまとめてなかったな。

 「好きな子がめがねを忘れた」は、眼鏡かけてる人が眼鏡とったら当然こうなることをなぜ描かずに、「眼鏡とったらカワイイ」などと地獄に落ちるべきネタばかりが際限なくこすられ続けていたのかという歴史への疑問を持ってしまった。

 「事情を知らない転校生がグイグイくる。」と合わせてこの2本が佳作だった。

 

ウマ娘3期

 過去の競馬という結果がわかってるものをひとつのストーリーに再構成する、という性質から、改変するにも制限が強いし、改変しなかったら「そのままやってるだけ」と思われる、という難しいとこはある。

 キタサンブラックが主役で、しかもサトノダイヤモンドとずっと前からセットにしてた、となると、けっこう話作りが難しくなった気はするな。有馬記念天皇賞春で星を分け合ってから、サトノダイヤモンドがフランスいっちゃって、帰ってきたらキタサンブラックは引退してるわけだし。
 もっとシュヴァルグランに比重を置いて、ずっとキタサンブラックの後塵を拝してるのをしつこいくらい描写した上でジャパンカップに持ってきたほうが、とは思う。
 ドゥラメンテに届かなかったクラシックで、ナイスネイチャをうまく脇役として出してくるあたりはよかったと思うから、物足りないとすればシニア以後かな。

 物足りなさがあるとすれば、ライバルの扱いが散漫になっちゃったせいに思えたし、それも事情もありそうで。

 

 そもそもの話になっちゃうけれど、最強の存在を主役に置くなら、ずっと手が届きそうなところで背中を追っていたのがいるテイエムオペラオーの話にしたほうがよほど作りやすかったようには思えちゃうかな。ドトウとトプロ、最後に一矢報いるか、先に一度勝って以後及ばないかと分かれるし。
 TVシリーズにするなら、前半使ってアドマイヤベガの話をやれる余裕もあろうと思うし。

 私にはRoad to the Topが物足りなかったからなあ。あの形でオペラオー世代を、クラシックで終わらせてしまうの、私にはあまりにもったいなく見えた。

 

 「ゴール前で叫びながら走って逃げ切るか差し切るかだけになってる」というような話が聞こえて、それも私は前から感じてたとこではある。
 レースシーンはもうちょっと競馬ファン側に寄せてくれると嬉しいかな。
 逃げ先行勢がペースが速いと気付いてるけど、自分だけ抑えて下って前が塞がったらと思って動けないとか、強いのが後ろにいるから前を塞いでコースの自由を奪うように立ち回るとか、そういうのやらないと道中ほとんど流すだけか、回想シーンを入れる時間になっちゃう。

 

 次のTVシリーズをいつやれるのか、OVAYoutubeのショートシリーズが出てくるか、あるいはなにもないかはわからんけれど、今後見たいやつは。

 今回「ピークアウト」なんて概念を持ち出しちゃったからには、春のクラシックで勝ったけどその後奮わなくなって、しかし辞める踏ん切りがつかなくて悩みながらレース続けてるような、きっつい話をやる余地も生まれちゃってはいる。
 エアシャカールを主役にして、すべて計算できてる上で勝てないことがわかっていてなお続ける姿とか、それでも面白く格好良く描ききったら相当なもんだろうなあ。レース主軸にすると殿下ネタで濁せなくなっちゃうから厳しいぞ。

 なんならホクトベガワンダーパヒュームをやってくれても。

 

16bitセンセーションANOTHER LAYER

 私は2000年までPC-98をあれこれパーツ変えながら引っ張って、そのPCで葉鍵を嗜んでた人間であるから、これはおそらく細かいところのネタもかなり拾えたかと思う。

 PC-98の起動時のピポ音、あれはPC-9801VX2あたりから始まってて、音程は2KHz→1KHzで、CPUの動作周波数が8MHzのときにちょうど0.5秒ずつになる、という設定だったと記憶してるから、出てきてる本体とピポ音が違う? と思ったりとか。
 なお後の方の機種だとCPUクロックが上がって「ぴょ」になっちゃうから、再生時間は変わってる。

 ただ、そういう古の小ネタが片っ端から情報として入ってきてしまうから、観るのにすごくカロリー使うのよね……。

 

他23年10月期

 「SHY」はよかったな。私はヒーロー物を子供の頃にちゃんと通ってなくて、王道的なやつだと面白く感じる回路ができてないので、こういう搦手から来る、しかしごく丁寧に作られてるやつが楽しみやすい。

 「ゾン100」は逆に、古典的なくらいにあからさまでも構わず主人公を善人にするのがよかったように思う。ギャグセンスとか色々レトロに思えたけど、こういう主人公を置くんだからそれでよかった。

 「ひきこまり吸血姫の悶々」は……タイトルから日常系みたいなのが出てくるんかなーと思ってたけど違った。キービジュアルをちゃんと見ろといわれるとまあ。
 そこまで不快だったわけじゃないんだけど、「治る設定があるから傷つけても殺してもよい」というやり方は、「SM調教師瞳」と同類だぞと思えてしまって好きじゃないな。

 「豚のレバーは加熱しろ」、これもちょっとレトロに感じたんだけれど、原作が電撃小説大賞作らしくて、ああなんか15年くらい前に私が読んでた頃のラノベにあってもおかしくないなと思えちゃった。あんまり選考センスが変わらないのだろうか。
 レトロレトロといってるけど、要するに私が最後まで楽しんで見られるものは、ある程度のレトロさを伴ってるのかもしれない。私が古い人間だからな。

 「ビックリメン」はー……私リアタイ世代だけれど、ロココとマリアとか神帝とかの頃にはもう離れてミニ四駆やってたからわからなくって。子供がひとつのコンテンツに付き合う期間は短い。