堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

2018年4月期アニメまとめ

 今期は、事前に期待してた「ヒナまつり」が期待通りに面白くて、イロモノのつもりでチェックした「ウマ娘 プリティダービー」がヒット、という感じだったかな。

 書いてから見返すと文句ばっかりいってる感じなのだが、どれも最後まで(2クールものは1クール分は)観たものだ。
 面白くなければ1話で切ってるから、最後まで観る程度にはどれも楽しんだ。

 

 

 

アジア製アニメのこと 

 そろそろ中国などアジア製・アジア原作のアニメも出てきていて、どれくらいクオリティ上がってるかは気になるところ。
 今期は「実験品家族」があった。香港のウェブ生まれの原作だという。

 前にやってた中国原作アニメの「縁結びの妖狐ちゃん」の方は、なんとも無邪気な若書き感が残って、共感性羞恥みたいな感覚を覚えてしまった。将来黒歴史になっちゃったりしないかと。
 実験品家族も、そういう若書き感を上手く隠すことが、かなり上手くなってるけど、まだ完全にはできていない、くらいに感じられた。

 これは、ただ単に原作者やアニメの脚本がやらかしてる、という話じゃないと思う。
 日本人が日本人向けにやってきた世界では、なんとはなしに「こういうことをやると笑われるけど、こういうことはセーフ」みたいな暗黙の了解が育っているというだけのことかと。見る方も含めての成熟度というか。
 日本でだって、ほんの15年くらい前のB級萌えアニメやら、90年代後半のエロゲーやらには、今から見れば恥ずかしいようなものがごろごろしているし。
 ましてそれはプロの作品だ。現代中国のアマチュアオンライン小説と比較すべきは、90年代後半のエヴァ葉鍵のSSだろう。あれの若書きっぷりを思い出すと、思い出さないことにしよう。

 一方で、そういう若書きがパワーを生むこともあろうと思う。
 私らも確かに葉鍵シスプリが大好きだった。あの頃のファンが持っていたパワーは、たとえ今の人が葉鍵シスプリに今から触れたって再現すまい。
 別に誰がとはいわないが、私らと一緒になってSS書いてた人らが人気シナリオライターラノベ作家になったもんだ。

 まあ、すっかりスレてしまったロートルオタクの私が見ても面白い、よくこなれた作品が、中国から出てくるのも時間の問題だろう。
 10年かかるかもしれないし、次に日本に来るアニメがそれかもしれない。

 もちろん、日本とまるで違うこなれ方をしていっても、それはそれで差として味になるかもしれん。

 

ルパン三世PART 5

 トボけた感じとカッコいい感じが上手く混じってないような印象。どちらの要素もあるけれど、シーンごととか話ごとに切り替わってしまう。

 混ぜずにどっちかだけに振ってる時を見ても、どうも。
 コメディに振った6話の「ルパン対天才金庫」なんか、「馬鹿にしか開かない金庫だからルパンを殴って馬鹿にしましょう」って、根本的に面白くない。ショートコント程度にキレよくやればいいかもしれなかったが、だらだら一話分伸ばしちゃって、あの回ばかりはほんとにダメだ。

 格好よさに振った話ならいいのか、というと、そもそも、トボけた感じと分離したカッコよさというのは、ルパンのそれだろうかなあ。私の中の、昔見たルパンの印象とフィットしない。
 私の印象がもう古くてズレきってるのかもしれないし、そもそも原作は旧作アニメほどトボけたものじゃないとも聞くけれど。

 それと、最近のトムスが作るアニメのカッコよさ表現って、大体どれも同じじゃないかという印象もある。鬼平とかでも雰囲気が変わらない。
 少々人を殺しすぎる、それを画面に描写しちゃうという露悪趣味も好きじゃないな。これも原作に準拠してるだけかもしれないが。

 

 dアニメストアでルパン旧シリーズもごっそり配信していて、私が子供の頃に慣れ親しんだ2ndシリーズを全部見直しちゃって。
 やっぱり私が思うルパンってこれだな、と。
 まあ、頭が古いなら旧作を見ていればいいんだけど。

 

銀河英雄伝説Die Neue These 

 原作は20年ちょっと前に読んだきり。
 アニメ旧作は、これもdアニメストアが配信してたから、先にどんどん観てしまった。

 でまあ、ルパン2ndとPART 5と同じ話で、偉大な旧作と同時に見比べてしまうのは辛いよね。
 80年代に旧作を観ていた人にとって、ヤンもキルヒアイスも、あのヤンであのキルヒアイスでないと認めがたいんだろうな。わかる気がする。キルヒアイスの眉毛が細いだけでも納得いかんのもわかる、かもしれない。ラインハルトが絶世の美男子なのに対比して、質として大きくは劣らず方向性は異なる美男子、だけど幾分にイモいという旧作の顔は絶妙ではあった。

 まあ、私は今頃とってつけたように旧作を見ただけであって、旧作に比べてどうこういう立場でもない。
 旧作って、確か25万円だかを前払いして、ビデオテープが毎週で届く形で販売されたOVAっていうから、そうまでして見ようと思う人はよほど思い入れのある人だったろうし。

 私は新作が悪いとも思わないけど、ただ一点、キャゼルヌはなんであんな顔になったんだろ。あれ私にはアッテンボローの顔に思えちゃって、どうにも落ち着かなかった。原作小説の表現だとあんなんなのかな。 

 

 ……と事前に書きためておいたら、あの長大な旧作と同じような展開ペースで、1クールで終わってしまうとは。続けられるんだろうか。

 

ウマ娘 プリティダービー

 昔から一定のマニア層が形成されている分野について、萌え擬人化を展開する、という手口は、上手くいくと、作中で語られないことをマニアがどんどん勝手に補足して世界観を膨らませてくれる。
 艦これが成功例と思うが、ウマ娘も上手くいってるように見えた。

 そこを失敗するものと、どこで差がつくのだろ。
 「御城プロジェクト」はいいゲームだけど火がつかないし、「うぽって!」とか私は好きなんだけど大ヒットまでいくようではなかった。

 ウマ娘の場合は、アニメより前からゲームの話は出ていたけど、その時点ではそれほど食いついてる印象なかったんだけどな。

 

 サイレンススズカ復帰戦が、何が特別なのかわからない無名オープン特別で、噛ませ丸出しの格下をぶっちぎるの、ちと物足りない感じはあった。
 相手を下げて勝ってもな、と思ってるところに、スペも観客もみんな大感激していて、あそこは温度差出てしまった。
 ジャパンカップ直前に、秋競馬のGI戦線のステップレースでもないらしいOP特別に使ってる時点で、秋を棒に振ってるように見えちゃう。

 毎日王冠で復帰する形でもよかったんじゃないか。
 休養明けで不安視されつつ吹き飛ばして勝ってもよかろうし、なんなら4着くらいに負けてやっぱりダメかと思われたところで、天皇賞で逆転してもよかろうし。ドラマはなんぼでも盛り込める。
 それじゃ尺が足りないとあれば、いきなり有馬記念に鉄砲で出て奇跡の復活とかでもアリだ。トウカイテイオーがやったことだから絡められるだろうし。競馬通たちに「いくらなんでも鉄砲では」と見放される中、信じたスペには競馬新聞の馬柱が光って見えてたりするの。

 

 それから、馬のイメージを壊すような二次創作するなよ令が出ちゃった。
 本来それはあらゆる作品でそうなんだけど、今回はまあ馬主さんのいることだから、余計にはっきり釘を刺しておかなきゃいけない。

 こういう突然ヒットした作品に大急ぎで飛びついてスピード勝負で出されるエロ同人誌の、すごく安直につけられたタイトルが好きなんだけど、今回は見られそうにない。
 「種ウマ娘」とか「ウマ並み娘」とかそんなタイトルがメロンブックスで見られるかと期待していたけど。

 

ガンゲイルオンライン

 基本的に面白くはあるのだけど、シューターゲームのようでありつつ、キャラの体格や機動性に性能差があったり、貴重で強力な武器を持ってる奴がその強さで活躍したりもするのは、発想がMMORPGでもあった。どういうゲームなんだろ。

 昔いろいろラノベ読んでた時期が、Xbox360 / PS3FPS・TPSが日本でもなかなか流行った頃だった。2006~9年くらい。
 だから、FPSを下敷きにしたラノベがちょっとだけあった。
 私も当時好きな方だったから、これ書いてる人だいぶ好きやなあ、立ち回りとか考えて書いてるなー、とか感心する作品もあったもんだった。
 しかし、どれもあまり売れはせんかった。

 あの頃に、マニアが感心するポイントを抑えても売れる要素にはならん、という現実を見せられた。
 本作には、どういうものならアニメ化されるくらい売れるのかという実例を見せられたなあ。

 

 原作は、ソードアートオンライン川原礫かと思ってたけど、今確認したら時雨沢恵一だった。
 SAOに感じた難点が今回は出てないなあ、と思ったら、書いてる人違うんだったらそりゃ。

 

その他

 「ヒナまつり」は原作から好きだったけど、あのテイストをアニメに再現できたのが素晴らしいなあ、と思う。
 それ以上特に言葉がないのだけど、そもそもあの変な漫画になにか気の利いたことは私には言えない。
 言うことないだけで、今期一番面白かったといえばこれを挙げる。

 

 「宇宙戦艦ティラミス」「踏切時間」もくだらなくてよかった。特に論評など要らないタイプと思う。

 

 「こみっくガールズ」も、特に言うことはないかな。

 

 「Lostorage conflated WIXOSS」は、とうとう大団円を迎えてしまった。
 最初「Selector infected WIXOSS」のときには、物語世界が呪詛で練り上げられ、あらゆる隙間から悪意がだばだば漏れまくってる感じがすごくて、WIXOSSどころかカードゲームに興味がなくても問答無用で引っ張り込むパワーを感じたものだった。
 今から思えば、ひたすら人が人に悪意をぶつけ続けるあの内容、岡田麿里のせいだろうと思う。
 Lostorageシリーズに変わってからは、岡田麿里が抜けたのがよくわかるくらいおとなしくなった。元々舞台設定を岡田麿里がどぎつくしていった分は残るものの、それだけというか。

 

 「ガンダムビルドダイバーズ」、今回は面白いなと思う。
 初代ビルドファイターズは実に面白かったのに、ビルドファイターズトライは、何が悪いのかさっぱりわからんけど、どういうわけか妙に面白くなかった。
 今回は面白いんだけど、じゃあトライで失われてたものはなんだったんだろう。

 

 「弱虫ペダルGLORY LINE」は、まあいつものやつで安心する。
 今回のOP/EDはダサかったように思うが、弱虫ペダルはそういうものだといわれた。