サンデーサイレンスの18.75%インクロス、いわゆる奇跡の血量もかなり見るようになった。
サンデーが生まれたのが86年だから、まあ30年もあれば出始めて、35年でかなりよく見かけるようになる、という感じだろうか。
伝統的に良いといわれてるだけで別に科学的裏付けもないっぽいけど、サンデーサイレンスの18.75%って今のところどうかな、と簡単に調査してみた。
チェック方法
便利なもんがあるよねえ。
これで、サンデーサイレンスを四代前に持つ種牡馬をピックアップして、三代前にサンデーを持つ肌馬との配合(4x3)の場合と、それ以外の場合を検索して比較してみよう。
一応、4x3の他にインクロスがある配合も混じってしまうけど、その場合、母馬が元々サンデーの2x3とか2x4といった配合になるので、少数だろうから無視できるだろう。
サンデーが三代前の種牡馬と四代前の肌馬は、検索が大変なので一旦おいとく。
モーリス産駒(父父母父サンデー)
母父父サンデーの配合では、2020年以前に生まれた産駒が243頭いた。
賞金合計は24億4525万円で、平均1006万円。
1000万円以上収得は58頭で、23.9%。
活躍馬はジェラルディーナ。ルークズネストやカフジオクタゴンといった重賞馬も出ている。
賞金上位20位の合計は約14億。1億円以上稼いだのはジェラルディーナのみ。
母の父はやはりディープインパクトが抜けて強く、65頭いて平均1656万。
次点はスペシャルウィークの21頭、平均1190万。
いまいちっぽい母の父はステイゴールドで、12頭の平均が323万。
母母父サンデーの配合では、産駒が155頭いる。
賞金合計は4億7293万円で、平均571万円。
1000万円以上収得は12頭で、7.7%。
重賞馬・1億円以上稼いだ馬はなし。
母の父はサンデーのインクロスとは関係なくなるが、多いのはキングカメハメハ、シンボリクリスエス、クロフネになる。
クロフネだけ平均賞金208万しかなく不思議に低く、他の二頭は800万円ちょっと。相性が悪いのかもしれない。
それ以外の配合は、産駒155頭。
賞金合計は16億8170万円で、平均1078万円。ただしモーリスはシャトル種牡馬で海外に産駒がおり、HitotsuやMazu、Kibouなどが賞金ゼロで登録されている。
1000万円以上収得は28頭で、18.1%。
GI馬はピクシーナイト、重賞馬はジャックドール、ノースブリッジ、ラーグルフ、シゲルピンクルビー。1億以上稼いでいるのはシゲルピンクルビー以外の4頭。
母の父はバラバラで数える意味がなさそうだけど、サンデーサイレンスが7頭もいた。4x2の配合。
ピクシーカットというのが中央で未勝利を勝ち上がっているが、調教中の骨折で予後不良になっている。
母父父サンデーとその他配合はどちらも好成績で、なぜか母母父サンデーだとかえって結果が悪いという不思議な数字が出ている。
エピファネイア産駒(父母父父サンデー)
母父父サンデーの配合は、309頭いて賞金合計38億5516万円、平均1248万円。
収得1000万円以上は74頭で、23.9%。
活躍馬は抜群にエフフォーリア。他にもアリストテレス、サークルオブライフが重賞勝ち。オーソクレースも1億越え。
母の父は、ゼンノロブロイが好調で21頭いて平均1546万円。
ディープインパクトは74頭もいて、アリストテレスも出ているが、平均を取ると1220万円で全体平均を割る。
ダンスインザダークは22頭で平均1216万円。
平均取ったらハーツクライが4409万円にもなるけれど、エフフォーリアだけで上げている形。
母母父サンデーでは、97頭いて賞金合計16億9868万円、平均1751万。
収得1000万円以上は27頭いて、27.8%。
デアリングタクトが出ている他、1億以上稼いでいるのがクラヴェル、ジャスティンカフェ、スカイグルーヴ。
それ以外の配合では、184頭いて賞金合計13億6866万円、平均744万円。
1000万円以上収得は36頭で、19.6%。
重賞馬はイズジョーノキセキがいる。1億円馬は他になし。
これも母の父サンデーサイレンスが3頭いて、一頭はサトノヘリオス。
エピファネイアに関しては、3x4の配合がかなり有利に見える。
モーリスと違って母母父サンデーが悪い結果も出ておらず、むしろ良いくらい。
パドトロワ産駒(父母父父サンデー)
母父父サンデーの配合は、74頭いて賞金合計4億6147万円、平均615万。
1000万円以上収得は7頭で、9.5%。
2022年JBCスプリント勝ち馬ダンシングプリンスが出た。
また高知で黒潮ジュニアCSを勝ったハチキンムスメもいる。
母の父は、なにか傾向が見えるほどではない。
ダンシングプリンスの母の父はバブルガムフェローと渋い。
アグネスタキオンが多いけど、どうも結果が今ひとつ。
母母父サンデーの配合は、17頭で賞金合計2703万、平均159万。
1000万円以上収得はいなかった。
それ以外の配合では、ちょうど100頭、合計1億9790万。平均198万。
収得1000万円以上は2頭。2%。
関係ないけど母の父スターマンという超珍しい配合があった。
母父父サンデーからダンシングプリンスを抜いても平均328万円になるので、やはり3x4がやや有利か。
微差だけど母母父サンデーの18.75%は結果が落ちる。
リオンディーズ産駒(父母父父サンデー)
母父父サンデーの配合は、146頭いて賞金合計11億6575万。平均798万。
収得賞金1000万以上は26頭。17.8%。
テーオーロイヤルが出ている。
母の父はマンハッタンカフェの数字が良くて、13頭いて平均2427万円。テーオーロイヤル以外にも、兵庫CSのリプレーザも出ている。
フジキセキは数が8頭だけだけど、平均1320万。3勝クラスでオープンまで上がれそうなショウナンアレスが代表格。
ディープインパクトは19頭いるが、平均956万とさほど振るわない。タガノディアーナが7500万ほど稼いでいるのが頭。ゼンノロブロイ、アグネスタキオンは振るわず。
母母父サンデーの配合は、44頭いて合計3億9450万。平均897万。
収得1000万以上は10頭。22.7%。
福島牝馬Sのアナザーリリックが出ているのが代表。金沢で頭角を現して中日杯を勝ったヴェノムもいる。
母の父はジャングルポケット7頭、シンボリクリスエス8頭、クロフネ6頭だけどこれといったところはなし。
その他の配合では、160頭いて賞金合計9億3312万円。平均583万円。
賞金1000万以上は25頭で、15.6%。
最高獲得賞金がショウナンアーチーの6600万。京都2歳Sのジャスティンロックも出ている他、サウジダービー馬ピンクカメハメハもいるけどnetkeibaには賞金が加算されてないみたい。
まとめ
数字上は、サンデーサイレンスの4x3は、それ以外の配合より収得賞金が高く出ている。
ただまあ、4x3の配合にはノーザンファーム生産馬が多い。
特に社台スタリオンステーション繋養のモーリスとエピファネイアに顕著で、リオンディーズもブリーダーズSSだけどかなり。
ノーザンファームだと持ってる肌の質が高いことが想像されるし、モーリス・エピファネイアは「初年度・二年目の産駒に箔をつけるためにとびきりの肌馬に集中的につけた」という扱いを受けていると思われる。
またノーザンファームの持ってる肌馬に祖父サンデーサイレンスが多い、という単純な話もありそうには思う。
ノーザンファームが使わないパドトロワだと「ノーザン肌馬がそもそも良い」という点は排除できるが、それでも母父父サンデーでなら結果がよくなっている。
じゃあ狙う価値が高いのか、と思っても、大当たりのダンシングプリンスは社台ファーム生産。しかも母の父バブルガムフェローとなると真似もしづらそう。
他になにかニックスかと思わせるような母の父も見えてこない。難しいな。
モーリスは、母父父サンデーと母母父サンデーの配合で結果に大きく差があり、エピファネイアやリオンディーズにはなさそう。
これ本当になんでだろう。モーリスがそういう性質?