GWくらいどっかいくか、と、彦根城にいってきた。
彦根城は3度めになるけれど、電車で行くのは初めてか。
さらに今回は佐和山城址にも上がってきたぞ。
埋木舎
駅の方から彦根城に向かうと佐和口からアプローチするが、いきなり入ってしまわずに外堀に沿って右手へ。
すると、彦根藩の控屋敷だった埋木舎がある。
藩主の息子として生まれても、嫡子でなければ居所のないもんで、兄が藩主になったら小さな控屋敷に放り込まれて捨扶持を与えられ、兄貴の予備として日々を過ごす。
彦根藩主の息子の屋敷と思えば貧相なもので、ちょっとした旧家だったらこの程度はありそうなくらい。
大老井伊直弼も、なんせ十四男なもんで、二十歳過ぎても他所に養子にいくこともできず、十五年もここで過ごす羽目に。最初は弟と一緒に入れられて、さらに弟は延岡に養子の口を見つけて先に出ていった。
ちなみに現在は個人の所有。三河大久保氏の末裔らしい。
屋敷の中には上がれないし、ちょっとその、サービス精神旺盛で、これまで歴史ドラマで井伊直弼を演じた人たちの顔写真をどーんと展示したりとか。庭の整備とかは行き届いて美しい。
旧池田屋敷長屋門
埋木舎の斜向かいにある。
当時の中級武士の屋敷にある典型的な作りのものだそう。
池田家は井伊家が抱えてた伊賀忍者らしいよ。別にニンジャ的なものはここにはなかったけれど。
彦根城外堀から #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
このあたりは武家屋敷エリア感がよく残る。
楽々園
5月2日に彦根城に行ってたってのは、城プロのリアルイベントがあったからなんだけれども、予想を遥かに超える数の殿が集結しちゃって、明らかにやばい行列になってたので退散。
どうもスタンプ台紙のポストカードは別に並ばなくても貰えたらしいんだけど、どこでもらえるかようわからんかった。
こういった等身大?ポップが彦根城内3ヶ所に置かれ、スタンプを収集できるようになっていた。
城もいい感じで眺められるし、きれいな庭園だ。
入場券が天守と共通になっていて、しかし天守は入場待ちが2時間。朝9時半くらいの時点でだぞ……
まあ、結局私は入場券を買った上で楽々園にしか入らなかったんだけど、しゃあない。売り場で待ち時間大丈夫かと確認はしてくれる。
天秤櫓
上から見るとコの字型の櫓。重要文化財。
橋はいざとなったら落とせる作り。ここまで攻め込まれてたらどっちみちアウトな気もするけれど。
太鼓門櫓
こっちも重要文化財。
ここに並んでる人がもう天守の入場待ちなんだからもう……
天守
左手にいる殿がなんともシュールな姿で、「首実検」「さらし首」などと友人にウケていた。
前に中は入ったことがあるので、2時間待ちはパスだ。
西の丸三重櫓
これも重文。
小谷城の天守を移築したものだという説もあるとか。でも小谷城って時代的に天守ある時代のもんじゃない気がするけどな。
ともあれ、南近江の城はまだ小谷城・観音寺城・長浜城とまだ行ってない城がいくつもあるな。いずれ行こう。
西の丸からは琵琶湖がよく見えるが、この遠くに見えてるのは竹生島だよな。
このあと、開国記念館を見学していくと、彦根城と並んで佐和山城の資料も展示されていた。
イベント目的で早めに来ていたのに、イベントも天守も待ち時間長すぎるから諦めた、となっちゃって、時間はたっぷり。これは佐和山城にも行ってみるかと決断。
一旦駅に戻って、駅前で食事。
彦根ってけっこう国道8号線沿いに商業地帯が寄っているので、駅前はあんまり店がないので注意。
私は駅西口近くの喫茶SAZANAMIという店でランチをいただいた。気の良さそうなマスターと、まっとうに作られた揚げたてのメンチカツとコロッケ。正しく良かった。
清凉寺
まず佐和山城登山口に向かうが、大体徒歩20分くらい。
登山口手前に、井伊家の菩提寺である清凉寺というお寺がある。
なんとも立派な堂宇を構えた寺なんだけど、ここは島左近の屋敷があった場所らしい。主の敵だと呪われたりせなんだか。
お堂の裏手に井伊氏累代の墓所がある。
案外質素なもので、どれが誰の墓なのかも素人目にはわからないくらい。
龍潭寺~登山道
登山道入口近くに、解説してくれるガイドさんがいる小屋があるので、一旦立ち寄るのが吉。地図をもらえる。
佐和山城址は、私が行ったことのある山城の中でも、かなり登山道で事故の危険性が高く感じられるところだった。整備されてる道でも怖いくらいだったから、変なところに入り込むと相当危ない。迷わないように注意。
登山道の最初のほうは墓地になっていて、かなり古いお墓も見られる。
その中に、こういう幟が立てられていて「新野家之墓」とある。ひょっとすると「おんな城主直虎」でも出てきた新野左馬助親矩の末裔かな。親矩の娘が井伊家家老木俣氏に嫁いで、その末裔が新野家を再興させた。
で、この先の道、距離はあまり長くない。30分も登れば着く。距離も3kmほど。
体力的は佐和山城はマイルドな部類だ。芥川山城とか高取城のほうがはるかにキツかった。
ただ、すごく道が狭くて、しかも大部分は片方が崖。
私が行ったときは前日が雨だったこともあり、粘土質の地面がぬかるんで滑る。
本当に崖から落ちるような事故も考えられるくらいだったので、くれぐれも注意して、行くなら足元はしっかりしたもので行こう。
佐和山城址
登ってくると、東の中山道鳥居本宿方面も、彦根城・琵琶湖方面も一望できる眺望が待ってる。
三成に過ぎたるものといわれた佐和山城、琵琶湖の水運も中山道の陸運も睨みを効かせられる立地なのがよくわかる。
上から彦根城も見下ろせる。
双眼鏡か、300mmくらいの望遠ズームをつけたカメラを持ってきておけば、こんな角度の彦根城が見られる。
私が知ってる山城の中でも、かなり眺望のいい部類だった。要衝だっていう説得力がある景色。
登ってきた時に見落としていた、登山道入り口すぐの治部少殿の像もチェック。