ドスパラがちょくちょくやってるレトロPCネタ、出たらおもしろがって読む。
で、老害おじさんらしく、「それちょっと違う」とツッコミを入れるのが楽しくてしかたない。
このシリーズ記事は、おそらくリアルタイムでネットを検索したりせず、記憶からパっと出た話をそのまま載せているように見受けられる。座談会というし。
20年くらい前のことを、記憶違いしたり思い出せないのは当たり前であって、それを非難する意図はない。
単に私のほうが古いこと知ってるぞと、ググりながら上から目線になるのを楽しむだけのことである。
マザーボード
最初に出てきてるSound Blaster Live!は飛ばして、Socket 478のマザーボード、Albatronだ。懐かしい。
そんなに長い期間じゃなかったと思うけど、マザーボードとかVGAを日本でも売っていた。
会社はまだあるけど、コンシューマーから組み込みに軸足を移しているようだ。
二枚目の、K6-233が乗ったPA-2012というマザーは、メーカーはFIC。
FICはあまり目立つメーカーじゃなかったけど、安定性のいい製品を作るといわれていた。確かIntel純正マザーボードのOEMをやってたことがあるんだっけ。
チップセットはVIA Apollo VP3。
CPUの近くに4つ大きなチップがついてるが、これがCPUのL2キャッシュになるSRAMチップ。当時は外付けだった。
Athlonが見えているマザーボードは、モノはわからない。
ただ、コンデンサの液漏れが見える。
Athlon 1800+の頃だと、台湾製不良電解コンデンサーが大量に出回って、そこらじゅうのマザーボードが1年持たずに壊れるというトラブルを起こしまくった。
電解コンデンサーは頭の模様を見るとメーカーの見分けがつくが、この模様はまさに当時吹っ飛びまくったTEAPOというメーカーのものだ。
ASUSとかMSI・GIGABYTEあたりの少し高価なブランドを買うと、電解コンデンサーも日ケミとかニチコンとか、悪くてもルビコンくらいは使っていて、不良品騒ぎにも巻き込まれなかった。
あの時に、数千円ケチるよりちゃんとしたのを買うほうがいいと、自作派は学んだのであった。実際あの騒ぎ以後、格安系より堅牢なメーカーに客が移って淘汰が進んだように思う。
グラフィックカード
まず一枚目のATiのやつ。Rageといってるけど、Rageじゃないな。
紛らわしくて間違えるのもわかるけども、Aopen製のRADEON 8500搭載カードみたい。
Rageって書いてる、っていうのは、隣のRage Theaterチップのことで、これはテレビ入出力機能を追加するための補助チップ。Rage 128の頃に作られて、RADEON時代も引き続き使われていた。
このボードも、DVIとVGAの横に、もうひとつ四角いコネクタがある。これはS端子で、アナログテレビに出力できた。
二枚目のHerculesのカードは、モノとしては文中で書かれてる通りと思う。
RADEONの数字は7000番台から始まっていて、当然8000番台もあるけど、そんなに印象薄かったっけ。まあGeForce 3と対抗する世代だから、時代が短かったのも確かだけれど。
次の3dfxのボードは、Voodoo Banshee AGPのようだ。
98年くらいのものかな。RIVA TNTくらいの頃。
97年にnVIDIAがRiva 128を出してから、ほとんど市場がnVIDIAに制圧されてしまった。何しろ飛び抜けて高性能かつ値段も高くない。
他社はどうにかしてRivaを超えなければ商売ができない、というくらいの状態だった。
そんな時代に、まず最初にnVIDIAとケンカができたのが3dfxのVoodooシリーズだった。
Riva TNTにVoodoo Bansheeで対抗して、トップブランドに逆らわずにいられないアンチ巨人的な人たちの支持を集めた。
こういうタイプはめんどくさいマニアが多いので、必然的に3dfxのファンが熱心だという伝説は後世に伝わっているのだ。
それから、Voodoo Bansheeには、別の角度のときめきもある。
NECのPC-9821シリーズで使える最高のグラフィックカードがVoodoo Banshee搭載のものだったの。
私は2000年までPC-9821を引っ張っためんどくさいマニアなので、Voodoo Bansheeを頑張って買って搭載した時のあの喜びは今でも思い出せる。PC-9821のグラフィックは(長くなるので略)
次の、Matrox G450と勘違いされているDIAMONDのビデオカードは、と。
Matroxはグラフィックチップの外販はほとんどやらないので、DIAMOND製のビデオカードにMatroxのチップが載ってることはない。
これはStealth II G460という製品で、搭載チップはIntel 740だ。
Intelの単体グラフィックチップって、何度か出るといっては結局ポシャるのを繰り返している。
けれど、初期の試みだったi740に関しては、98年に実際に製品化され、販売まで行けたのだ。
登場前は、あのIntelからスゴいのが出てくるぞ、と思われてたんだけど、競合するはずのRiva TNTやVoodoo Bansheeには到底敵わない性能しかなくてズっこけた。
ところで、この座談会記事と同日に、こんな記事が出た。
japanese.engadget.com
日本のPCパーツ屋にはMatroxと間違われると同時に、アメリカではIntelから存在をなかったことにされてしまったIntel 740。どんだけ哀れなのかと。
リメンバー・i740! あのずっこけを忘れるな!
(GPUという言葉は、nVIDIAがGeForce 256を出した頃に使い出した言葉で、i740の時代にはなかった。ゆえにi740はGPUではない、といわれれば、まあそうだと思う)