堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

不定記11月末

 いろいろ。

 

サムソンビッグ

 11月19日の夜は、「私の実名でWikipediaに立項される」という悪夢を見て2時頃に目を覚ましたのだけど、普段すぐ寝直すのに珍しくエックス(旧Twitter)を開いたら、サムソンビッグウマ娘になっていた。悪夢消し飛ぶわ。
 まだ寝ていたのか、夢の続きかと思ったんだけれど、寝直して起きても同じだった。

 この名前で小さかったこととか、ナリタブライアンとしっかりクラシック3冠を走りきり、皐月賞ブービーで後はビリという、ミホノブルボンを裏返したような準逆三冠を達成したとか、なぜか障害転向するなり京都2910mのレコード・3分11秒2を叩き出してまだ破られてないとか、色々印象的な馬である。

 

 なお京都障害2910mって、重賞どころか4歳以上400万下(1勝クラス)を98年までやってただけで、未勝利戦でしか使ってないコース。
 ちなみにサムソンビッグはその後400万下でもう一度走り、障害なのに勝ち馬から0.2秒差の2着だったけど、これも3分12秒0とかなりの好タイム。普通3分15秒くらいで決着する。
 ネーハイシーザーが東京芝1800mで最速だったように、サムソンビッグも京都障害2910mで最速なのは確かだ。

 別にこのコースでデビューした馬が弱いなんてことはなく、重賞馬は多数出てるし、中山大障害を勝ったユウフヨウホウテイエムドラゴン中山グランドジャンプビッグテーストなんかもいる。
 偉大なジャンパーとして珍しく種牡馬入りしたゴーカイの子・オープンガーデンもこのコースで勝ち上がって、ついに阪神スプリングジャンプまで勝った。
 最近売出し中のエコロデュエルも勝ってる。

 それでもこのコースをサムソンビッグ以上のタイムでは走れてない。
 速いよ……サムソンは。

 

ちょっとスクロールすればいいのに

 リアルタイムに推移してる事件についての情報が欲しかったので、エックス(旧Twitter)でとあるワードを検索してみた。
 そうすると、たまたまタイミングよく、それについて「これが何かわからないけど」とバズったツイートがあり、「それは◯◯だ」と教えてあげるだけのリプライと引用RTが100や200できかないほどヒットして、ノイズだらけで何の情報も得られなかった。
 別に今に始まったことじゃないけれど、自分がリプライする前に、全く同じリプライが大量についてるのをちょっと見ようとせんものか。やはり人間は愚か。人類は滅亡すべき。

 

 まあでも、悲しいことに、愚かな人類というのは、少し上にスクロールして様子見たら、それはそれでろくでもないことをする。

 昔々のネット、掲示板やはてなブックマークなどが使われていたときの「炎上」というのは、大体みんな少し上を見る。

 火元になる書き込みがある。実際まあ、内容的に問題はあるとする。
 でも、すぐには燃え上がらない。間にいくつも別の書き込みが挟まって、何時間とか一日とか経過してから、やっと誰かが「それはおかしい」と批判する書き込みをする。
 そうすると、みんな一斉に飛び出してきて、一気に分単位で我も我もと非難を繰り広げる。自分が口火を切って反論を引き受ける気はなく、でもケチはつけたいと思いながら機を窺ってる奴が多ければ多いほど、批判が炎上になんの。

 そして時間が経てば、「いかに気の利いた難癖をつけるか」と大喜利を始める小賢しいタイプのひとと、それをコピペしまくって大喜びでバッシングに勤しむ連中の群れになって、どんどんろくでもなくなっていくと。

 ネットの人が増えて流れが速くなってるから、今は最初のきょろきょろ様子を伺いあってる時間なんかは見えにくくなった。けれど、まあ便乗で人を罵って遊ぼうという性根が改まってるなら炎上とか起きない。人間は愚か。やはり滅亡すべき。

 

ニッケル水素電池でエコ生活

 私は小学生の頃から、ミニ四駆ニッカド電池で走らせ、ディスクマンニッケル水素電池で鳴らし、デジカメをエネループで使う生活をしてきたエコ人間なのだが、最近どうも難しくなってきた。

 リチウムイオンバッテリーがむやみに普及してしまって、単3・単4の機器が減ってしまった。
 残った機器も、消費電力が低いから乾電池にして、一度入れたら数ヶ月使えるといったものが多い。家電のリモコンとか。こういうのはニッケル水素電池に向かない(一応エネループライトとかがそういう目的に合うようになってるとはいうけれども)。
 強めのLEDライトとかならある程度消費電力もある……と思いきや、LED機器は電圧の関係だと思うけど3本入れろというのが多い。売ってる単位が2本や4本なのに。

 

 そういうわけで、多分需要が減って市場が縮退、近所のジョーシンくらいだと売ってるニッケル水素電池Panasonic一色になってしまった。
 富士通東芝もまだ商品はあるみたいなんだけど、どっちも電気屋に販促できる体力も、Panasonicに対抗できる商品力もなさそう。

 この状態で何が困るかといえば、同じモデルのニッケル水素電池を複数買ったら混ざって困るから、違うの買いたいの。でも売ってない。
 三洋電機時代には随分カラバリで出してたもんだけどな。あれ実用的にも気が利いてたよ。

 

 で、Panasonicが覇権を握ったニッケル水素電池業界にはもう一つ難があり、パナの充電器がやけに電池をより好みする。
 パナだけあって電池の状態を丹念にチェックするんだけれど、チェックした結果、すぐ電池がダメだっていってくる。ちょっと古いとみんなダメ。
 他社の電池も拒絶してるのか基準に合わないのか、チェックが通らずにずっとエラー復旧充電モードのまま一日変わらないとか。

 デジカメずっと使ってて、できるだけ状態のいいやつを出かけるたびに2セット満充電で持っていく、とかしてた20年前の私ならこの仕様でもよかったけど、今の使用頻度でここまでシビアな判定する充電器使いもんにならん……。

 

シンクのゲジ

 台所で食器を洗おうとしたら、持ち上げた皿の下からゲジが飛び出した。

 どうもうちのシンクは時々虫が飛び込む。ムカデがいたことも、なぜかダンゴムシがいたこともある。
 ムカデは意外と水で流したら水死したんだけれど、ゲジはそこそこ水に耐えるようで、濡れながらも走って水の来ないところに避難していた。

 その後、一週間以上に渡ってゲジがシンクに住み着いていた。というか、出られなくなっていた。出してやろうにも手でつまむの嫌だし、殺してしまうのも益虫だというから気が引ける。
 いないかな、と思ったら水を流した途端に慌てて排水口から飛び出してきたり、こちらもあまり熱湯を流すようなことは控えながら過ごしていた。
 しかしまあ、ゲジは小さい虫なんか食ってるらしいけど、シンクにあるものを食えていたかはわからない。水はいくらでもあったと思うが、洗剤も使わざるを得ないからなあ。

 結局、かなり衰弱した感じの姿を一度見かけた次の日、おそらくシンクのゴミ受けネットの中で死んでしまって一緒に捨てられたものかと思われる。

 天敵も特にいない場所で平穏に過ごせていたのか、食べるものがなくて飢えていたのか、よくわからない。私は悪いことをしたのだろうか。

 

翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~

 観てきた。以下ネタバレがある。

 

 前のときも、幸い短期間ながら東京ぐらしをしていたし、原作も知っていたもので、関東の東京中心視、周辺各県への見下し感などはわかっていたつもりだった。
 今回はホームだからな。私は大阪の被差別地域・泉南に生まれ、大阪を捨てて奈良に落ち延びた人間だ。

 

 前回、東京の埼玉差別を目にした大阪人は、こういうこと言うてたのである。
「関西人はそんな差別せえへんわ。大阪も京都も神戸もどこが上とかあらへんから」
 そして同じ口で、奈良は人より鹿のほうが多いとか、滋賀って琵琶湖しかないのにどこに人住んでるんとか平気で言っている。
 京都人の洛中>京都市内>>>宇治>>>>>それ以外というヒエラルキーは有名だけれど、大阪にも似たようなものがある。摂津が上級大阪府民で、「大阪の下品なイメージは河内の連中のせい」と見下しながら、「和泉は和歌山やから大阪に入らん」というのが大阪人だ。和歌山はことさらバカにするネタ探そうともしないくらいナチュラルに見下してるからそういうこと言う。

 そういう関西人の性根を知り尽くした上で観るのと、それがわからない他所の人とは、なかなか見えるものは違うかもしれない。

 私もまあ、引き続き関東ネタは拾えてるかどうかわからんしなあ。
 埼玉にタワーがなくて、千葉県タワーだらけっていうの、あれ千葉に山がないからタワー立てないとシティスケープの見ようがないからじゃないのかな。

 

 「やってる」以外の事前情報をかけらも仕入れずに観てきたんだけど、滋賀解放戦線のリーダー・桔梗がお初の方だった。そうか強くなったな。そりゃ浅井三姉妹のひとりなら、「近江を制するものは日本を制す」というのを間近で見てたことであろう。

 それから大阪府知事の嘉祥寺晃なのだけど、どうも気になるポイントがいくつかあった。
 あのスーツ、亀甲花菱を敷き詰めたような意匠になってるけど、浅井氏の家紋が三盛亀甲花菱なんだよな。滋賀のデザインでは……?

 それと「嘉祥寺」って、田尻町の地名なんだ。泉佐野市の西の端に生まれた私にはわかる。近所や。歩いていける。
 後の方で「堺出身」ってバラされて「あんな南海電車で和歌山に繋がってるような田舎」と神戸市長に嘲笑われてたんだけど、泉南(大体岸和田以南)の人間って結構「堺の方の出身」とか嘘つくの。私もよくやるんだけど。
 だっておまえ、「泉佐野出身」っていったら、「あのふるさと納税で荒稼ぎの泉佐野」「あの市の名前売りに出した泉佐野」「あの犬税泉佐野」「あのゆるキャラの武力が一番高い泉佐野」とか嘲笑われて、全部事実やねんから。いやイヌナキンは別にええねんけど。
 泉南は岸和田ですべて遮られて文化不毛の地だから、心ある人間は他所にいっちゃうんよね。そうすると出身を聞かれる。そして嘘にならない和泉国の最大都市・歴史ある堺の名前をだして誤魔化す。でもあの蛮族の地みたいな泉南でマイルドヤンキーとして生きることもできない、流浪の泉州人の悲しい嘘なのだ。

 

 あとまあ……府知事がまったく府庁にいる形跡がないとか、人情のある大阪人を大阪府知事が変えてしまったとか、そのパワーの出どころがハイヒールモモコの怨念だとか、逮捕されて連行されるに至っても万博に固執するだとか、けっこう風刺いれてるよなあ、って。
 大大阪の誇りたる通天閣を、府知事が自分の権力欲のためにあんなふうに転用して恥じないあたりもまあ、かなり風刺感ある。しかもそれをあのようなマイナーなもので迎撃されるなんて。

 そして今回も、客席からしばしば笑いが漏れてしまう愉快な映画でした。

 

 ほろりと泣けるシーンもあって、今はもう亡くなってしまった昭和大阪屈指のコメディアン・島木ジョージのパチパチパンチがリバイバルされ、ポコポコヘッドまで忘れずに繋いだのは全昭和生まれ大阪人の涙腺を破壊したな。