7月の上旬に、私が入り浸ってるマストドンの写真インスタンスであるPhotodnで、「みんなで写ルンですで撮ってみようぜ」的な話が盛り上がって、私もいっちょかみしてみた。
使い捨てカメラは、今でもいくつか種類がある。
富士フイルムの「写ルンです」のバリエーションも減ったし、コダック・スナップキッズも、撮りっきりコニカも今はない。
けれど、AGFAPHOTOのLeBoxとか、イルフォードのモノクロフィルムタイプとかがある。
そして、今回私が買ったLOMO SUFCもある。
実はSUFCは厳密には使い捨てじゃなくて、フィルムを交換できちゃうんだけど、まあ似たようなモノということで。
現像は、超プリ!を利用した。
店頭でフィルム現像・データ化をやってもらうと一本1000円くらいしちゃうんだけれど、ここでは300円ですむ。さらに、他所だと200万画素のデータ化が多いが、ここでは+150円で600万画素でやってくれる。
往復送料も必要だからある程度まとめて頼みたいけど、4本頼んで2400円ほどで済んだ。非常にリーズナブル。
ネガフィルムだけだから、ポジとか白黒は専門店へ。
モノクロの中でも、カラーと同じC-41プロセスでいけるやつなら大丈夫と思う。イルフォードやロモの使い捨てモノクロは、確かC-41現像のフィルムだったはず。
これが私のファーストショットであった。
ロモグラフィーのカメラで撮ったらしい、なかなかのおしゃれ気取り写真になってるといえるんじゃないだろうか。大分上手く水平が取れてるあたりがまたニクい。
ちなみに、使い捨てカメラは一般に、先にカメラ内にフィルムを全部巻き上げておいて、パトローネに巻き戻しながら撮影していく。
つまり一般的なカメラとは撮影コマの順番が逆なので、データCDでも逆順に保存されちゃう。
CDの中ではラストショットであった。
センスないくせに意味ありげな写真撮ろうとして失敗する方が多いけどな。
ちなみに今回は、「写ルンですで撮ってみよう」というテーマ、つまり私に写ルンですを持たせたらどうなるか、という人体実験であるからして、失敗も成功も全部含めてこちらのページにアップロードした。
通りすがりの船。
このカット、多分よく映るデジカメで撮っても何のこともないような写真になると思うんだけど、SUFCで撮ったおかげでなんだか味がある。さすがLOMOだ。
船のオブジェを傾けて撮ってみるだけで何か味が出るLOMOパワ。
ちょっと写りが悪いおかげで、ガラスで作られた水面が本物っぽい雰囲気に映ってる気がする。
SUFCの面白い一芸として、ストロボにかぶせるカラーフィルターがついている。
ストロボは完全手動で、真っ昼間でも何でもお構いなしに光らせられる。
単なる前島密の銅像に、青フィルターをかぶせたフラッシュをとばしてみたら、なんともメタリックな雰囲気が出た。古代ローマのブロンズパンク・テクノロジーで生み出された青銅メカ前島密だろう。
明暗のあるところを撮ると、フィルムらしい雰囲気が出る感じ。
しかし発色とかダイナミックレンジの感じは、カメラというかフィルムのせいなのかな。フィルムもLOMOブランドのもの。
ちょっと理屈っぽくなるけれど、SUFCはレンズ焦点距離31mm・F9 1/120秒・撮影距離は1m~無限遠、とある。
計算すると、多分1.5mくらいにピントを合わせてあるかな。手前は1mとして、遠方は2.5mより離れたらピンボケ。実際そんな感じだ。
使い捨てカメラはどれも、30mmくらいのレンズ・F10前後の明るさ・1.5mあたりのピント位置、というのが多いらしい。せいぜい3mも離れればピンボケになる。
30mm・F10・ピント位置3mとしてやれば遠景までボケずに映るけど、近くがボケるので1.5mより離れないとだめ。80年代後半くらいまでの廉価カメラにはこういうのがあったらしい。
まあ、遠景を少し犠牲にして近くを映るようにしてるほうが、便利ではあるかな。
使い捨てカメラはちょっとレンズの性能が低いのが味なんだけども、性能の低さの方向性がモノによって違うみたい。
LOMO SUFCは、顕著に糸巻き型歪曲がある。樽形は他のカメラでも結構見るけど、こんな糸巻き型はあんまり見ないな。
逆光でのフレアやゴーストは、このカットで出てる程度で、思ったほどじゃない。周辺減光はすごく少ない。
https://kakakumag.com/camera/?id=4067
こちらに写ルンですシンプルエースで撮影された方の画像があるけど、流石フジというか、かなり端正な感じに映ってる。
レンズ付きフィルムで真面目に撮った - カメラが欲しい、レンズが欲しい、あれもこれも欲しい
こちらの方はコダックのスナップキッズフラッシュ800。周辺減光が大きくて、多分樽形歪曲があるかな?
結構違うものだなあ。比べてみたくなる……ってそれは沼だぞ。
使い捨てカメラは、露出を制御せずに決め打ちするなんて乱暴なことをしてるんだけど、それってのは、ネガフィルムが露出オーバーに強いことを利用している。
しかし逆に、露出アンダーにはそれほど強くない。暗いとこだと結構頼りない写りに。
データ化されてるんだから補正もできるけど、やっぱり暗いところは潰れちゃってるな。
暗いときにはフラッシュ。これ。
写真の神社は、京都の城陽市、水度神社というところ。
延喜式内社で、本殿は国の重要文化財。40度近くあるクソ暑い日だったが、参道からずっと植樹が並んでいて日陰が続き、風流でしかも涼しい。
城陽市に行ったのは、城陽市歴史民俗資料館が目的地だった。
特別展の「CONTINUE ~"ゲーム"90年の歴史~」を見に行ったんだけど、まあ、想像以上のものが出てきた。展示概要だけ見ても、せいぜいセガマークIIIとかファミコンとかが出てくる程度と思うかもしれないが、いやいや。書いてないのがヤバい。
マニアなら是非行っておくべき。8月中なら間に合うぞ。
というわけで、LOMOの使い捨てカメラでの撮影結果でした。
フィルム詰め替えてまた撮ってみようかな。