たまに欲しいけど結局買ってないな、と思ってたサーキュラーPLフィルター、Amazon見てたら、なんとAmazon Basics扱いで売っていた。
昔買ったときは、わりと安いマルミでも52mmで3000円そこらしていたと思うのだけど、67mmで1340円とバカに安い。
DA17-70mmF4で使うべく、試しに買ってみた。
外観
DA17-70mmF4に取り付けて、これくらいの厚み。けっこう分厚い。
Amazonのレビューでは、ケラレたという話が少なからず見られる。わりと分厚いから、広角だったり小径だったりするとケラレは出るかも。焦点距離だけで一概には決められないから、レンズによっては16mmくらいでもケラレるかもしれない。
心配なら2サイズほど大きいのを買ってステップアップリングで。
まあ、プロテクターの上に重ねたらケラレた、というようなのは当たり前だから、外すしかない。
効果はもちろん、液晶モニターに向けて操作すると完全に真っ暗にでき、効いているのが確認できた。
露出は、取り付けて効かせていない状態で1段暗くなった。効かせた状態では、被写体によると思う。
フィルターの回転は、ザリザリとまではいわないけど、少しスレ感がある。
回転もやや重いかな。フードの窓から一本指だと、体感的にはかなり辛い重み。私はフィルターを締め込む方向に回すけど、逆の手癖だと緩むかも。
まあ値段が値段だから、工作精度まで最高は求められないかな。
フィルターはマルチコーテッドで、緑色の反射が見える。
前から見ながらPLを回すと、レンズの白い文字が微妙に紫から緑に変わって見えるけれど、写りに影響あるかなあ。
一応、室内でホワイトバランスを太陽光に固定して同じところを写しても、色味が転んでいるようには見えなかった。
実写(熊取町・雨山城)
さて、実際に取り付けて、自然豊かな山間に行ってみた。PLを使うところといったら、水の反射と、木の葉のギラツキくらいしか思いつかない私である。
PLのチェックだ、といいつつ外したカットと撮り比べをしてないのだから私も間抜けなのだが、とりあえず、今回は一部以外はPL装着・効果最大での撮影。
これは、熊取町野外活動ふれあい広場の駐車場。近くの「永楽ゆめの森公園」の案内板を見て、ここが雨山城に近い駐車場とわかったので。
雨山城の登山道は、野外活動ふれあい広場からは南に少々離れている。事前に地図の用意は必要そうだ。
登山道の入り口は、車は駐車できない。単車なら誰の迷惑にもならずに駐車できそうな感じだったけど。
ゲートのように聳える阪和自動車道の高い高架をくぐると、すぐ山道になる。
緑は豊かだけど、結構急な山道。ステップを作ってくれているところはいいけど、結構石だらけのガレた道になってたり、土が靴と雨水で削れたような道だったりもする。
道端に、山頂からの距離だと思うが、一町から十町までの路程標が立っていた。こういういかにも古いやつと、明らかに機械彫りの新しいやつとがあった。
自然は豊かなれど、時期的にあまり花なども見られない。
唯一、椿が咲いているのが見られた程度。町中で植えられている椿は低いのが多いけれど、さすが山の中ではかなりの高さに育っていた。成長は遅い木らしいから、いい年なんだろう。
花がこう丸ごと落下するのが、首が落ちるみたいで縁起が悪いと、武士はあまり椿を好まなかったとも聞くけれど。
道端には、シダ植物がかなり繁茂していた。多分ワラビだと思うんだけれど、なんかこういう渦巻状のものを生やしていた。なんだろう?
大阪南部の自然 シダ植物という、シダ植物に詳しいサイトがあるのだけど、さっと見てもわからんかった。あとでゆっくり読もう。
シダのフラクタルっぽさ、ちょっと心惹かれるのはわかる気がする。
残り2町を過ぎて、鳥居が見えてきた。
山頂の雨山城址は、もちろん天守などなく(南北朝時代の城だから元々ない)、今は神社が鎮座している。
千畳敷の跡まできた。このあたりが少し開けていて、ベンチなどもあって一休みポイント。
東側に視界が開けている。見事に高圧電線の鉄塔があって風情はないが、向こうの山に展望台があるのも見える。
東の永楽ダムは、周りがハイキングコースや自然公園など整備されていて、あれはダムを一望する展望台だろう。
多少は日が当たるところだからか、ちょうどいい木があったからか、キノコが出ていた。二枚目はもう萎んでいるけど、どんどん上の方に広がっていて、上ほど元気な感じ。
やっと山頂。まずログハウスが目に止まった。
中はベンチとテーブルがある簡単なもの。ノートが置かれていて、来訪者が一言書き残していた。こんなところでも一日数人は来るんだなあ。
いい感じに枝葉を広げた古い樹があって、
この渋い祠。
闇龗神を祀る雨山神社がかつて存在したが、明治41年に山の下にある大森神社に合祀された。それで残されたのがこの祠。
案内板によると、1796年の「和泉名所図会」に、雨山で雨乞いが行われていたことが書かれている。闇龗神も水神だし、その頃には雨山神社かその原型があったんじゃないかな。
山頂には、雨山城の案内看板もあり。
雨山は標高312m。南北朝時代、1346年に橋本正高が築城した(諸説あり)。
私は南北朝時代には詳しくないが、貝塚市に橋本正高の顕彰碑があるようだ。
貝塚市に橋本という地名がある(JR阪和線に和泉橋本駅もある)が、そのあたりの土豪とのこと。正高と土丸城を奪い合った北朝方の日根野氏は、後に戦国時代に斎藤家の家臣として信長の前に現れる日根野弘就の先祖だ。
貝塚市のページで「土丸城」といっているのは、雨山城と同じ城を指す。ようだ。
一応、すぐ東の土丸山に土丸城といわれる城があるんだけど、近すぎで別の城とは考えにくい。土丸山にまで城が広がっていた、あるいは雨山城の出城が土丸山に作られていた、といった話らしい。
しかし現在、雨山が熊取町、土丸山が泉佐野市に分断されているので、城も熊取町では雨山城、泉佐野市では土丸城と呼んでいる。
それで、雨山城から土丸城へも、道を知っていれば少し歩けばいけるらしい。が、熊取町は土丸城にはほとんど触れないもんで、道標もなにも見当たらない。山で道に迷いたくないので、今回はパス。
海に向かって見晴らしのいいところがあった。熊取町・泉佐野市あたりが一望できる。
このカットだけ、DA50-200mmF4-5.6に付け替えて望遠。空港連絡橋とゲートタワービル、りんくうタウンの観覧車も見える。
運動不足な気持ちも吹き飛ばせたところで下山。
さほど長距離の登山ではないから、下りの帰りは早かった。けれどガレた道で足を滑らせる危険はあるし、場所が悪いと転落もあるから注意は必要そうだ。
使用感
今回のPLフィルターは、偏光効果については見ての通りで、ちゃんと機能していると思う。
別に、これをつけたせいでフォーカスが甘くなったとか収差が増えたとか、そういうのもまあ、気になるほどはない。等倍で見てちょっとだけ甘くなってる気がしなくもない程度。元々少し甘くなる周辺部の甘さが大きくなってる、かもしれない。
枠が厚い、回転が重いのは値段なりとしても、まあ、何しろ安いので、練習用、たまにしか使わない、といったことならいいんじゃないかな。