聞くところによると、どういうわけか最近は「コカ・コーラ製品以外は禁止!」という通達が出回るくらい、熱心なコカ・コーラ社のファンが増えてるそうです。
私は飲料メーカーにこだわりはないのですが、コカ・コーラの大ファンだという人の前で、うっかり他社製品を飲んでしまって気分を悪くさせたくはないなあ、という気持ちもあります。
身近にコカ・コーラ党がいる人のために、他社製品と間違えないよう、紛らわしいものをまとめてみました。
コカ・コーラ
19世紀末、医師不足がひどかったアメリカで流行した代替医療の一環として、植物のコーラのエキスとコカインをワインに混ぜた薬用酒として誕生した、コカ・コーラ社の代表商品。
紛らわしい商品には、以下のようなものがあります。
コカコーラと同じ頃、アメリカで薬剤師が、消化酵素のペプシンを含んで消化不良に効果があるとして売り出されたのがペプシコーラ。
なんとなく赤青のカラーリングとかスポーツっぽいですけど、ペプシはコカ・コーラ社の製品ではありません。TPOを誤らないようにしたいところ。
他にメッツコーラ(キリン)、ミスティオコーラ(ダイドー)など、マイナーな日本限定品がある程度。
メッツコーラは、中性脂肪が気になる人向けの特定健康食品。
中性脂肪が怖くてコーラ飲みながらピザ食えるか! とアメリカンスピリットを持って、ここはコカ・コーラで決めたい。
カナダドライ(ジンジャーエール・炭酸水)
ジンジャーエールは一般名詞ですが、コカ・コーラ社のはカナダドライ。
また、近頃は無糖の炭酸水を飲む人も増えてきていますが、コカ・コーラ社の商品としては、カナダドライブランドのザ・タンサンになります。
類似品は以下。
アサヒ飲料が展開するウィルキンソンが、炭酸水・ジンジャーエールどちらもポピュラー。
明治時代に日本に在住していた英国人のウィルキンソン氏が、有馬の鉱泉を瓶詰めにして売り出したのが始まりなので、日本生まれです。
ジンジャーエールはさほど多くの商品はないんですが、炭酸水は山程あるのでリストアップしておきましょう。
- サントリー天然水スパークリング
- 磨かれて、澄みきった日本の炭酸水(伊藤園)
- NUDA 強炭酸水(キリン)
- miu スパークリング(ダイドー)
- おいしい炭酸水(ポッカサッポロ)
- 伊賀の天然水強炭酸(サンガリア)
ただ水に炭酸を加えただけのシンプルなものなので、あまりこだわってない人も多いかと思いますが、だからこそカナダドライ ザ・タンサンと間違えないようにしたいところ。
ミネラルウォーター
80年代にハウス食品の「六甲のおいしい水」が売り出されたのをきっかけに、「美味しい水をお金を出して買う」という文化もすっかりポピュラーになりました。
いろはすは2009年の後発ですが、今やシェア50%のトップブランド。
水なんかどれも同じ、などと言わないで、信頼のトップブランドであるいろはす以外のものを掴まないように気をつけたい。
- サントリー天然水
- アサヒ おいしい水 老舗の「六甲のおいしい水」は、ハウス食品からアサヒに移って「おいしい水 天然水六甲」として売られています。
- クリスタルガイザー(大塚食品)
- キリン アルカリイオンの水
- 水素水 H2 (伊藤園)
- evian(伊藤園)
- miu おいしい水(ダイドー)
- GEROLSTEINER(ポッカサッポロ)
- 鈴鹿山系の天然水(チェリオ)
- 伊賀の天然水(サンガリア)
- 明治 安曇野生まれの天然水
- 天然水 北アルプス安曇野の水(UCC)
「ラベルを剥がしたら見分けつかない」なんて言う人もありますが、コカ・コーラファンが誤っていろはす以外を飲んでしまわないよう配慮して、ラベルは剥がさず。
ジョージア / コスタ(コーヒー)
缶コーヒーは難しい。もともとコーヒーが主力のUCCのような一部例外を除いては、まるでメーカー名を隠すようにブランド名を前に出しています。
また、ペットボトルで「コスタ」というプレミアムブランドも最近はじめてます。
以下の類似品リストでは、ブランド名は書きますが会社名は隠してみました。全部わかるかな?
- ボス(サントリー)
- ワンダ(アサヒ)
- ファイア(キリン)
- W coffee(伊藤園)
- ダイドーブレンドコーヒー
- ポッカコーヒーオリジナル
- ブルースコーヒー(チェリオ)
- コクと香りのクオリティコーヒー(サンガリア)
- 備長炭焙煎珈琲(サンガリア)
- クラウンコーヒー(サンガリア)
- クオリティコーヒー(サンガリア)
- UCCコーヒー
また、コーヒーはコンビニなどで売られるチルドカップの製品も多く、それは森永など缶・ペットボトルを展開していないメーカーが手掛けています。
コカ・コーラはチルドカップには手を出していないので、これは確実に他社商品を手にしてしまうことになります。
綾鷹・一 茶織(緑茶)
86%の人が、緑茶を「おいしさ」で選んでいる(別に綾鷹をおいしさで選んでいるとはいってない)というフレーズで知られる、急須でいれたようなにごり(急須でいれているとはいってない)のあるコカ・コーラの扱う緑茶。
また、「一(はじめ)」というお茶も、セブンアンドアイ系列で販売しています。
緑茶もまたコーヒーと同様、会社名とブランドが結びつきづらい。他のメーカーの製品をよく覚えて、コカ・コーラと混同しないようにしたいところ。
- 伊右衛門(サントリー)
- なだ万監修日本茶(アサヒ)
- 生茶(キリン)
- おーいお茶(伊藤園)
- 葉の茶(ダイドー)
- 東京緑茶(ポッカサッポロ)
- 玉露入りお茶(ポッカサッポロ)
- お茶 玉露入り(チェリオ)
- あなたの抹茶入りお茶 他多数(サンガリア)
- 明治お茶一番
「お茶」と明記しないブランドを立てられるのは販売力のある大メーカー製品、という業界の闇が感じ取れるんですけど、まあそれはおいといて。
煌(烏龍茶)
缶やボトルの商品としては、緑茶より古くからある烏龍茶。
意外にブランドサイトがなかったんですが、コカ・コーラでは烏龍茶を「煌」という名前で出しています。
多分ですけど、烏龍茶ではサントリーが圧倒的に強いので、他社はあんまり手出ししてないっぽいです。
烏龍茶が好きなコカ・コーラファンは、頑張って煌を探してください。
紅茶花伝(紅茶)
紅茶にこだわる人はたまにいるんですけど、ペットボトル紅茶が好きだという人はあまり見たことがない気がする、なんだか独特な立ち位置がある飲料。
やっぱり「午後の紅茶」が圧倒的に強いので、なかなか他社製品は苦しいところ。コカ・コーラファンは紅茶花伝を買って応援したい。
- リプトン(サントリー)
- クラフトボスティー(サントリー)
- アサヒロイヤルミルクティー
- 午後の紅茶(キリン)
- TEAs' TEA(伊藤園)
- 贅沢香茶(ダイドー)
- カフェ・ド・クリエ(ポッカサッポロ)
- 紅茶の時間(UCC)
爽健美茶(ブレンド茶)
茶以外の植物を複数ブレンドして抽出した商品は、90年代には流行したものですが、あらかた消えていきましたね。
90年代前半、アサヒ「十六茶」に対抗してコカ・コーラが売り出したのが「爽健美茶」でした。販売力があってこその二番手商法。
くれぐれもライバルと間違えることのないように。
やかんの麦茶(麦茶)
ペットボトル麦茶は、正直わりとマイナーメーカーの製品が強いように思いますが、コカ・コーラからも発売されています。
茶流彩彩ブランドでも麦茶があります。というか、この商品はわりとよく売ってるんですけど、茶流彩彩なんて古めのブランドで、しかも小さくしか書いてないからコカ・コーラ製品だと気づきにくい。
- GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶(サントリー)
- 十六茶麦茶(アサヒ)
- 健康ミネラルむぎ茶(伊藤園)
- おいしい麦茶(ダイドー)
- 伊達麦茶(ポッカサッポロ)
- 麦茶(チェリオ)
- あなたの香ばし麦茶(サンガリア)
関西ではやっぱり、麦茶といえば釣瓶師匠のCMでみんな知ってる健康ミネラルむぎ茶なんですけど、関東ではどうなんですかね。
もしこのクソ暑い夏にスポーツイベントを観戦する、なんてことがあるなら、やはり水分補給は麦茶がベスト。コカ・コーラ商品が見当たらない場合も、こればかりは流石に、熱中症よりは他社の麦茶を飲むことをおすすめします。そもそも猛暑の日本でスポーツ見に行ったりしないほうがいい気もしますが。
アクエリアス(スポーツドリンク)
スポーツするのも見るのも、大幅に失われる水分と電解質を補給できるスポーツドリンクは頼もしい味方。
長年のライバルたるポカリスエットは、英語圏の人には「sweat」、つまり汗なんていう単語が含まれ、なんだか気色の悪い飲み物に見えてしまいます。国際的な場ではやっぱり我らがコカ・コーラのアクエリアスが強い。
まあ他は小者ですが、アクエリ以外を飲もうなんてチョイスがいかにショボいかを確認してみましょう。
- GREEN DA・KA・RA(サントリー)
- スーパーH2O(アサヒ)
- アミノバイタル(キリン)
- アクアビクス(伊藤園)
- miu +SPORTS(ダイドー)
- スポーツウォーター(ポッカサッポロ)
スプライト(サイダー)
いささか定義が難しいものの、サイダー系のもの。
ここはまあ、スプライトと三ツ矢サイダーで二強かと思うんですが、ここで大変なことが発覚。セブンアップが製造終了……。なんてことだ……。
- サントリー天然水サイダー
- キリンレモン
- リボンシトロン(ポッカサッポロ)
新しい商品はサントリーのものくらいで、いずれも古典的な製品ばかり。歴史あるセブンアップが消えてしまうとは寂しい。
メーカーも商品も、買われなくなれば消えていきますね。まあコカ・コーラは世界の大会社だからなかなか消えないでしょうけど。
リアルゴールド(栄養ドリンク)
レッドブルが流行る前からあった、ちょっと古典スタイルのエナドリ。
なんだかんだで、未だに根強く各社の製品が残っています。
60年代に、多くのビタミンを含んでいることをウリにしたオロナミンCが発売されてヒット。これは120mLくらいの小さい瓶でした。エナジードリンクとか横文字じゃなくて、栄養ドリンクっていってました。
90年代、受験戦争時代に塾に行く小学生がオロナミンC的なやつを2本飲んでるのを見て、じゃあ2倍の容量で売り出しちゃえ、と開発してヒットしたのがデカビタC。
そういう経緯があるから、でかいこととかビタミンがウリなんですね。
中身は各社けっこう違うものの、リアルゴールドはカフェインが入ってないので、水分補給のつもりで飲んだらカフェインの利尿作用で台無し、という心配がありません。夏にスポーツ観戦するエナジーを取るにはやっぱりリアルゴールド。コカ・コーラ大正義。
Qoo(果汁入りソフトドリンク)
オレンジとか定番の果汁を、2~30%くらい入れて砂糖水で割った、昭和の頃ならこれが「ジュース」といわれてたようなやつ。当時の子供は目を輝かせて飲んでたもんで。
古典的にはバャリース(アサヒ飲料)、最近だとなっちゃん!(サントリー)など、今でもあるんだけど、100%ジュースもざらにある現在、懐かしいような不思議なポジションにありますね。たまに飲みたい気持ちは確かにある。
で、この中で特にQooを選ぶ理由は……うーん……。あ、キャラクターがいる。ゆるきゃら?
現行品だと、Qooのキャップがスタンプになるそうですよ。キャラクターグッズなんて版権料が乗っかって呆れるほど高かったりしがちですけど、Qooのスタンプならとてもリーズナブル。他社はこんな気の利いたことしないよ。
あとまあファンタがありますが、令和の時代にああいう砂糖香料着色料の炭酸飲料って、他にあんまりないんですよね。まあコカ・コーラの独占ってことでいいんじゃないでしょうか。一応チェリオの定番商品ですか。昔はBYGっていう名前でした。