堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

これから何が残るんだろうか

 このご時世、悲観的な話は聞きたくない人も多いだろうから、この記事は悲観的だから「続きを読む」で閉じておく。

 

 

 

多分食糧難が起こるところまであると思うけど

 日本の食料自給率は、なぜかカロリーベースで計算されてるから実際より低い印象になってる、野菜などかなり国産品が出回ってる……とはいうものの、まー、今回の事態で世界の貿易が封鎖状態になって、日本に今まで通り食料が回ってくるわけもなくて。
 マスクの値段が数倍になったのと同じように、少なからぬ食品が数倍の価格になるんじゃないかなあ。もちろん、輸入して持ってくる事自体ができなくて物がない状態になるかもしれない。
 肉類だって、今のスーパーでも国産は輸入品より5割くらいは高いかと思うけど、輸入品は入ってこず、国産といったって飼料が輸入なんだから値段がますます上がる……となると、ねえ。

 玄米食おう。米の自給率ならだいぶましだし、おかずなくても玄米ならそうすぐには死なんやろ。

 聞くところによると、インスタントラーメンとかは意外とビタミンとか添加されてあるから、白米と塩だけとかパスタと塩だけとかの限界自炊をやってるほうがたやすく栄養失調になるらしいよ。これどこで聞いたか忘れちゃって、根拠示せないけど。

 

カメラメーカー大丈夫じゃないよな

 カメラって、まあ今となっては、不要不急の製品だ。
 現在の緊急事態宣言下でも、写真屋は自粛要請対象外になってない。
 先日ちょっとヨドバシ梅田に仕事があって行ったけど、カメラのフロアを含めた一部が部分休業になっている。生活家電は生活に必要だから営業してるけど、カメラはそうじゃない。
 こんなの、どれだけ壊滅的な打撃になるか。

 CIPAが出してるデータでも、例年売上が伸びるはずの3月期に前月割れ、前年比47.8%(52.2%減)って、絶望以外に何を見ればいいのか。4月って90%減とかにならん?

 

 ただでさえみんな「スマホでいいじゃん」ってカメラ買わなくなっていて。
 好きな人が支えてる趣味性の高いモノになってるんだから、趣味どころじゃなくなってる今、売上なんてどれだけ落ちてることか。
 あらゆるイベントが止まり、旅行は自粛され、今どこでどうやってカメラ使うんだっていう。そして店まで開いてない。

 

 これはもう、いくつかのブランドは撤退になるかもしれない。

 まあ、今や、カメラメーカーといっても専業でやってる会社なんかなくって、培った光学技術を活かして他のこともやってる、というか他のことが収益の柱って会社がほとんどではあるんだけど。
 それでも、作った製品も売りようがない、光学技術を持っておくのが会社として重要ったって、もう他社製品仕入れたほうがいい、となると、さて。

 

 昭和の時代に日本が世界に誇る製品となり、無数のメーカーが生まれて。
 技術的に時代が変わるときに、変化についていけなくて脱落したメーカーはいつもあった。ミノルタコニカトプコンももう、カメラ業界にはいない。

 今も、そういう技術的過渡期だった。
 2019年くらいから、一眼レフという機械的な部分が多いカメラが、ミラーレスカメラへと移行していく動きが本格化していた。

 で、PENTAXは明らかに時代の流れについていけない状態にあった。
 事業規模が小さくなって開発力が小さいから、ミラーレスカメラを新開発して多数のレンズを取り揃える、なんて大事業がとてもやれない。「カメラ出しました、レンズは1本しかないです。2本目は1年後に出ます」なんて有様じゃ商品にならない。
 一眼レフカメラというものをどこより早く作り始めて、大衆的な価格と高い品質で日本に一眼レフを根付かせて、ずっと古いユーザーを大事にし続けてきたPENTAXだけど、今となってはその一眼レフの伝統と過去の製品に縛られて身動きが取れない。

 過渡期に動けなくて苦しんでたときに、今回のこのコロナウィルス禍での売上壊滅でしょ。
 こんなことがなければ、どうせPENTAXはリコーなんて大きな会社が抱えてるんだから、「一眼レフじゃないと嫌だ」っていう考え方の古い層を抱えたまま、ニコンキヤノンも離れた後の最後の一眼レフとして細々と残っていく……とかになってたと思うんだけど。その細々を、存続できる程度に太くできればなー、という話で。
 でもこんなん、いきなり斧を振り下ろされたようなもんでしょ。

 

 いや私ね、初めて買ったフィルム一眼レフがリコー(レンズはPENTAX互換だった)で、デジタル一眼もPENTAX *istDS2から、ずっと20年くらいPENTAXRICOHユーザー続けていて、今だって大好きなの。
 最近は、ちょっと考えられないくらいにユーザーに近づいてファンを作ろうとする、やたら面白い方針を取ってるの。
 製品だって同価格帯の他社製品よりリッチな仕様、というか「できる機能は全部入れる」みたいな作り方するから、クラス分けのために機能を絞るとかケチなことしないの。他社製品に比べて弱点もあるけど、その代わりPENTAXにしかできないこともある。

 撤退表明でもされたら、私は本当にこの世の終わりというくらい落ち込むと思うよ。20年だぞ。人生半分付き合ってきたブランドだぞ。
 でももう、「撤退なんてありえない」なんて思うのもまた無理だ。

 

ところで10万円出るよね

 10万円支給されるんだけど、これはまず「コロナウィルス対策のために可能なら仕事もせず外出をしないでほしい、だから生活費として」っていう意義のものだ。
 だから私みたいな貧民は生活費の足しにするしかないんだけれど、当面生活費は貯金から出せるとか、仕事・収入が減ってない人もあろうと思う。

 とりあえず貯金するとか、受け取り辞退するとか、そういうのは本当に最悪の無駄遣いだ。
 お金は市中で商品と交換されて価値がある。商品を買えば、店は仕入先に支払い従業員に給与を出し、さらに仕入先や従業員が物を買う……と連鎖的に使われてこそ価値を生む。

 貯金とか辞退とかするくらいなら、何か買うべきなの。
 不要不急の(とされた)ものを売る商売をしてる会社や人が、今壊滅的な打撃を受けてるの。
 だったら個人が不要不急のものを買うのは全く無駄遣いではなくて、面白い商品や楽しい趣味をこの世に残して、それに関わる人を生かすの。
 コロナウィルスを乗り越えられたとして、あらゆる趣味の小売店やメーカーが壊滅して、無味乾燥にただ生きてることくらいしかできない世の中が残って、それでどうするの。

 伝統文化とかも酷いことになるんじゃないの。例えば焼き物とかの民芸品なんて、趣味性も高いし、土産物として旅行産業と関連が強かったりで打撃が大きいだろうし。
 産業技術であれ、工芸や民芸であれ、潰れたら同じものは再生されないぞ。

 

PENTAXRICOHを買うなら

ricohimagingstore.com

 で、ここにリコーイメージングの直販サイトがある。

 10万円だったらどうだろうね、足が出ても良ければGR III エントリーセットとかどうだろう。
 GR IIIというのは、まあ誰でも知ってるカメラではないと思うけど、ずっと持ち歩いて街で見かけたものをスナップして、それがプロの作品として世に出せるクオリティで写るという、写真家にも多くのファンを抱えてる傑作カメラだ。

 3万円台ほどで、THETA SC2なんてのもある。(単体じゃなくて自撮り棒つきがおすすめ)
 カメラの360度、すべての方向が一枚の写真に収まる特殊カメラだけど、色々面白い使い方ができる。撮った写真や動画をVRゴーグルで見て、首を向けた方向の景色が見えるとか、スマホとゴーグルとTHETAだけでできる。
 不動産屋がバーチャル内覧をするために使ってたりとか、最近家探ししたりしたらやったこともあるかもしれない。あれ。

 一眼レフカメラが良いとなれば、まずは現行商品のK-70だろうか。
 セットのレンズが2種類選べるけど、高い方のやつはズーム比が大きい(安い方は2.8倍、高い方は7.5倍)だから、最初の一台にはおすすめかな。

 それからメーカー保証なしでよければ、アウトレットを利用するとかなりリーズナブルに。何を在庫してるかが不定だから、いいのがあるかはめぐり合わせ次第だけど。

 

PENTAXだけやばいわけでも、メーカーだけ苦しいわけでもなくて

 しかしまあ、メーカーの危機でもあるけど、小売店の危機でもあるわけだから、知ってるカメラ屋があるならそこで買うのもいいんだけど。
 ただ、何しろ東京大阪じゃ店が開いてないしな……。

 本来カメラなんていう商品は、通販で適当にポチっといくより、現物見ながら詳しくて誠実な店員さんと相談しながらじっくり決める方がいいんだけど、このご時世にはそうもいかない。辛いね。
 大阪で言えば、日本橋駅すぐのトキワカメラなんて古くからの名店なんだけど、さすがに今は開いてる日も限られるし、行くにしても先に買うもの決めてスパッと買って出てくるくらいにすべきだろうし。そうすると通販と変わらん。

 

 カメラブランドの中でも、まあ一番キツいのはPENTAXだとは思うけど、オリンパスだってかなり不安なところだ。これも、カメラの規格が変わるトレンドに上手く乗れていない。
 まあ事業の8割は医療関係って会社だから、これから傾くってわけじゃない気もするんだけれど、カメラの映像事業なんてこれからどれだけ縮んでしまうか……。

 別にPENTAXオリンパスに限らず、全メーカー・ブランドがやばいと見て間違いないだろうから、ほんと、余裕があるなら何か買ってほしい。

 

 

 カメラに限らんけど、趣味性の強いものなんて、それこそネットの動画配信くらいのごく限られたもの以外は大体どれも悲惨なことなってると思うよ。
 書籍すら怪しいもんな。電子書籍はいいだろうけど、本が買えない。本屋閉まってるから。私も今月の日経サイエンス、そもそも開いてる本屋がないから買えてない。
 プラモデルとかも店が閉まってて買えない。多少凝るなら塗料がいるけど、あれ可燃性の危険物だったりして通販できなかったりするの。

 バイクとかもあかんだろな。
 ツーリングなんて、まあ山奥の路でも走ってるだけで満足できるとこあるし、ひとりで走りに行ってひとりで帰ってきて感染もなにもあるのかな、と思わなくもないけど、「これだけ病院が切迫してるのに事故って怪我して病院埋める気か」といわれるとアッハイとしか。
 乗れないものは買えん。

 スマホのソシャゲと動画配信以外、なにも趣味にできるものがない時代が来てしまうんだろうかな。さぞ、他にやることもないからTwitterの罵り合いが盛り上がるようになるだろな。