レンズ交換式のカメラを使うとあれば、せっかくだから単焦点レンズ使いたいなー、と思うところはある。
まあそりゃズームは便利なのだが、画質が良いやつはでかくて重いし、小さくて軽いと画質が残念だ。小さくて軽くて画質がいいのもあることはあるけど開放F値がかなり暗くて値段が高かったりとか。
私のPENTAXシステムには愛用の単焦点レンズが何本もあるんだけど、SONY Aマウントシステムにはズームしかなかった。
なんかあったらな、と思ってたところで、AF50mmF3.5マクロが安く見つかった。
スペックなど
ミノルタの50mmマクロには、後にSONY印になって再発売された50mmF2.8マクロもある。1985年発売。
この50mmF3.5マクロの方は、1994年発売。
最短撮影距離は0.23mmで、最大撮影倍率が0.5倍のハーフマクロだ。
フィルター径は55mm。マクロらしくかなりすり鉢状に奥目になったレンズ。フードはいらんだろう。
F3.5に抑えているおかげだろうか、240gと軽い。これは偉い。
PENTAXのFA50mmF2.8マクロは400gくらいあんのよね。
同じミノルタでも、F2.8マクロの方は、マクロレンズらしいしっかりした写りとボケの良さを兼ね備えた名作らしくて、85年設計の光学系のままソニー時代にまでモデルチェンジして売られていた。
94年にわざわざF3.5のハーフマクロを追加しているのは、どういう狙いのものだったのかな。多分、価格を下げた撒き餌レンズ的なものだったと思うんだけど。
94年なら第四世代αボディ(α-707siとか)の頃のレンズだよな。撒き餌マクロを足したいタイミングだったのだろうか?
実写
ま、25年前のことを考えてもわかることは限度があるので、とりあえず撮影してみよう。
使ったカメラは、α3000とLA-EA4。APS-Cだから換算75mmくらいのレンズとして使っている。
手ぶれ補正はない。マクロで手ぶれ補正なしは少し辛いっちゃ辛い。
しかも外に出た途端に天気悪くなってきてかなり暗くなった。おかげで絞り開放近くでの撮影ばかりになっちゃった。
うん綺麗。花が大きいので、これは最短より余裕がある距離。
シャッタースピードを稼ぐために感度が上がってるけれど、まあAPS-Cの2000万画素センサーにも十分負けてない解像力はあるようだ。
ミノルタAF50mmF2.8マクロはボケのきれいなレンズだったというけど、このF3.5マクロのボケもだいぶいいように見える。
口径食が小さいみたいで、四隅の点光源もあまりレモン形にならず、丸に近い形を保っているように見える。多分これなら周辺減光も少なそう。
それから、いわゆるグルグルボケにもならんのだな。このカットだと、グルグルボケになるなら結構目立つ形に出そうなとこだけど。
絞りは7枚羽根で、F5.0くらいまでならかなり円形に近い瞳になる。この辺もボケによさそうだ。
PENTAXの50mmF2.8マクロは、8枚羽根でかなりパキっと八角形になるのよね。
もちろんマクロ以外も撮れる。
画面端ギリギリに直線があると、わずかに樽型歪曲してるのもわかるといえばわかるかなあ。
PENTAX FA50mmF2.8マクロが実にシャープに写るレンズだったのに比べてしまうと、こっちはそこまでカリカリな感じではないかな、とも思う。
けれどまあ、かなり暗くなるくらい曇っていたので、このカットもF4・1/80秒・ISO1600なんて撮影条件だ。晴れてればもう少し絞れるだろうし、開放にすれば少しやわらかめの描写を選べるレンズだ、ともいえるだろうし。
このカットなら周辺減光があれば結構目立ちそうだけど、全然わからん。
周辺減光以外の収差も、やっぱりマクロらしく少ないみたいで、実に整った像に見えるな。これF4だからほとんど開放なのに。
50mm(ライカ判換算75mm)の中望遠だと、ネコを画面いっぱいにするにはちょっと短いか。警戒心強いやつだと逃げる。
しかし図太い奴だと十分収まるくらい寄らせてもくれる。
ハーフマクロといっても、モノ撮りにも十分使える。
APS-Cセンサーのボディだと、実質的に撮影倍率が上がって、48×32mmが画面いっぱいに写せる計算。
やっぱボケ味がいいよねこのレンズ。明るいところに縁取りがでたりもしないし、ピントが合っているところからボケているところへも滑らかに繋がってる感じ。フィギュア撮りにはいいんじゃないかな。
まとめ
今となっては捨て値で売られているAマウントレンズの中でも、正直いって人気レンズとは言いにくいから、売られてたら安い。
カメラのキタムラで3000円で買えた。一応キタムラ基準じゃ小クモリがあるってことだけど、私基準じゃ美品というくらいのやつだ。
今の格安になったAマウントシステムでチープに遊ぶにはうってつけの、安くてよく写るレンズ。