堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

大阪生まれの大阪育ちだけど大阪人ではない

 私はもう、数年前からテレビを持っていない。
 持っていた間も、もっぱらアニメや映画を録画するか、NHKのニュースか、「美の壺」とか「サイエンスZERO」などの教養系寄りの番組を観る程度だった。

 そうなったのは、それこそ幼少期に遡る。
 父親が、まあ酷いテレビっ子で、仕事から帰ったらテレビの前に座ってそのまま寝るまで見てるような人間だ。飯時の茶の間のテレビも、絶対にチャンネルなど譲らない。
 せめてもうちょっと知的な番組でも観るならまだしも、上沼恵美子がぐだぐだしゃべるような、実に大阪的なバラエティばかり。そうでなければ警察24時みたいなやつ。
 さらにCMのたびにザッピングして、1分じっとしてることすらない。数秒写った番組に何か気になる内容があったりしても、私と親父で気になるポイントが全く一致しないから、気になっただけですぐ変えられる。止めろといっても絶対に聞かない。
 子供の頃からずっとこんな鬱陶しいテレビの見方をされてたから、自分で思ってた以上にうんざりしていたんだと思う。
 私が見ない番組は親父が好むような番組で、私が見る番組は親父が見ないような番組だ。

 

 おかげで、よしもと芸人というのがさっぱりわからない。
 ダウンタウンくらいになれば流石に顔と名前はわかるけれど、それだけ。浜田の方は親父がつけてるのを見せられて、どうにも下品で嫌だと思っていたけど、松本の方はほとんど見たことがない。
 コンビとしてのダウンタウンがどういう芸をしているのかも知らない。

 今話題の宮迫さんというのも、顔に見覚えはあるけどフルネームがわからない。ピン芸人かコンビかもわからない。一連の報道で目にしているはずだけど、元々視野になかった人だから、記憶に留まらない。

 吉本興業という会社の体質について、なにか意識高い批判などしてみようにも、なんだか、何を言っていいかわからんくらい吉本興業を知らなかった。

 なんだか一連の騒ぎで、私がいかに大阪人離れした人間になっちゃってるかを、改めて確認させられた気がする。
 「芸人もお笑いも興味ないわ」とは常々言ってたけど、自分で思ってた以上に興味がなかったらしいとわかって驚いたというか。

 

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京アニ事件の情報を遠ざけること

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 「世界のどこかで誰かが被っている不正を、心の底から深く悲しむことのできる人間になりなさい。それこそが革命家としての、一番美しい資質なのだから」というのは、チェ・ゲバラが子供に宛てて遺した手紙の中の言葉(訳文はWikipediaから)だけど、なかなか私も革命家にはなれそうもない。

 しかし、自分の好きなものを作った人たちとはいえ、直接の顔見知りでもない、いわば他人の身に起きた惨事を、強く悲しむことができるというのも、ひとつの美徳だ。
 この記事は、「京アニの件をあまり熱心に追いかけすぎると辛くなるから、疲れてしまう前にちょっと離れよう」という趣旨だ。
 しかし「離れろ」という前に、そもそも辛くなるほど悲しめる感受性があることは美徳だといっておかなきゃいけない。
 事件から目を背ける自分は冷たい奴じゃないか、なんてことは、考えなくていいよ、と。冷たい奴じゃないから辛くなるんだから。

 

 責められるほど冷酷な奴っていうのは、「犯人の情報を調べてみました」とかいって部屋から一歩も出ずにちょいちょいと検索しただけのゴシップ並べてblogのアクセス稼ぎする奴やら、「犯人は外国人だ」などと言い出して下劣な差別に事件を利用する奴やらをいう。

 

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間違いメールの謎

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 なんか、画家の方からメールが届いた。

 私も多少絵画は好きなので、展覧会を美術館や画廊に見に行くこともある。
 そういう場で、署名したり、アンケートに答えたりすることもある。そのアンケートには、よくメールアドレスの記入欄もあったりする。
 届いたメールの文面から見ても、展覧会でメアドを教えた人に送ってるようなものに見えた。

 しかし、画家の方の名前に全く心当たりがない。知らない。
 ネットで見られる作品の写真を見ても、全く覚えがない。
 というか、私はいわゆる現代アートのような抽象的な絵画はまったくわからん。今回の画家の方も、到底私が展覧会に行くとは思われない作風だった。

 はて。

 

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