堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

theHunter: Call of the Wildで年越し

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 ストリートファイター6で過ごした2024年一杯だったけれど、12月にふと、あまりに上手くならんので、気持ちが切れる瞬間があった。
 別に才能がないのはわかっているし、そもそもそんなに強くなりたいわけでもないのだが、身内で遊べればよかったんだけどそんなに何人もやってないし、ランクマいくのも疲れるし。

 で、年末に安かった theHunter というのを予備知識もなくやってみたら、これが思わぬ掘り出し物であった。

 タイトルから明確な通りのオープンワールド狩猟FPSで、まあ人を選ぶゲームではある。

 いつ人に撃たれるかわからずにさまようわけじゃないのでそれほど緊張感はないけれど、山か林か草原か水辺で、しっかり獲物を仕留められるような静かで慎重で確実な動きをして動物を探す。
 始まって数秒で銃撃戦が始まるようなスピード感もないし、敵も味方もいない。ひたすらにソロ。

 初めてプレイしてから2日くらいは、何がなんやらだった。
 鹿の糞や足跡は見つかるし、たまに威嚇する声も聞こえるのだけど、追跡していってもなかなか目視することもできない。一体どうすりゃハントできるのかと。

 そんなに新しいゲームではない(2017年リリース)けど、画面はなかなか美しい。
 ゲーム性からして、あまり遠方の描写を省略できないから、それで画面に間引かれた感じがないのがいいのかもしれない。

 ほんとに最初はお散歩ゲームみたいになっちゃってたな。
 ゲーム内でカメラで写真を撮る機能があって、特定の動物の写真を求められたりするミッションもある。ちょこちょこ挟んでるのはいずれもカメラ機能で撮った。

 こんな古城とかもマップにあるので、ある程度観光になっても悪くはないが。

 

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 まあ、このゲームをノーヒントでゲーム内チュートリアルだけでどうにかするのは、ちょっと厳しいと思う。狩猟なんて基礎知識も持ってないんだもんよ。

 

 本物の狩猟を知らないからはっきり言えるんじゃないけれど、かなりリアルに寄せた狩猟というスポーツに、ゲームとしてカジュアルに遊べる程度の補助機能がついてる、という感じかな。

 プレイヤーキャラが正確な射撃技術と精密に調整されてズレないライフルを持っていて、まあFPSやれる程度のプレイヤーならうまく撃てる。
 動物の残した足跡を追跡したりするけど、跡には見やすいマークがつくし、ある個体の残した足跡を一度チェックすれば、その個体の他の痕跡は青くなる。
 昔大藪春彦の小説で、逃げるときは同種の別個体の足跡があるところを歩き回って、時には後ろ歩きしたりして人間を騙す、なんて賢い動物の話が書かれていた覚えがあるが、もし動物がそれをやっても効果がない。プレイヤーに優しい。
 動物を双眼鏡で捕らえてスポッティングすれば、マップでその場所にマークが残されるし、双眼鏡から目を離しても数秒間は青く輝いてはっきり見えてる。
 所々にあるアウトポスト(宿泊できる山小屋みたいなとこ)も、一度訪れるとそこにファストトラベルできるようになる。

 だからって狩りが簡単なわけじゃなくて、足跡を追いかけていってもさっぱり動物を見かけない。逃げ出す音だけ聞こえて慌てて追いかけても、逃げる姿が見える場合もあるだけ。
 たまに鉢合わせすることもあるけど、対人FPSみたいに反射的に撃った腰だめのアサルトライフルで倒せちゃうなんてことは、まあないといっていい。
 歩いててうっかり茂みに踏み込んだり木の枝に触れただけで音がして動物に気付かれる。立ってたら見られて気付かれもするし、動いたら気付かれたりもする。風上に立ったら臭いで気付かれたりもする。
 しゃがんだり伏せたりすれば騒音や視認性は下がるけど、移動は遅くなるし草むらに目線を遮られる。

 なんとか開けたところに出て足を止めた動物を発見できたら、まず双眼鏡でスポットする。ある程度距離もわかる。
 ライフルに持ち替えてスコープを覗き、対人FPSみたいにヘッドショット……を狙っちゃダメ。大口径ライフルででもなければ頭蓋骨に阻まれてかえって致命傷になりづらいし、顔が潰れた剥製じゃ仕方ないから減点になる。
 理想的には首の後ろの延髄か、心臓を撃ち抜く。しかしライフルの弾も直進しないで山なりに飛ぶから精密射撃も難しい。
 次善の策として肺や肝臓などを狙うのだけど、それだとすぐには斃れないで逃げ出す。追いかけて遺体を回収して初めて狩猟成功になる。
 うまく当たってりゃ少し行ったところで斃れてるんだけど、下手して脚とか尻とかに当たってたりすると、死なずに生き延びることもある。

 私も最初の数日は、2時間くらいやってシカ一頭穫れるかどうかだった。
 一週間もすれば慣れて、ある程度コンスタントに狩れるようになってきたけど、それでも割と簡単な中型のシカはともかく、バイソンやヘラジカのような大物は、それなりの強力な銃を入手するまでまともにやれなかった。
 かといって七面鳥とかウサギは、逆に的が小さいし、すぐ見つかって逃げられる。

 というようなのが、苦行に感じる人も多かろうけど、私にはどうにも熱中しちゃう。

 要領さえわかれば素人でもなんとかなる、実にいい感じの難易度。これ以上リアルじゃ手に負えないし、カジュアルすぎもしない。
 慣れてくると、水場や餌場、休憩場所(ニードゾーン)を見つけて来る時間帯(表示されてる)に待ち伏せたり、ある程度効率よくやれるようになっていく。

 夜間に月明かりで狩りをしてみたり、あえて弓でやってみたり、ギリギリまで忍び寄ってショットガンで仕留めてみたり。
 ライフルで撃ちそこねて怒ったバイソンが突撃してきて、必死でハンドガンで応戦したりもした。たまに動物が突っ込んでくるんだけど、体当りするとダメージを受けて最悪ダウンする。ダウンしても最寄りのアウトポストまで戻されるだけだけど。

 マップによってはアメリカグマが結構いるんだけど、こいつは今のところ襲撃されたことはなく、草食動物同様に逃げていく。獲っちゃうにしても、大型のシカよりむしろ狩りやすい感じだった。
 DLCにはグリズリーとか出ちゃうマップもあるのかな。

 マップは初期だと2マップしかない。初期2マップで一番の大物はやっぱりヘラジカ。
 最初から持ってる小さめのシカを狙う程度のライフルだと、まあそれこそ心臓一発に成功しなきゃ斃れやしない。
 あっちもけっこう甘く見て、他の動物より堂々と歩き回ってるし、運が悪いと突然でてきたヘラジカに轢かれたりもする。

 7mmリージェントマグナムなる大口径単発ライフルを入手してから、ようやく現実的に狩れるようになってきたけれど、それでも適当では無理だなあ。

 もし購入するなら、Hunting Starter Packというバンドルパックを買ったほうがいい。

 ゲーム本体に、拡張オプションのATV (小型のバギー) があると圧倒的に楽。まずフィールドを一廻りして、展望台を見つけて見に行くと、周囲にあるアウトポストや史跡などがマップに出てくる。そしてアウトポストを開放して……という作業を一通りやっておくと、狩りの効率がぜんぜん違う。地図と土地勘なしに狩りなんてできんのよ。観光も徒歩じゃしんどすぎる。

 テントとグラウンドブラインドもついてる。
 テントは任意の場所に置いて宿泊(時間調整・回復)と倉庫へのアクセスができる。便利。
 グラウンドブラインドは動物に見えにくい小型の建物を展開できる。待ち伏せ狩りに便利。

 それからシルバーリッジピークスというマップがついてきて、これは視界が広々としていて動物を見つけやすく、初心者には初期マップより遊びやすい。

 PCの要求スペックも、記載はGTX760以上推奨とか、今となってはかなり古いスペックなんだけれど、それでもビジネスPCくらいのものだと厳しいと思う。

 ほんとに肌に合うならめっちゃ遊べる。
 発売から時間が経ってるのもあって、膨大なDLCでかなり遊びごたえもありそう。

 セールで引いた大当たりだね。