堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

ウチマヘとSBDW

 私は90年代後半から、C-popが好きでけっこう聴いている。
 まああまり流行にキャッチアップしてるとはいえず、25年前からなんといっても郭富城が好きなままなんだけれど。
 25年前から情報更新せず郭富城だけ好きだといってる日本人、立場を逆にすれば、25年前からずっと及川光博だけ好きだといってる香港人、みたいな感じだろうか。

 90年代の香港音楽シーンは、「四大天王」、郭富城と張学友・劉徳華・黎明の四人が大人気であった。
 私が知ったのは、たまたま実家でほんの1年ほど契約したケーブルテレビで流れたアジア音楽専門チャンネル・スタープラスからだったが、やはりこの4人は常にランキング番組でも常に居る感じで。

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 こんなん見たらハマるやん。

 一応探せば日本にもCDなど売ってる店もなくはなく、四大天王だったらまあ探して買うこともできた。「唱這歌」の入ってるCDもなんとか見つけ出したよ。
 しかしながら、四大天王以外となると、なかなか日本で買うのは難しい。
 ネットも黎明期で、翻訳などもないから言語の壁も高く、香港音楽シーンを追うのも私には無理だった。

 

 その頃スタープラスの歌番組で見かけた、異様な歌が心に貼り付いていた。

 男性が数名のグループで、「ウチマヘ」という謎のフレーズを何度も繰り返すバラード調の歌。
 ムーディーな感じではあるんだけど、なにしろ「ウチマヘ」が日本人には謎の語感すぎる。しかも「ウチマヘウチマヘウチマヘー ウーッ ウッチーマヘーェー」とほんとに何度も何度もウチマヘが繰り返される。

 なんとも忘れられないMVだった。香港は90年代からMV文化が強くて、ビデオCDとかすごく流行ってプレイヤーもみんな持ってたくらいらしいけど、映像以前に歌が強くて覚えさせられた。

 のだけど、歌ばかり強烈過ぎ、歌手の名前もなにもかも忘れてしまい、CDを探そうにも探せない。歌番組でもそれほど繰り返し見られたわけでもなく、多分数回見たっきりだったと思う。

 

 25年の間、ときどき「ウチマヘ」と検索してみては何の成果もなく終わっていた。

 

 

 が、2022年6月24日朝、ふと思い出して「ウチマヘ」を検索したところ、どうやらメルカリにそういうユーザー名のひとがいるらしいとわかった。
 まあ内前さんが本名をひねっただけかもしれないが、もしかして「ウチマヘ」は広東語で意味のある言葉なんではないか、と今更思い当たった。(情報なさすぎて、何か語感だけの無意味なフレーズかとさえ思ってた)

 で、ピンインもわからないけど、Wu-chi-ma-heあたりかなあ、と思って検索してみると、Instagramに「烏漆麻黑」というユーザーがいるとヒットした。

 烏漆麻黑、と検索してみると、

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 これだあああ!

 25年わからなかったのが、30分くらいで見つかってしまった。

 25年ぶりに聴いたウチマヘは、やっぱり「ウチマヘウチマヘウチマヘー ウーッ ウッチーマヘーェー」のままだった。こんなフレーズ忘れられるわけがないな。

 烏漆麻黑というのは、Google翻訳にかけるとpitch blackと出てくる。完全に日が落ちて暗くなった後とか、暗闇のことらしい。

 

 でもって、謳っていたグループも「咻比嘟華」であるとわかった。英語で書くとS.B.D.W.らしい。
 またもや、広東語でも英語でも意味がわからない。

 なんのこっちゃとぐぐってみると、なぜか兎田ぺこらの動画を繁体中文圏のひとが切り抜いた動画が出てきた。

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 咻比嘟華、つまりシュビドゥバのことであった。まさか兎田ぺこらに教えられるとは。

 

 そういうわけで、私が探していたのはシュビドゥバのウチマヘという歌であった。

 カラオケ入ってるかな。覚えて歌えるようにしないと。苦労してCD探さなくてもYoutubeでMVを見ながら聴きまくれる時代だぜ。