「三冠馬が出るのは、その世代の他の馬が弱いからだ」という説もあるんだけれど、実際のところどうなのか。
クラシックで三冠馬の前に2着する、または2回以上3着した馬はどんな馬なのか、またその馬がクラシック以外で勝利した重賞は何だったかをリストアップしてみた。
- セントライト(1941年三冠馬、横浜農林省賞典4・5歳呼馬)
- シンザン(1964年三冠馬、スプリングS・宝塚記念・目黒記念秋・天皇賞秋・有馬記念)
- ミスターシービー(1983年三冠馬、共同通信杯4歳S・弥生賞・天皇賞秋)
- シンボリルドルフ(1984年三冠馬、弥生賞・セントライト記念・有馬記念・日経賞・天皇賞春・ジャパンカップ・有馬記念)
- ナリタブライアン(1994年三冠馬、朝日杯3歳S・共同通信杯4歳S・スプリングS・有馬記念・阪神大賞典連覇)
- ディープインパクト(2005年三冠馬、弥生賞・神戸新聞杯・阪神大賞典・天皇賞春・宝塚記念・ジャパンカップ・有馬記念)
- オルフェーヴル(2011年三冠馬、スプリングS・神戸新聞杯・有馬記念・宝塚記念・フォワ賞連覇・産経大阪杯・有馬記念)
- コントレイル(2020年三冠馬、東スポ杯2歳S・ホープフルS・神戸新聞杯・ジャパンカップ)
こうして並べてみると、クラシック三冠馬はいずれも、古馬になってからさらにGI級の大レースを勝っている。世代のトップであり、かつ他の世代に引けを取るような存在ではないと見せている。
ミスターシービーなんかはひとつ下にシンボリルドルフがいるけど、それでも天皇賞は取った。
一方、三冠馬に惜敗した馬が大レースに勝ってるのが、ミナミモアの帝室御賞典、サダムパテックのマイルチャンピオンシップだけ。クラシックのリベンジを果たせた馬というのがほとんどいない。
三冠馬に惨敗するか、クラシックにはほとんど出られなかったような馬の方が成績がいい印象というか、カツラギエースとかサクラローレルとかすぐ出てくる。
牝馬の方も見とこう。
- メジロラモーヌ(86年牝馬三冠、中山三歳牝馬S・阪神四歳牝特・東京四歳牝特・ローズS)※秋華賞未開設でエリザベス女王杯が4歳限定
- スティルインラブ(2003年牝馬三冠)
- アパパネ(2010年牝馬三冠、阪神JF・ヴィクトリアマイル)
- ジェンティルドンナ(2012年牝馬三冠、シンザン記念・ローズS・ジャパンカップ連覇・ドバイシーマクラシック・有馬記念)
- アーモンドアイ(2018年牝馬三冠、ジャパンカップ2勝・ドバイターフ・天皇賞秋連覇・ヴィクトリアマイル)
- デアリングタクト(2020年牝馬三冠)
牝馬の場合は、クラシックで三冠馬にやられたけど古馬になって負けないくらい活躍したとか、三冠馬と一緒になって男馬をなぎ倒したようなものすごいのが出ている。
三冠オール2着を決めた例も、牡馬にはないけど牝馬にはヴィルシーナがあった。