相馬眼、いわゆる馬を見る目というやつ。
先日、なんとなくYoutubeにおすすめされるままに流してた、競馬系ゆっくり解説動画が、とある牧場主の方の相馬眼について疑問を呈して、「相馬眼があるならノーザンテーストとかサンデーサイレンスを見抜いて輸入してみろ」というようなキツイことをいってたんです。
あれっ、でもあの牧場って……と思って検索してみるとやはり、ノーザンテースト以上とは言わないけどモガミやリアルシャダイあたりと比肩する超大物種牡馬、産駒にウマ娘になったGI馬までいるようなのを導入した人で、種牡馬の輸入を基準とすると相馬眼は日本競馬史上屈指という人でした。なんてこった……。
かのフサイチの馬主さん関口房朗氏は、「高い馬は走る」という強烈な信念で、何億という金を積んで馬を買い、そして東京とケンタッキーのダービー馬のオーナーになってみせたりもしました。
しかしその一方で、セリで1050万のテイエムオペラオー、御三家の時代に父内国産馬のナリタトップロード、たった500万だったらしいマル外メイショウドトウがぶっちぎりで稼ぎまくった痛快な世代もある。
血統的に冴えない安値の馬が大活躍するのを見ると、「馬主さん見る目あるなあ」と思えてくるのは自然なとこでしょう。
まあメイショウさんこと松本好雄氏は、馬のことはわからないから調教師や牧場の方が勧める馬を言われるままに買ってる、という話ですが、それもまた「見込んだ人の見る目を信用する」というひとつの相馬眼でしょう。
そんな相馬眼を、データとして抽出できないかな、と考えてみた。
馬主さんの相馬眼を測る
考えてみたのが、「ある種牡馬の産駒の中から特に活躍した馬を選び取っている」ということを相馬眼の基準としてはどうだろう、と。
サンデーサイレンスの産駒なんて買えば高いだろうけど期待値は高い。
オペラハウスだと当たり外れが大きい。
大きくは望まない生産者には、大物は出にくいけど安定して勝ち上がり率が高い、でも種付け料は安い種牡馬は結構人気がある。サウスヴィグラスとか。
で、「その中で1番」を選び抜く目を、どの種牡馬に対しても同等に適用しちゃう。サンデーサイレンス産駒からディープインパクトを選び出すこと、オペラハウス産駒からテイエムオペラオーを、サウスヴィグラス産駒からナムラタイタンを見出すことを等価と扱う。
そうなると、粛々と超良血馬を並べるタイプの馬主よりも、日高の牧場から相馬眼で選び出してる馬主さんの姿が浮かび上がってくるんじゃないか、と。
そういうわけで、先に挙げたオペラオー・トップロード・ドトウの馬主さん、竹園正繼氏(テイエムさん)、山路秀則氏(ナリタさん)、松本好雄氏(メイショウさん)の所有馬を対象に検討してみる。
その中から、総賞金1億円以上を稼ぎ、父を同じくする競走馬のうちで賞金総額上位10位以内にランクインした馬をリストアップした。
ナリタさんの場合
- ナリタトップロード(父サッカーボーイで1位/1079頭)
- ナリタブライアン(父ブライアンズタイムで2位/1558頭)
- オースミジェット(父ジェイドロバリーで1位/1177頭)
- ナリタタイシン(父リヴリアで1位/202頭)
- オースミロッチ(父アーティアスで1位/465頭)
- オースミタイクーン(父ラストタイクーンで1位/468頭)
- ナリタハヤブサ(父ナグルスキーで3位/654頭)
- オースミハルカ(父フサイチコンコルドで3位/1016頭・牝馬では1位)
- オースミコスモ(父フジキセキで10位/1875頭・牝馬では4位)
- オースミシャダイ(父リアルシャダイで7位/1010頭)
- ナリタキングオー(父Wild Againで2位/51頭)
- オースミマックス(父サクラユタカオーで5位/573頭)
- オースミブライト(父ラストタイクーンで3位/468頭)
- ナリタチカラ(父サーペンフロで5位/299頭)
- オースミダイナー(父ギャロップダイナで1位/454頭)
- ナリタフジヒメ(父ディカードレムで3位/157頭・牝馬では1位)
- ナリタタイセイ(父ダイナガリバーで6位/722頭)
- オースミポイント(父ベリファで2位/261頭)
netkeibaで出てくる所有馬総数は348頭で、今回の御三方では最も少ない。
基準該当馬が18頭。
1位が6頭、2位が3頭、3位が3頭。
ブライアンズタイムの2位(1位がタイムパラドックスで、正直ナリタブライアンから見ると悔しいか)、フジキセキからも10位を引いてるから、超一流クラスの種牡馬からも当てる。
サッカーボーイは、タマモクロスと並んでサンデーサイレンスに立ち向かう内国産種牡馬の星だったな。
当人はマイルチャンピオンシップの勝ち馬だけど、子はトップロード、ヒシミラクルと菊花賞馬が2頭出た。エリザベス女王杯のティコティコタックも。
ジェイドロバリーはグランクリテリウムを勝ってきた馬で、近親にSadler's Wellsなど名種牡馬がいる超良血。日本では御三家の間に埋もれた感じはあるけど、ダートの強豪も多かったし、芝でも重賞馬複数。
リヴリアは、あんな早くに死んでしまわなければもっと色々出たかも。ナリタタイシンの他にも、ワコーチカコとかマイヨジョンヌとかペガサスとか重賞馬を初年度からまとめて出している。その活躍を見て良い肌が集まって……というタイミングで死んだ。
アーティアスは、名馬だらけの74年生まれで、The MinstrelやAlleged、マルゼンスキーと同世代。英国ですでに種牡馬として活躍馬も出している中で84年から日本へ。しかし日本にはあまり合わなかった感じかな……。
ラストタイクーンは、BCマイルなどGI 3勝の名馬で、種牡馬として欧州豪州日本と世界を飛び回った。日本でも桜花賞馬アローキャリーを出した。キングカメハメハの母の父だったり、子のMarjuは母の父がアーティアスだったりする。
ギャロップダイナは「名馬と呼ばれるのが似合わない」といわれた馬で、札幌日経賞を空馬で1着しかもレコードタイムで走り抜けるお笑いを敢行、その後シンボリルドルフ相手に天皇賞を勝ってしまい、翌年の安田記念も圧勝。そしてフランス遠征もした。
種牡馬としては、オースミダイナーが地方で大活躍した他は、エプソムCのマルマツエースが出た。
賞金が9126万円だったので対象外だけど、オースミナイトは父マタボーイで1位/201頭。時代が古いから賞金が安くて1億円がちょっと遠かった。
マタボーイはミドルパークステークスを勝って日本に来たTudor Minstrel系の種牡馬。新潟大賞典のメークアスマートも出している(賞金2位)。
テイエムさんの場合
- テイエムオペラオー(父オペラハウスで1位/912頭、全日本馬で2位)
- テイエムオーシャン(父ダンシングブレーヴで3位/299頭・牝馬では2位)
- テイエムジンソク(父クロフネで7位/1849頭)
- テイエムドラゴン(父アドマイヤベガで6位/437頭)
- テイエムハリアー(父ニューイングランドで1位/454頭)
- テイエムオオアラシ(父セクレファスターで2位/145頭)
- テイエムジャンボ(父クリスタルグリッターズで4位/458頭)
- テイエムオオタカ(父ホワイトマズルで9位/963頭)
- テイエムプリキュア(父パラダイスクリークで3位/719頭)
- テイエムトッキュー(父タマモクロスで8位/808頭)
- テイエムメガトン(父スキャンで4位/1059頭)
- テイエムタイホー(父ニューイングランドで2位/454頭)
- テイエムトップダン(父ダンシングブレーヴで9位/299頭)
- テイエムサウスダン(父サウスヴィグラスで9位/1405頭)
- テイエムイナズマ(父ブラックタイドで5位/952頭)
- テイエムハリケーン(父ワッスルタッチで5位/467頭)
- テイエムアタック(父テイエムオペラオーで3位/338頭)
- テイエムダイパワー(父アドマイヤジャパンで1位/365頭)
- テイエムヨカドー(父テイエムオペラオーで5位/338頭)
- テイエムエース(父テイエムオペラオー6位/338頭)
- テイエムオペラドン(父テイエムオペラオーで7位/338頭)
- テイエムコンドル(父テイエムオペラオーで8位/338頭)
- テイエムジェネラス(父ジェネラスで3位/348頭)
- テイエムカゲムシャ(父タバスコキャットで2位/225頭)
- テイエムチェロキー(父トランセンドで2位/258頭)
テイエムでも竹園正継さんの名義じゃないのもあるのだけど(オペラオー産駒の稼ぎ頭テイエムトッパズレなど)、とりあえず今回は馬主さんの見る目の話なので置いといた。
所有総数1092頭。
基準該当25頭、1位3頭、2位4頭、3位4頭。
自家生産でオペラオーを使ってるので、5頭もランクインさせている。
オペラハウスは、なんというかムラの激しい種牡馬で、当たればオペラオーやメイショウサムソン、そうでなければ空振り。それから障害ではめっぽう強かった。
別に竹園オーナーがオペラハウス産駒を大量に買ってたわけでもなく、6頭買っただけ。それで日本競馬史上最高賞金馬になったオペラオーと、それからG2時代の大阪杯を勝ったテイエムアンコールを当てている。
ニューイングランドは日本馬で、3歳12月デビューから4歳夏まで走って7戦4勝で引退した未完の大器。フジキセキやアグネスタキオンのようにはいかんかったけど、それでも障害の強豪テイエムハリアー、40戦目でオープン入りして47戦目で重賞制覇のネコパンチなど重賞馬も複数出している。
アドマイヤジャパンはサンデーとビワハイジの子で、勝ったのは京成杯だけだけど皐月賞3着菊花賞2着。
まあ種牡馬としては数多のサンデーの子に埋もれて、自己条件で稼いで最後にオープンに上がったテイエムダイパワーが賞金一位になる程度。
他に賞金一億円以下のところで、テイエムタイガー(父ダイヤモンドショールで1位/167頭)、テイエムダンガン(父ネヴァーダンスで1位/238頭)、テイエムカチボシ(父サフロンウォルデンで1位/103頭)といったマイナー種牡馬の1位もあった。
ダイヤモンドショールは全欧古馬牡馬チャンピオンで、サンクルー大賞、バーデン大賞、ミラノ大賞典を勝ってるそう。ミルジョージに続いて輸入されたMill Reef系の種牡馬っぽい。
産駒は他に、TCK女王盃のトミケンクイン、アネモネSのフミノパラダイス、洛陽Sのアクションシーンがいる。テイエムタイガーは自己条件で超高い掲示板率を誇りつつ結局1000万条件を上がらず賞金を拾い続けた、ある種の名馬。
ネヴァーダンスは近親に名馬・名種牡馬が多く、おじは米国リーディングサイアーになったExclusive Native、日本ダービー馬メリーナイスを出したコリムスキーがいる。本人は競走では全然ダメなので、血統から代用種牡馬として導入されたかな。
ダートもいけるみたいで地方重賞馬が出てるけど、賞金では中央準オープンに上がったまでのテイエムダンガンが一位だった。
サフロンウォルデンは、アイルランド2000ギニー馬。近親に日本のローズS勝ち馬タッチングスピーチがいる。Sadler's Wellsの子ではオペラハウスが日本で種牡馬として活躍してるのを見て、わりとスピードに寄って出たこの馬を、日本でいけると思って導入したとかかな。結果は完全なる空振りだった……。
メイショウさんの場合
- メイショウサムソン(父オペラハウスで2位/912頭)
- メイショウドトウ(父Bigstoneで1位/6頭)
- メイショウバトラー(父メイショウホムラで1位/41頭)
- メイショウボーラー(父タイキシャトルで1位/1407頭)
- メイショウトウコン(父マヤノトップガンで2位/1116頭)
- メイショウマンボ(父スズカマンボで1位/401頭)
- メイショウアムール(父ワッスルで1位/187頭)
- メイショウダッサイ(父スズカマンボで2位/401頭)
- メイショウカイドウ(父スキャンで1位/1059頭)
- メイショウベルーガ(父フレンチデピュティで5位/1067頭・牝馬では1位)
- メイショウモトナリ(父アレミロードで1位/453頭)
- メイショウレグナム(父ベルマンで1位/203頭)
- メイショウビトリア(父ミスターシービーで2位/652頭)
- メイショウワカシオ(父モガンボで1位/390頭)
- メイショウホムラ(父ブレイヴェストローマンで5位/721頭)
- メイショウキオウ(父コマンダーインチーフで7位/1145頭)
- メイショウサライ(父マーベラスサンデーで8位/946頭)
- メイショウマリーン(父ナイスダンサーで3位/540頭)
- メイショウウタゲ(父プリサイスエンドで3位/990頭)
- メイショウヨシイエ(父アンバーシャダイで9位/975頭)
- メイショウラムセス(父ラムタラで2位/583頭)
- メイショウシャフト(父メイショウオウドウで1位/193頭)
- メイショウサンダー(父ノーザンディクテイターで3位/818頭)
- メイショウタメトモ(父ジョリーズヘイローで1位/571頭)
- メイショウキング(父タイテエムで3位/814頭)
- メイショウカズサ(父カジノドライヴで3位/453頭)現役
- メイショウタロー(父アラジで2位/216頭)
- メイショウヒデタダ(父メイショウボーラーで3位/991頭)
- メイショウワザシ(父アイルハヴアナザーで3位/453頭)現役
- メイショウソラーレ(父メイショウサムソンで6位/592頭)
- メイショウキヨモリ(父スキャンで6位/1059頭)
- メイショウエイコウ(父サマーバードで1位/84頭)現役
- メイショウマキーナ(父スタイヴァザントで2位/46頭)
- メイショウマシュウ(父アドマイヤマックスで6位/430頭)
- メイショウオーパス(父メイショウボーラーで7位/991頭)
- メイショウカリン(父ケイムホームで4位/551頭)
- メイショウハリオ(父パイロで9位/914頭)現役
- メイショウテンスイ(父ダンカークで1位/512頭)現役
- メイショウセイザン(父ホスピタリティで10位/479頭)
39頭。多い。登録総数も1730頭と抜群の多さ。
1位が13頭、2位が7頭、3位が7頭。
Bigstoneは英仏でGIを4勝した名マイラーで、アイルランド・ニュージーランドでも供用された。アメリカのGI馬Meteor Stormも出している。日本での活躍馬はただドトウだけ。
メイショウホムラは、3歳で才能を見せつつ骨折でクラシックを棒に振り、後にダート馬としてのし上がって最優秀ダート馬になった。松本氏が種牡馬入りさせ、メイショウハゴロモとの間にバトラーを出した。メイショウさんならではの結果。
メイショウオウドウはGIIを勝つ活躍をしつつ、生産者側からサンデーの子で手頃な種牡馬がほしいと求められてスタッドイン。一発超大物を出したホムラと違って、一勝くらいはするのを出せたみたい。
タイキシャトルは種牡馬としてもなかなかの成績を残して、NHKマイルCのウインクリューガーも出してる芝ダート両用種牡馬になった。母の父としても活躍。
メイショウボーラーも種牡馬になってニシケンモノノフを出してる。その子も今年デビューだ。
スズカマンボは天皇賞春を勝った。血統的にはわかりやすい良血で種牡馬としてもなかなか人気があったけど、体調的にあまり付ける数を増やせなかったそう。芝・ダート・障害すべてでGI馬(芝はマンボ、ダートはサンビスタ、障害はダッサイ)を出している。
ワッスルはアイルランド2000ギニー馬。Mill Reefの子で、例によってミルジョージの後追い狙いで輸入されたかな。ほとんど同時にワッスルタッチという種牡馬も供用されていて紛らわしいけど、あっちはNorthern Dancerの子で無関係。でも種牡馬成績まで似たような感じだ……。
アムールの他は、巴賞を勝ったヘイアンワッスルあたりが活躍した。
スキャンは、Carleonの甥っ子でGI 2勝。種牡馬としては超大物が出るわけじゃないけど、芝ダート問わず、早枯れもしにくい感じで生産者には有り難そうなタイプ。
サンドピアリスとの子タマモストロングがマーチSを勝ったり、あのマチカネワラウカドもいたりと、ちょっとおもしろいのが活躍した。
アレミロードは、ジャパンカップに来てジュピターアイランドと激しい競り合いを繰り広げた。フェデリコ・テシオの最高傑作Ribotの孫なんだけど、リボー系はもうほとんど滅亡してしまったな……。
モトナリやベラミロードなどのダートの雄と、中山グランドジャンプを勝ったメジロファラオなどが出た。
ベルマンは……私程度じゃ聞いたことない程度にマイナー。ベリファの半兄。
レグナムが小倉大賞典を勝った他は条件馬止まり。
モガンボは、CBスタッドに導入されていた中どこの種牡馬で、勝ち上がり率がそこそこ良くてわりと人気はあった。中央重賞馬はワカシオの京都ジャンプステークスだけ。ダートでは結構強いのが出て、オアシスSを連覇したグレイトチャーマーや地方重賞馬がいる。
ジョリーズヘイローは、アメリカでGIを3つ勝った。Haloの子で、ビワハヤヒデの父シャルードのいとこ。賞金ではタメトモが多いが、重賞を勝ったのはガーネットSのスーパーナカヤマや函館2歳Sのハートオブクィーンなど。ダートでよく走って人気はあったみたい。
サマーバードは、アメリカGIを3勝して日本に来たんだけど、たった一年の供用で早逝してしまった。
まだメイショウエイコウも現役だし、地方でサノサマーというのがまだ走ってる。賞金の差は2500万くらい。ただ、どっちももう年齢的に限界っぽいかな。ひっくり返すにはきついか。
ダンカークは競走でサマーバードのライバル(負けてる方)だった。今も現役で産駒を出してるから入れ替わりは十分あると思うんだけど、あまり息長く稼げる子を出す種牡馬じゃないから、すぱっと大きいレースを取れる馬が出ないときついか。
他にメイショウコテング(父メイショウキングで1位/45頭)、メイショウタイガー(父レボウで1位/284頭)、メイショウテンセイ(父カルストンライトオで1位/77頭)、メイショウオイカゼ(父メジロモンスニーで1位/193頭)、メイショウプリンス(父ランドプリンスで1位/29頭)といった最高獲得賞金産駒を当てている。
ランドプリンスは花の47年組と呼ばれた強豪世代の皐月賞馬なんだけど、母系が血統不詳の豪サラ・ミラに至るサラ系馬で、種牡馬としては悲しいまでに不人気だった。
メイショウプリンスの母はメイショウグリーンという、76年のエリザベス女王杯で6着になった馬。メイショウ軍団最初期の馬の一頭で、それを繁殖に上げて、最初につけたのがランドプリンス。なにか思うところがありそうな。
比較すると?
「その種牡馬の中で特によく稼いだ産駒を選び取った」という基準で行くと、やはりナリタ・オースミの山路秀則氏が見事に走る馬を当ててるなあ、という感じ。
ブライアンズタイムから、ベリファやダイナガリバーまで幅広く、しっかり当ててきてる。単に高額馬を買い漁ってもダメだろうし、かといって不人気種牡馬の子ばっかり選んで一発狙いじゃ、こんなに多数当てられない。
メイショウ軍団はやはり二線級の種牡馬の中での1位とかが多くて、これは確かに「中小牧場ができる範囲の配合で生まれた、とびきり出来が良さそうなやつをメイショウさんだから買ってもらった」といったケースが多いんだろうと思う。
テイエム・メイショウは、自分の馬の子をまた所有してるケースも多くて、そのへんは大事にしてるなあと。
テイエムオペラオーは種牡馬として失敗したといわれてはいるけど、億稼ぐ馬は結構な数まで出せてはいる。シンジケート組まれて広く牝馬を集めていたらまた違ったかも、とは思うけれど。
ことさら集計はしないけれど、フサイチの関口房朗氏だと、父馬に超一流種牡馬が並びすぎて、今回の基準だとなかなか難しい。
シゲル軍団の、安くて走る馬を見つけることがモットーの森中蕃氏は、方向性としてはメイショウさんに近いようにも思うけど、自分の目だけでいくと苦戦してるか。
しかしメイショウドトウの産駒では、メイショウ軍団をさしおいてシゲルタックが1位。アラブ末期の名馬シゲルホームランも、父キタサンブルーでダントツ。
ブラックタキシードとかオンファイア、ロドリゴIIにモンテプリンス、スーパーホーネットなど渋いところからもなかなか走るのを当ててもいるので、なかなか珍馬名ばかりの馬主さんでもない。
キリがないけど、小田切有一氏も「その父馬知らんぞ……」という高額賞金馬がけっこういる。スターマンの産駒で7勝のオープン馬ナゾを出してるのが謎というか驚愕。
逆にマチカネ細川益男氏は、けっこう有名種牡馬の産駒が並んでいて、名前はともかく馬の買い方はオーソドックスだったのかも。