思ったことを端的にまとめると、表題の通りだった。
檸檬堂は9・7・5・3%のバリエーションがあったけど、私が買うのは迷わず5%。3%は選択肢に入るけど、9%は邪悪だからよくない。
いや、350mL缶で9%もアルコールあったら、アルコール量は31.5mLにもなるでしょ。43%のウィスキーをダブル(60mL)でもアルコールは25.8mLだぞ。
そんなもん100円ちょっとで売ったらあかん。社会悪。
以下、単に「檸檬堂」と書いた場合、5%の定番レモンを指すものとする。
でまあ檸檬堂、たしかに美味しい。
なんというか、正気の味がする。シンプルなスピリッツに、たっぷりめのレモンと、ある程度の砂糖(合成甘味料じゃないやつ)と少しの酸味料で調整しただけの味。
アルコールを飲んでるという感じも、抑えられてはいるけど、ある程度はある。酒なんだから当たり前だ。
私がストロングチューハイが社会悪だと思ってるもうひとつの理由が、合成甘味料を魔法みたいに使いこなして、9%も度数あるのにアルコールっぽさが消されていて、あまりにも飲みやすすぎることだよ。ストロングゼロも大概だけど、フォーナインはもっとヤバい。あれはおかしい。
あんなもんを、酒に慣れてない若い子に飲ませたら、体質によっては事故になる。ジュースみたいに飲んじゃって、量もペースもオーバーするよ。
そんな邪悪なストロングチューハイが、もはや半分くらいを占めている恐ろしい商品棚に、正気の度数でまともな味のものをねじ込んで、さらに美味いと話題にさせてるのは、コカコーラ偉いなと思う。9%の鬼レモンさえなければもっとよかったけれど。
しかし、どうにも解せないのだけど、「正気の度数で、まともな味」という缶チューハイだったら、キリン本搾りが前からあるでしょうよ。
私からすれば、もうずっと前から、本搾りが一番美味いし度数も正気の、一番いい缶チューハイだと思っていたのよ。
原材料表示が、レモンだったら「レモン、ウオッカ、レモンリキュール/炭酸」。
今飲んでる「薫りぶどう&芳醇りんご」なんて、「ぶどう、りんご、ウオッカ/炭酸」。
果汁の量もたっぷりしていて、レモンなら12%、ぶどう&りんごなんて60%だ。
度数は味によって違うけど、高くて6%、低いと4%くらい。
邪悪なところがカケラもない。
たしかにまあ、細工を何もしてないから、飲んだらアルコールが当たるような感じがしたりもする。私も、成年したばっかりだったらちょっと飲みにくく思ったかもしれない。
しかし酒ってそういうものだ。酒を飲むようになるならいずれ慣れるものだし、慣れられないなら酒を飲む体質じゃないのだ。それを消してジュースまがいにしてしまったら、自分が酒を飲む人間かどうかの判断も狂う。
檸檬堂は加糖してはいるけど、まあレモンだからな。
「果汁とアルコールだけ」というアプローチだと、そもそもレモン自体が酸っぱくて飲みづらい。それを抑えるために加糖するのを否定したら、「レモンスカッシュも無糖であるべき」みたいなラジカル過ぎる主張になっちゃう。
合成甘味料じゃなくて糖で味付けしている檸檬堂は、全然悪くないよ。
そんなまともな味の檸檬堂が美味いといわれるんであれば、今一度、正気の缶チューハイたるキリン本搾りが再評価されんものだろうか。
最近の本搾り、売り場からどんどん減っていってるの。
普通のスーパーだと、本搾りってグレープフルーツだけしか置いてなかったりするからな。レモンすらない。私はオレンジがいいんだけど、最近売ってない。
せっかく正気の缶チューハイである檸檬堂が現れて、代わりに売り場からはじき出されるのが本搾りだったら、社会悪みたいなストロングチューハイが溢れかえってる現状は変わらんのです。
弾き出すならストゼロやフォーナイン……だといいけどそこまでは強敵すぎて無理だから、さしあたりキリン・ザ・ストロングあたりを蹴り出せないだろうか。あれのハードコーラ、こんなまずい酒飲んだこと無いってくらい不味かったぞ。
檸檬堂と本搾りを飲んで、缶チューハイ売り場からストロング系を打倒する革命を起こすのだ!
……というようなことを、本搾り飲みながら書きました。