堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

エラー画面恐怖症

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 AbemaTVを見ていたら、何か通信エラーでも起きたのだろうか、突然映像が切れてこんな画面になった。

 私はどうも変な恐怖症があるみたいで、このエラー画面が怖い。

 まあ、こうやってスクリーンショット撮ってブログに貼り付けて説明書いてるくらいだから、さほど強い恐怖を覚えてるわけじゃないんだけれど。
 それでも、突然映像と音声が止まってこれに切り替わった瞬間は、びくっとして胃が縮まるような感じだった。

 今このスクリーンショットを見ていても、やっぱりある程度は怖いなあ。
 黒字にぽつんと白い文字で出るエラーメッセージ、というのがいかんのかな。

 

 

 エラー画面恐怖症とは我ながら変な恐怖症だけど、何か原因がありそうではある。
 まさかこんなことが遺伝子レベルで刻まれてたりするまい。幼児の頃からファミコンがあった世代が後天的にそうなったとしか考えられない。

 まー、私は友達というのは高校以後にしかいないので、中学まではほんとにファミコンとパソコンと読書で大体人生の全部、という感じであった。
 理解できないエラー画面が出る、つまりファミコンやパソコンがぶっ壊れると言うことに、半身が削られるような恐怖心を覚えてる、という感じだろうか。

 

 怖かったやつは今でも覚えているから、いくつか実例を挙げてみよう。

 子供の頃、PC-9801で出現頻度の低いエラー画面を見たことがあって、これが怖かった。

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 電源入れたら、いつもの「ピポ」の直後にこの画面が出て、2kHzのビープ音が鳴りっぱなし。
 これに遭遇してから、かなり長い間怖さを引っ張った覚えがある。今でもエラー画面を覚えてるくらいだし。

 当時検証した結果、「外付けの3.5インチフロッピードライブからOSを起動しようとしたが、OSの入ってないフロッピーを入れていた」という条件でのみ発生するエラーだった。内蔵FDDからの起動エラーだとこんな画面は出ないので、見る機会は少ない。

 

 で、「TI SADT IK」という全く意味不明の文字列が、なかなか恐怖を煽る。
 意味がわからないのは怖い。
 コンピューターとは全くロジカルなものであって、意味不明な表示がされるということは、誤動作しているか、プログラムを書いた人間が誤動作しているかだ。誤動作していたら、どんな酷い結果が待っているかわからない。

 あんまり怖いから、この文字列についても検証してみた。
 この文字が、やけに横長に表示されていた。これが大きなヒントになる。
 PC-9801の標準的な画面表示だと、半角文字で80字25行の表示ができた。しかし8bitパソコンなどとの互換のために、文字を横に二倍して40字25行の表示にもできる。
 その40字モードの画面に対して、80字モードのつもりで文字列を表示するよう命令するとどうなるか。
 1字飛ばしになる。これは当時やってたプログラミングで知っていた。

 「THIS_IS A DATA_DISK.」という文字列が一字飛ばしで表示された結果、こんなことになったようだ。

 

 発生原因もわかり、この意味不明な文字列の意味もわかり、ようやく恐怖は晴れたのだった。

 ほっといたらずっと怖かったと思うが、意味がわかると怖さは薄れるようだ。
 自分でプログラムを書いて、エラーっぽい画面を作成したりしても、それは別に怖くない。

 

 しかし他人にやられると怖くて、ブラクラとか、画面が乱れていくタイプのイタズラとかコンピューターウィルスなんかはかなりダメ。
 古典的なウィルスだとCascadeみたいな、画面が崩壊していって操作を奪われる感じのやつが怖い。

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 ひええ。

 画面崩壊は、たとえ害のない演出であっても苦手だ。
 ちょっと前のWindowsについてたソリティア、あれでクリアした瞬間にカードがざーっと流れる演出、あれもちょっとイヤだな。

 

 

 ファミコンの方で子供心に怖かったのは、やっぱりドラクエIII冒険の書ぶっとび画面だった。まあ、当たり前すぎるんだけど。

 実は私、ドラクエIIIって当時クリアできなかったのよね。
 ゾーマに負けて全滅、「いい加減にやめなさい」と親に怒鳴られて仕方なく終了。そして次の日学校に行って帰ってきたら、弟が勝手にゾーマ倒してエンディングを見ていた。
 自分でもやらないと、と再挑戦しようとしたら、でろりろでろりろでろりろでろりろでぃんどん、と。

 

 ドラクエIII以外だと、ギャラクシアンの裏技が怖かった。

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 リセットボタンを連打するなんていう、裏技にしても異様な方法で起動するこの音楽モード、これが怖かったなあ。
 この意味不明な画面表示も不気味だ。
 音楽も、最初の曲が「シバの女王」だというのは聞いていたし、二曲目がナウシカなのは聞けばわかった。それにどちらも、聞けば音楽だとわかる。
 けれど、3曲目からはなんだか変な音の羅列みたいで、何が何だかわからない。
 こんな異様な手段で呼び出した画面で、意味不明の音楽のような音が流れる。コンピューターかプログラマーが異常動作しているとしか思えない。

 これは今見ても結構怖いなあ。

 

 それから最後に、これは今でも遊ばれてるものだからネタバレを避けておきたいが、何のネタバレかも避けた方がいいと思うので、先に警告する。
 もうひとつ、私が怖いものの例を挙げるだけのことなので、別に読まなければならないものではない。

 

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 何のネタバレかだけ一度書くが、「Doki Doki Literature Club!」だ。

 

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 DDLC、面白いとだけ聞いてできるだけネタバレを避けて遊んだのだけど、いやー。
 一週目で、サヨリ首をつっているのを発見するところでダメで、さらにいうとその後に戻ってくるタイトル画面の崩壊したサヨリとニューゲーム画面の文字化け、あれがほんとにダメで。

 結局恐ろしくて二週目に入れず、アンインストールした。
 まさかこの歳になって、ゲームが怖すぎて続きをプレイできないなんてことがあるとは。

 

 しかしこれ、鬱の子を無自覚に追い込んで首を吊らせてしまう、ということが怖いのかと思ってたんだけれど、その程度だったらそこまでは怖がらないはずだ。
 それに色々前振りがあって、何が起こるかは容易にわかるテレフォンパンチみたいなもんだったし。

 あのシーンの演出、背景にスクリプトエラーの表示が混じっていたりして、何か演出がゲームシステムにはみ出してる感じが示唆されていて。
 それでタイトルに戻ったらサヨリのグラフィック崩壊でしょ。

 

 結局、あまりに据わりが悪いので、攻略サイトで最終的にどういう話になるのかだけは把握した。
 実は、第四の壁を破る、というやつなのはちらっと聞いていたもので、「君と彼女と彼女の恋。」みたいなネタかと思ってたのよね。共通するところはあったけど、ちょっと違った。

 その角度で切り込んでくるのが狙いか、と感心もしたし、そんなところに手を突っ込んで来られると私の恐怖症に刺さるなあ、とも。

 最後まで遊んでおきたかったな。無理だけど。