堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

バレンタインにヴァン・アレン帯を検索する

今週のお題「バレンタインデー」

 バレンタインと聞いても、もちろんキリスト教徒ではないから特に聖人云々の行司があるわけでもなく、今更特にあげたりもらったりもなく、かといってドカヘル被ってゲバ棒持ってバレンタイン粉砕と資本主義に鉄槌を下す気もない。

 ただひとつ、「ヴァン・アレン帯についてのGoogleトレンドを確認する」という行為は大体毎年やっている。

 

trends.google.co.jp

f:id:mubouan:20180209104229p:plain

 とりあえず上のアドレスからスクリーンショットで引用してしまうが、毎年2月に「ヴァン・アレン帯」の検索がはっきりピークを作っているのがわかる。

 少なくとも「ヴァン・アレン帯」という言葉を知っている程度の知識がありつつ、バレンタインデーとひっかけてダジャレを飛ばそうという、80年代なかばにゆうきまさみがとっくに通り過ぎた地点に今頃たどり着く程度にセンスの遅い人たちの存在を示す。

 ちなみに左端は2004年1月。
 2005年2月をピークに漸減傾向。この調子だと、あと数年で2月の「ヴァン・アレン帯」検索ピークも見えなくなるかもしれない。あるいは、今程度の小さなピークが出来続ける。

 

 先述の通り、「バン・アレン帯のお誕生日ですか?」というネタをゆうきまさみが「究極超人あ~る」に書いたのは80年代半ばだ。
 少なくとも1980年くらいまでに生まれたオタク系の男子、セーラームーンのヒットをリアルタイムで知っているくらいの世代なら、「究極超人あ~る」は基礎知識として抑えているだろう。
 そして彼らはロスジェネ、2004年当時には就職氷河期にやられて会社や社会に居所を得られず、代わりに2chをはじめとしてネットを占領していた。
 彼らが、いや、私たちが検索していたに違いない。

 Googleトレンドなんてものができているとおり、2004年なら「ググれば知識を得られる」と思う程度にサーチエンジンも発達してきている。
 見える見える、「ヴァン・アレン帯という言葉は知っているけどバレンタインデーが来るまで思い出しもせず、思い出したけど意味がわからないから検索した」という様。というか自分でもやってそうだ。

 

 2005年以来減少傾向な理由は、ちょっとよくわからなかった。
 強いて推定すれば、こんな感じだろうか。

 2005年だとまだPC普及率60%くらい、そこからもう少し上がって70%くらいにはなる。そしてPCの頭打ちと共に、2008年からスマホ時代が始まっていく。
 Googleで検索できる端末とユーザーは増えていった。

 そもそも「バレンタインデーが近づくとヴァン・アレン帯を思い出す」というのは、限られた層かと思う。
 ヴァン・アレン帯をそもそも知らない人は、検索したりしない。ヴァン・アレン帯を天文学方面からちゃんと知っている人は、他の時にも検索する。
 「究極超人あ~る」以外のネタ元も何かあるのだろうけど、誰でも知っているほどポピュラーなものは思い当たらない。何れにせよニッチなものだろう。
 「あ~る」を好む層と、早くからネットに手を出す層はかなり重なると見られる。すると、早い時代ほど割合として多く、普通の人が流入するにつれて比率は下がる。

 まあそれ以上に、こんなしょうもないダジャレネタは二度も三度も言うもんじゃないから廃れていった、というだけのことかもしれないが。

 

 2012年中から2013年のバレンタインにかけて、ちょっと検索が増加しているように見える。

放射線帯嵐探査機 - Wikipedia

 2012年は、ヴァン・アレン帯の探査機が打ち上げられている。打ち上げは8月で、ちょうど検索にもピークがある。これが原因かな。