堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

衆院選の感想

 いくつか。

 

天候悪化から水害へ

 大型の台風21号が近畿地方に接近しており、一週間は前からの秋雨前線による雨が続いていたところに、朝からかなり強い雨が丸一日くらい降り続けるという非常な悪天候になっていた。
 場所にもよるとは思うが、選挙行けないという人がいても咎めがたいくらいではあった。

 

 友人にとてつもない雨男がいて、ちょうどこの日に和歌山に外せない動かせない用事があって和歌山に向かったが交通が壊滅して立ち往生している、とのこと。

 おかげで、現在生きている交通手段はどれかと探し回ったため、大阪-和歌山間の交通がみるみる壊滅していくのをチェックすることになってしまった。

  • 南海本線
    昼頃から孝子駅の水没で不通、さらに夕方4時半頃に尾崎駅近くで線路が壊れ、復旧見込みがなくなった。
  • JR阪和線
    午後5時頃には日根野-和歌山間で不通。
  • 阪和自動車道
    いつからかは不明だが、夕方6時頃には山越え部が不通になり、泉南ICで通行止め。
  • 府道・県道
    61号堺かつらぎ線、62号泉佐野打田線、63号泉佐野岩出線が午後6時頃にはすでに不通。(これらはもともと山間部は細い道なので行けるとは思っていないが、特に62号線が酷く、はっきり土砂災害発生と避難勧告がでた)
    64号和歌山・貝塚線は比較的大きいので、午後6時時点ではまだ無事だった。しかし、JR阪和線と同じようなルートを通る道で、深夜にはやはりここもダウン。
    一応海沿いを回る65号岬加太港線もあるが、これもやはり不通。

 結局、国道26号線だけが最後まで生きていたので、タクシーでそこを通るように伝えた。なんとか到達できたようだが、帰るまでに復旧しているだろうか……

 結局深夜にかけてさらに状況は悪化、ついに大和川が氾濫するだなんて、私が記憶にある中では最悪の災害になっていった。
 私はテレビを持っていないからabema.tvしか見られなかったが、選挙特番が続いて災害報道がされてないという話も聞かれた。
 なんというか、台風が直撃はしていないから大雨の酷さが伝わりにくかったのかもしれないのだけど、これは本当にここ30年位で最悪の水害だわ。

 

 でまあ、選挙に戻る。

 

立憲民主党

 支持していた私からすれば、立憲民主党はもう、やっと現れた「気持ちよく投票できる政党」だった。

 民主党政権については、正直いってデマ的な悪評もあるように思ってるんだけれど、まあ良かったとも、悪いところが無かったとも言い難い。
 だから下野してからの民主党民進党も、「でも今の政権よりは」というような、支持するにしても妥協混じりだった。前の反省を活かしてより良くなろうとする姿とかも、私にはいまいち見えず。

 それで、前原代表の身売りというか身投げというか、突然の希望の党への合流の話。困惑する。
 謳い文句のとおりに、「安倍政権に対抗できる勢力を作る」と数の理屈に従って支持すればいいのか。
 しかし小池百合子という人がそこまで信頼できる人だとは、私には到底思えず。
 数の論理を重視するなら、「一旦希望を中心に野合してでも反安倍派で結集して状況を変えてから、小池百合子をおろしてすげ替えろ、そのほうが見込みがある」といった意見まで聞こえて、どうすればいいのか。

 ずっと、数のための妥協で投票する、すっきりしない選挙ばっかりだった。

 そこに #枝野立て からの立憲民主党立ち上げ。
 数合わせじゃない、と枝野さんはいうし、実際、数の理屈だけでいえばむしろ立憲民主党は足を引っ張るのはわかっていた。結果的には自民党の大勝利といえる数にもなった。
 それでも、今回は数じゃなくて、理念と政策と人で投票したんだと思ったら、よほどすっきりした。

 立憲主義だなんて当たり前のことが党名にまでなって、政策だって別に無茶なところもない穏健派のものだけど、たったそのくらいのことですっきり支持できる政党が今まで無かったことのほうが、よほど異常だったのかもしれないな。

 

 最終的には55議席、東海ブロックで比例の候補者が足りないという惜しいことにまでなって、まあ躍進だった。
 元民進党で無所属で当選した人の中には、「希望の党の踏み絵を止められなかった責任があるから」と公認を断って勝った人も結構いる。立憲に入るか、入らないまでも協力しようっていう人もいるだろうから、これからもう少し増えるのかな。
 極端なところでは、希望の党公認で当選したのに離党して立憲に、なんて話もあるようだけど。

 まあ、理念も何も放り出して強い方に流れる、というだけの人なら断ってくれればいいんだけど、無所属とか、逆風の希望で勝てる力のある人が、そこまでしょうもない議員ではないだろうし。
 元々、「排除します」という態度への嫌悪感もあるんだし、あんまり強硬に突っぱねるのも違う気もする。政策に同調できるかをチェックして、なんてのも、それこそ希望のやった踏み絵みたいになりかねない。
 私の希望としては、そういう人とちゃんと話して合意して、いっそ話した内容も公開するくらいで、気持ちよく決めてほしい。そんなことができる政党だとなれば、一時の風で終わらないものになると思う。

 

 今はまだ、東京・名古屋・北海道で強い地方政党みたいな勢力でしかない。そもそも急に立ち上がった政党だから候補者を擁立することさえできなかった。
 躍進したのは確かだけれど、反安倍反小池とか、仕方なく共産の票が流れ込んだ結果でもあろうし、まあぼちぼちしっかりやってほしい。
 

 

希望の党

 私が見ていた選挙特番がAbema TVので、主に東京の様子を扱っていたから、ことごとく希望の小選挙区候補が負ける、事前には拮抗すると思われていた候補が大敗していく様子を見届けることになってしまった。
 まあ、風に頼ったつもりが凪いだというのは、自分が悪いといったらそうなんだけれども、まさか週のスパンでそうなるなんて。

 私の選挙区の民進党元職なんて、希望の党の公認は取ったものの、大阪では維新と選挙協力するからと他所に飛ばされ、行った先で逆風に煽られて大敗していった。運のない人だなあ。

 正直に言えば、小池百合子前原誠司の行動などから、希望の党に好意は持ち難いんだけれど。
 しかし、あんまりにも右へ左へ急展開しすぎた中での選挙戦だったし、この状況だと希望で出て負けた人も、必ずしも本意ではない選択を余儀なくされた人も多かろうと思うし。
 どうも、ざまあみろ、とかそんなことは言いづらい。

 希望で勝てた人となれば、元々民進党の議員として実績があった人が多いだろうから、これからは風じゃなくて政治信条で議員やってくれればいいんじゃなかろうか。
 やっぱり立憲や自民にいく、というなら、人として筋は通す形で支持者の信頼損ねないようにしてくれれば。

 

 しっかし、突然樽床伸二が出てきて、なんで?と思ったら、小池百合子がパリ行ってる間の代表代行を命ぜられたとかで、ああ、恐ろしくわかりやすい貧乏くじ……と思ったけど、結局パリの小池百合子直撃映像ばかりが注目されて樽床さんは結局スルー。
 これもまた、哀れというと変だし失礼だけれど、もうちょっと小池百合子は周りの人を大事にせんものだろうか。

 

前原誠司

 以前民主党の党首やってたときも、永田寿康議員の偽メール事件で失脚しちゃったものだけど、今度は小池百合子の風に乗ったら凪いで失脚。

 数の論理に従って、風しか考えずに小池百合子しか見てなかったのかなあ、と思ったけれど、もしかすると、むしろ味方がよく見えてない人なのかもしれない。
 永田寿康が危ういことにも気付けなかったか、止められなかった。
 枝野幸男が、確かに本人が先頭に立とうというタイプではないのはそりゃ私が見ても思うけど、それでも自分が作った状況が彼を立たせるに至ることにも気付けなかった。
 小池百合子が排除なんて言い出すことも、わかっていて強行したのか、あそこまで強硬かつぞんざいにやるとは読めてなかったのか。それで立憲に行く人も、希望の公認を断った人も大勢出た。その結果が野党第一党にすらなれない敗北で、しかも早々と瓦解しそうな気配すら出している。

 まあ私は後知恵で言ってるから、前原さんが決断した時点では仕方がなかったことかもしれないんだけど、それにしたって、少なくとも運はなさすぎるんじゃないかな。

 

共産党

 うちの選挙区は、自民・維新の事実上の一騎打ちに共産党候補が出てる構図だった。
 私は比例で立憲民主党に入れるために投票所に行ったけれど、まあ選挙区は、立憲と競合するところで候補下げてくれたこともあり、お礼票のつもりで、勝てそうにない共産党候補に入れた。
 それで、その候補はやっぱり勝てないまでも、得票数は前回よりかなり増やしていた。多分、結構ありがちな投票行動だったと思う。

 しかし、自分ところの議席減らす覚悟で他所と協力する、っていうのは、ちょっと共産党のイメージと違ったな。もっと強硬で排他的なものかと思ってたんだけど。

 

維新の党

 大阪でさえ支持率落としつつある印象があったので、こんなもんかなあと。敵作って叩くことで耳目を集める手法が、隠れた悪を暴き出すと思われているうちはいいけど、最近のやり方じゃもう……

 

自民党

 安倍総理が当確の花をつけながら妙にむすっとしていたから、これ自公で2/3取れそうにないから拗ねてるのかな、とかいってしまったんだけど、2/3取れちゃったから私が間抜けだった。地獄の火の中に投げ込まれるべきである。

 この選挙の比例代表だけ見ると、定数176のところに自民66・公明21の87、だけど自民1議席は立憲の候補者不足での移譲だから実質86。占有率で48.8%(36.9%と11.9%ずつ)。
 希望が32で18.1%。維新が8で4.5%。立憲が実質38で21.6%。共産が11で6.3%。社民が1で0.6%。

 改憲の発議はできても、その後の国民投票で通るのか。
 自民党でも穏健派の支持者だと、国民投票だと賛成しない人もいそうだし、公明党なんて本来は改憲に反対するような支持層のはず。
 希望や維新から賛成してくれる票もあるだろうけど、当てにしたらキャスティングボートを握られてしまう。

 大阪維新の都構想住民投票も負けたし、何を改憲するかにもよるだろうけど、なかなか苦しそうに見えるな。
 立憲民主党改憲完全否定じゃなくて、内容次第では議論も賛成もする、というから、ほんとに内容次第だと思うけれど。

 改憲はまだしばらく先、でも本当に議論をする時代はきてるんだろう。

 

投票率

 関西では特に、選挙に行けというのが憚られるレベルの悪天候だったから、投票率低下はやむないかと思ったら、前回より1ポイント上がったらしい。
 期日前投票が、前回1300万で今回2100万とか、5割以上増えるようなことになったとかで。

 立憲支持者層はもう喜んで投票行った気がする。
 天候で投票減ったのは、もしかすると希望だったんじゃないかなあ、と、あんまり根拠なく思っていた。