堺風の頭部

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スマホの画面保護フィルムについて

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 スマホが割れたー

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 と思わせて実は、貼ってあった保護ガラスが割れただけだった。

 なにしろ私は同じスマホの画面を3回割った、かなりレベルの高いスマホ割師であるから、画面保護は色々考えるようにはなった。
 それで、以前から不思議に思っていた「ガラスの上に貼る保護ガラス」というのが何のためのものなのか、実際に試してみた次第だった。

 以下、考察。

 

ガラスの上にガラス?

 最近はむしろ樹脂フィルムよりもガラスフィルムのほうが多いらしい。使っているスマホAcer Liquid Z530とマイナー機種なせいもあってか、Amazonで検索しても大半がガラスだった。

  ただ、硬いものに硬いものを重ねても、剛性は上がるかもしれないけど、果たして割れることを防止できるのだろうかと疑問に思っていた。
 で、実際買って試してみたところ、以下のようなメリットが見つかった。

  • 指ざわりがよい
    安物の樹脂フィルムではよく指が引っかかるような操作感になりがちだったが、ガラスだと感触がいい。
  • 汚れが落ちやすい
    指紋などの汚れが拭き取りやすく、きれいな画面を維持しやすい。

 ただ、これはガラスであることのメリットであったり、あるいはガラス表面に施されたコーティングの効果かと思う。
 比較的高級なモデルだったASUS Zenfone 2の本体ガラスは、ついた指紋がポケットに入れて出したらきれいに消失しているというくらい汚れ落ちがよかったが、Liquid Z530に貼った安い保護ガラスはそこまでではない。
 ヘタに安いガラスフィルム貼るより、本体ガラスそのままで使うほうが快適ということはありそうだ。

 で、保護というからには保護性能を発揮したか、というと、発揮したと思う。

 今回の破損モードは、まず保護ガラス表面に小さな引っかき傷がついて、そこから一ヶ月程度経って、突然画面端まで続くヒビができた。ひとつできて、その後数日でもうひとつ割れた。
 これは保護ガラスが本体を守ったといえるのか、しかし本体のガラスならつかないような傷が、安物の保護ガラスだからついてしまったのかもしれない。どうだか。
 ともあれ、本体のガラスは無傷だったのは確かだ。

 樹脂フィルムだと、少々引っかき傷がついても割れが広がったりはしないので、長く使えるようにも思う。
 保護ガラスは貼って3ヶ月でもう割れたかと思うと、こまめに貼り替えてそこそこコストかかってしまうような……

 

硬度9Hとは

 そういえば、保護ガラスに「硬度9H」とか書いてある。

 これは何かと少し調べてみたところ、JISで定められている鉛筆硬度というものらしい。(JIS検索でK5600-5-4を参照)
 塗料の強さを測るもので、鉛筆でこすっても窪んだり剥がれたりしないかどうかを確認する。鉛筆を尖らせずに木の部分だけ削り取って、それを45°の角度で750gの荷重で当てるそうだ。
 鉛筆は製品によって硬さが違うから、これは絶対評価にはならない。この塗料はこの塗料より頑丈、といった相対評価をするときに使うJIS規格。

 よって、鉛筆硬度9Hという表示を単独で出しても、あまり意味はない。何の鉛筆で測ったかすらわからない。
 ネット情報だと「三菱ハイユニで測る」と書いてるサイトもあったが、間違い。JISには、「当事者間で合意があるなら、同じような結果が得られる別の鉛筆を使ってもよい」として、その似たような結果の鉛筆の例として、三菱ハイユニと他三種の鉛筆が挙げられているだけ。
 また、JISでは6Hまでしか書いてないが、JISで認めるのがそこまでかどうかはよくわからなかった。三菱ハイユニだと10B~10Hまである。

 そもそも、ガラス自体の硬度なのか、ガラス表面のコーティングなのか、何を測ってるかすらわからない。
 つまるところは、「9H」なんて書いてる製品は、無意味な測定結果を何か良いもののように表示しているだけ、といっていいと思う。

 

樹脂フィルムに変えた

  次は樹脂にしてみようと思い、ガラスなら500円で買えるけど樹脂なら1000円する時代か、と思いつつ購入した。
 最近は100円ショップでさえ随分高機能を謳うような保護フィルムがあるくらいだから、これは高級品なのかもしれない。

 割りと良いものなのは確からしく、樹脂だと気になりやすい指の滑りは非常によい。さらさらしている。
 ノングレアのタイプだけど、梨地処理がかなり細かいんだろうか、色が分離して虹色にギラつくようなのは見えない(安物だとある)。黒字に白文字を出すと、少し滲むかなという程度。
 でもってノングレアのフィルムはまあ指紋というか皮脂の汚れが落ちずに広がるだけになるんだけれど、これは割りと落ちるようだ。
 樹脂フィルムの目立つ難点はかなり抑えられているように思う。

 傷はつかないはずがないけど、そこから割れるはずもないので、しばらく使って耐久性を見ようと思う。

 

 惜しいのはかなりサイズがギリギリで、少しズレたら端が浮く。ここまで正確には貼れないわ……

 

ベストな画面と保護フィルムは

 私は常々思ってるのだけど、ガラスのような割れるのがわかってる素材をスマホに使うのが間違いだと思う。
 機種によってはガラスじゃなくアクリルを使ってるのだけど、そういうのはローエンドの安物が多い。(AQUOS Crystalなんかアクリルだったらしいが)

 アクリルは傷がつきやすくなるけど、それこそ保護フィルムで防げるし、傷ついてもそこから画面全体に砕けたりはしない。
 ガラスのほうが汚れが落ちやすいとは思うけど、それこそ保護ガラスを貼ればいいんじゃなかろうか。

 アクリルの端末に保護ガラスを貼るのが、本体がダメージを受けず、かつ手触りの良さや汚れにくさを得られる点で好ましく思われる。

 現実問題としてガラスのスマホを買わざるをえないが、貼るのはフィルムかガラスかは悩ましい。
 落下などに対してはどっちみち無力として、引っかき傷への防御ならフィルムでもガラスでも保護効果はあるので。

 

そもそも割れないスマホがほしい

 店で何度か、「ガラスじゃ割れるから表面がアクリルのやつがいい」と聞いてみことがあるけど、どれがそうなのか把握してない店員さんか、「これは最新のゴリラガラスだから割れない」と言い張る店員さんにしか当たらなかった。
 ガラスが進化してるなら割れないというなら、今でも電車に乗ったらすぐガラス割れたスマホ使ってる人が目に入るようなことにはなってないと思う。iPhoneのような当時最高級のガラス入れてるであろう機種でも平気で割れてるんだから、ガラスは割れるというのが現実だろう。

 その上で、キャリアだと2年縛りがあるから買い替えもできず、修理しようにも高額、だから割れたまま使う、となってるんだろう。
 どうもスマホ業界をあげて、メーカーもキャリアもこぞってアホなことしてるようにしか見えない。

 

 そりゃまあ運用でカバーはできる。
 ガラスが割れるのは、落下した時にフチに加わる衝撃が原因の大半だろうから、それはバンパーなりTPUやシリコン製のカバーをかければよい。
 表面の傷から割れるケースも、保護フィルムなり保護ガラスで抑えられる。

 しかしバンパーは結構メジャーな機種でないと製品がない。
 TPUケースはマイナー機種でも少しはあるけど、熱がこもる。ハイスペックモデルだと心配なくらい熱くなる。

 

 そもそもガラスを使うにしても、エッジのところまで表面全体を覆う必要があるだろうかな。カドがガラスじゃなくて樹脂パーツになってるだけで、かなり耐衝撃性が上がると思うのだけど。

 例えばZTE AXON 7なんかは、上下端までガラスが来ていない。

www.ztemobile.jp

 これでガラスに直接ショックがかかることが大幅に減りそうなものだ。そもそもZTE製にかぎらず、どの機種でも上端下端なんてスピーカー・マイクやカメラなど、特にガラスで覆う必要のない部分のはず。
 しかしこういう形の端末すら他にほとんど見たことないなあ。下だけならZenfone 2とかがあるけど。

 

 私は特にハイスペック嗜好でもないし、過剰に高解像度なディスプレイとかも無駄だと思うし、音楽聞かないから音質も鳴りさえすればいい。ローエンドより少し上程度のスペックがあればいい。
 性能面での要求は低いのだから、せめて「裸で使っても壊れにくい」という至極当たり前の要求だけでも満たしてくれれば満足できるのに、そういう製品はないもんだろうか。