堺風の頭部

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Minolta AF ZOOM 75-300mmF4.5-5.6 II

 表題のレンズを少し前に手に入れていたんだけど、こうもクソ暑いと試し撮りに行くのも億劫、というか何をやるのも捗らないくらい酷いので、のびのびになっていた。
 どうにか近所をちょっと散歩する程度の気にはなったので、αSweet DIGITALにつけて出動。

 

ご長寿レンズ

http://wiki.a-system.net/index.php/lens/minolta/tele/AF75-300mmF4.5-5.6 (α-system Spirit Wiki)

 さて、ミノルタの75-300mmは、ソニー時代も含めて5種類あるようなのだけど、初代の11群13枚からモデルチェンジされて10群13枚になり、以後ずっと同じレンズ構成のようだ。
 Newが出たのが1994年で、デジタル時代に入ってもSAL75300として売られていた。生産完了となったのは2012年頃のようで、かなりのご長寿レンズだ。

 私の手元にあるのはIIで、おそらくフィルムのαSweetあたりにダブルズームキットでくっついてたものだと思う。
 このクラスはシグマやタムロンも安い同クラス品をぶつけてくるし、昔からパパカメラとして運動会に持っていかれるからラインナップに外せないし、と、コストは掛けられないがラインナップからも外せない、というところかな。

 

実写

 では早速実写に。

 フード付きで入手したので、撮影はすべてフード付き。

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 テレ端300mmで最短1.5m、最大撮影倍率は0.25倍。APS-Cで使えば450mmで倍率0.38倍というところか。寄れなくて困ることはなし。

 ただ、PENTAXのDA50-200mmF4-5.6とかDA17-70mmF4のようなデジタル時代のレンズだと、寄るとかなりシャープに写るもんなんだけども、さすがにこれは設計が古くて、寄ってもさほどシャープにならない。
 600万画素のαSweet DIGITALでも、まあ、眠いなあと思わざるを得ない。

 それから、αSweet DIGITALというかミノルタ時代のデジカメはJPEG撮って出しが超地味なので、今回はRAWで撮ってPhotoshop Elementsで現像した。オリジナルよりは派手目に現像したのが多い。

 

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 PENTAXでは望遠はDA50-200mmしか持ってなかったので、テレ300mmあるのは初めて。

 DA50-200mmは非常に気に入ってるレンズで、そのズーム域にもだいぶ慣れているから、75-300mmだとまだ間合いを間違いがち。
 ただ、ちょっとでも近づくと逃げていきやすいスズメなら、300mmの方がまだ撮らせてもらえる。長ければ長いほど良い用途もあるもので。

 

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 空を行く海鳥は、300mmでもこの程度にしか収まらなかった。鳥の世界は何百ミリいるんだろう。
 これがテレ端開放で、ある程度周辺光量落ちがある。とはいえ、空だから目立つけど、何か被写体があるとほとんど気にならないレベルにはなる。

 関空の空港連絡橋に向けて、焦点距離やら絞りやらを変えて色々比較写真を撮ってみたけど、あんまり被写体の選択もよくなかったか、これといって目立つような差は出なかった。

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 開放テレ端の周辺減光も、エッジにキツくじゃなくて広い範囲に出るから、被写体があると気にならなくなくなる。

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 ただ、もうひとつシャープな感じには写らないし、被写体の縁にフリンジが出がち。絞ればもう少し良くなるかなと思うものの、長いからついつい開放使ってしまうな。

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 夏だし少しは涼しげに……ってかなり彩度上げたけどまだなんか地味だな。

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 同じようなカットをF8に絞って。

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 ピクセル等倍で……っても、これじゃ絞った効果あんまりわからないか。

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 長いこともあり、わりとボケる。ファインダーで見てておもったよりもボケが大きい感じ。

 

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 ここまで全部テレ端の写真になっちゃってたので、一応ズーム中域、210mm F7.1。
 等倍だと四隅が若干甘いけど、まあそれほど変な写りでもなく。
 しかし全体的にいまひとつシャープさがないかな。

 

まとめ

 使ってみた感じ、私は別に300mmいらないかもしれない。DA50-200mmでテレの長さが足りないと感じたことはそれほどなかったし。
 PENTAXのほうで、今年すっかりDA50-200mmがメインレンズになっている状態で、もう少し望遠が長く、かつ写りも良いと評判のDA55-300mmを買い足すべきかどうかの検討のため、300mmの長さ感を知りたかった。それでこのレンズを試した。
 私には300mmは要らないんだとすれば、DA☆200mmとかを欲しがる方がいいかもだなあ。

 

 ボディがαSweet Digitalで古いから、100-200mmF4.5のテレ端だと特に迷わなかったAFも、75-300mmF4.5-5.6のテレ端だと結構迷う。7月末の薄曇りの日の光量でだからなあ。
 特に近めの距離だと、ピントを端から端まで動かして結局諦めるとか多発した。花を狙ってる時に風が吹いて揺れると、ピントの微調整が長時間終わらなかったり、そしてその末に諦めることも多々。
 しかし23年前初出のレンズで、12年前のボディでAF性能が足りないというのは、大丈夫なのかな。

 写りはまあ、古い廉価レンズだし、元々フィルムでサービス版にプリントする程度のものだろうから、デジタルで物足りんといってもそれはまあ、仕方ない。
 歪曲収差も目立たない、周辺減光も目立たない、ただ、焦点距離変えても絞ってみてもそれほど変わらない、何やっても並の写りを安定して出す感じ。
 正直あんまり楽しくは感じないレンズかなあ。まあ、この欠点の出にくさゆえに、実に長く作り続けられたレンズになったんだろうけれど。