青春18きっぷが2回も残っている。
もしかして遠出の可能性もあるかなあ、と思っていた予定が後ろにズレ気味で、多分9月10日より後になりそう。
となればまあ、ちょっと気晴らしも兼ねて鈍行旅行に行ってみるところだろう。
今まで乗ったことがなくて、ある程度遠くまで行けて、日帰りできるところ。
となると、大阪駅から福知山線で谷川駅まで行き、加古川線に乗り換えて降りてくる……というルートがまだ未踏だった。
かつて阪神大震災の折、神戸で寸断された山陽本線の迂回路線として活躍したことがあるという。
谷川駅
で、福知山線で谷川駅まで行くのは容易だ。丹波路快速で篠山口まで来たら、福知山行きの各駅停車が待っている。
谷川駅で12時50分ごろに降りたら、加古川線の列車がくるのは15時13分だと。えっ。
しかも加古川線全通ですらなく、西脇市-谷川間を一日8往復しかしないようだ。西脇市に高校があるから谷川あたりに住んでる子も通ってそうだが、乗り遅れたら地獄やな……
駅は実に渋い。国鉄って感じだ。
駅前に観光案内マップがあったものの……縮尺がかなり小さいようで、石龕寺などの見どころらしいお寺も相当遠いようだった。2時間あるとはいえ、2時間じゃたりなさげ。
行けそうな場所は、と探すと、「丹波竜化石工房ちーたんの館」というのがよさそうだった。もちろん歩く。
谷川駅前郵便局の裏、長野公民館の奥にちょっとした春日神社を発見。
Googleマップにないくらいで、現地にも特に由緒書などはなかった。
篠山川の方へ歩いてきてみると、なかなかいい感じの流れだ。
天気がいまひとつではあるけど、山にかかったガスがかえっていい感じだったかも。
山間の田園風景、どっちを見ても山。畑も実ってきてるな。
名可森神社(なかのもりじんじゃ)という名前らしいが、谷川えびす神社と看板をかけていた。
お社に屋根をかけてしまっているけど、よく見ると屋根の柱が鳥居風の組み方になってるな。芸が細かい。
ここから、ちょっと商店街っぽくなってる通りがあったのでそこを歩いた。
丹波市山南町で発見・保護したサントリー・エクセレンス。 pic.twitter.com/BSmeWbEBD0
— 無謀庵 (@Mubouan) 2019年9月1日
酒屋兼コンビニって感じのお店があったので入ってみると、なんとサントリー・エクセレンスが未だに売られていた。
70年代に8000円で売り出された当時の高級品。89年に酒税法が変わって級別がなくなってからは5000円に値下げされたらしい。今回のは特級表示がなかったので多分89年以降のやつ。
買値は秘密だけど、結構値引きされたプライスだった。
何か飲食店があったら入りたいなあ、と思ったが、ない。
Fresh Gardenササクラというお店があったが、店の名前からガーデニング用品店かなあと思いながら通り過ぎようとしかけて、食品スーパーだと気付いて入ってみた。
玉ねぎ2個60円だったので買った。
あとサンドウィッチ180円。とりあえずこれで凌ぐことにした。
で、丹波竜化石工房ちーたんの館に到達。
詳しくはウィキペでも見てもらうほうがいいけれど、このあたりで2006年に発見された恐竜化石について展示している。
地元の元高校教師のおっちゃんが篠山川で発見した化石が恐竜のもので、そこからこの丹波に多数の恐竜化石が見つかり今に至る。
この施設には、恐竜化石のレプリカやら、恐竜以外の化石と解説やらが展示されている。卵とかカエルとか。
今のカエルには肋骨がないんだけど、ここの化石のカエルにはあるとか。
それからササヤマミロス・カワイイという白亜紀の哺乳類も展示されていた。名前通り、このへんで見つかったもの。
カワイイ、って、単に河合さんの人名にラテン語の男性所有格をつけてkawaiiとしただけらしいが、まあちょっと目につく。
あいにく私は恐竜に詳しくないので楽しみきれなかったきらいがあるのだが、かなりの親子連れが遊びに来ていて、このへんの恐竜チルドレンには定番スポットであるようだ。
時間もそろそろ、というくらいになったので、近くの久下村駅に向かった。
単線がまっすぐ。久下村駅近くは線形がいいな。
うぃきぺによればかつては駅舎があったみたいだけど、今やなくなってこれだけ。
18年末までは駅舎あったみたい。
もともと加古川線って、加古川の水運で運ばれてた貨物を鉄道に切り替えるために作ったらしくて、駅はだいたい工場近くとからしい。
久下村駅の目の前にも、上月ウディックスという木工家具メーカーがある。
しかし貨物輸送は1973年に廃止され、それからはなかなか閑散としちゃってるようだ。
そして少ない列車がやってきて、加古川駅へと降りていくのだった。
黒田官兵衛の一族が出たところの黒田庄駅やら、日本へそ公園駅やら、なんだか目につく駅がある路線であった。