堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

無性愛といわれた

 とのことだった。

 翻訳が良くないので誤読してるとか、そもそも判断基準が西洋人向けではないか(同じサイトの政治傾向についてのやつは、日本在住だとかなり異なる印象の結果が出てしまうようだ。この診断については特に洋の東西を問うとは思わなかったが)とか、信頼性が頼りなくなる要素もあるから、これひとつで確実な診断をされるとも思えないけれども。

 それと、恋愛感情の有無と、性的衝動の有無とはまた別の話らしくて、無性愛とかアセクシャルといっても、両方ない人も、どちらかだけない人もあるそうな。そのへんはこれだけじゃ測れないようだ。

 けれどまあ、自分が無性愛者にあたるといわれるのは、興味深くもある。
 ある程度心当たりもあるしね。

 

(本日、いろいろ気分が落ちるようなことがあり、仕事する気がないからサボって昼間から長文を書いております。他人にとって有益なこと書いてるかは私にもわかりません)

 

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自己認識と合ってるかどうか

 私は、同性愛者か異性愛者かといわれたら、異性愛者だろうとは思っていた。

 上の診断では、同性愛の傾向がごく低く出ていたけど、そこに異論はない。
 男性に対して恋愛感情を持つとか、性的魅力を感じるとか性衝動を覚えるということは、一度もなかった。
(二次元の話を一緒にしていいかわからないけど、「男の娘」というのはどういう姿に描かれていても「男」と認識しちゃって、性欲は感じなくなる)

 異性愛の方は、まあ平均よりもかなり積極性がない部類だろうとは思ってはいたけど、私は何にでも消極的だから、性愛にもそうだろうと思っていた。
 彼女いないとかセックスしないとか、そんなことは全然苦にならない。
 若い頃にはまだしも仲の良い相手がいたりしたことも、片手で余る程度ならあるけれど、もう40近くなったらもう、機会もないし機会を作ろうともしない。

 しかし異性に対する性衝動がないわけではないし、むしろエロにはうるさいくらいだと思うんだけれどな。ここで「おまえは無性愛じゃない」といわれればそうかもしれない。
 あんまり性衝動が強くないから、なにかツボに入るようなエロでないと燃えない、というようなことはあるのかもしれん。

 

 一時女性嫌いだと自認してた時期があったけれど、今思えばその時身近にいた特定の女性がひどかっただけだったな。私もn=1で判断してバカな思い込みを持ってた。
 私みたいにさほど知的じゃないのに理屈っぽくなりたがるタイプは、勝手に極端な方に考えが突っ込んでいってしまうことがある。
 今もそうかもしれんけどね。

 

 私は大男だし、見た目にしても物腰にしても、外から見て中性的だとか女性的だとか、あるいはゲイっぽいとか、そういう印象は与えないと思う。
 一人称が「私」なのは、生まれ育った泉州の方言が私にはガラが悪く聞こえて、10代から泉州弁を殺して上品そうな言葉を使おうとしてるだけ。セクシャリティとかとは一切関係ない。

 

他人の指向に対してどう思うか

 以前知人と話していて、「同性愛者なんか動物として欠陥があると思ってる」なんていわれて驚いたことがあった。
 私は別に、LGBTの権利だとか意識高い話以前に、他人がゲイだろうとレズビアンだろうと、私が口出しすることでもないだろ、と思ってるから。

 まあ一方で、80年代90年代のテレビを見て育って、保毛尾田保毛男とかを特に疑問に思わずそういうギャグだろうと思って見てたのも事実だけれど。
 あれをそのまま最近またやったときには、今やっていいネタじゃないだろうと思った程度には、それなりに空気に流されてもいる。

 あ、「戦国大名衆道が当たり前だった」といった話も中学生くらいの頃には知ってて、同性愛が異常か普通かも、ただ単にその時代の常識に左右されるだけなのかなあ、といったことは考えたことがあった気がするな。

 

dot.asahi.com

 鴻上尚史さんの人気コラム、いつも面白く読んでるけれど、

「なんとなく好きだけど、それより、とにかく、エッチしたいんだよね」が、交際をスタートさせる動機の90%です。残りの10%は、「勢い」と「手料理が食いたい」と「その他(人に言えない)」です。

 というあたりが、「え、そうなの?」と思っていた。
 世の男性は、女性を見てそんなにすぐ「セックスしたい」と考え始めるものなのか。
 私はある程度以上仲良くならないとそんなこと考えもしないし、そんなこと考えた女性なんて生涯にひとりかふたりくらいしか思い当たらないぞ。

 私がわかってないのは、同類であるはずのヘテロ男性の感覚かもしれない。
 世の男性がそうなら、確かに私は自分で思ってたより無性愛に近いのかもしれない。

 

フォビアについて

 主語が大きくなりかねないので、気をつけて言わなきゃならんけど。
 私は別に、ゲイの男性と会っても、嫌悪感はないつもりだ。これは、一時セクシャルマイノリティが集まるバーに何度か通ったことがあった上でそう思っている。

 単に「ゲイの男性が自分とセックスしたがっている」と思いこむことからくる嫌悪感だというなら、それを私が感じないのもわかる。
 私が、目の前の女性に対して「セックスしたい」とはなかなか考えないから、ゲイの男性だって私とセックスしたいなんて考えてないだろう、と思っていた。

 今、「男性はすぐセックスしたいと考えるらしい」と知らされたところだけど。
 でも別に、ヘテロの男性だって、いきなり相手の女性を強姦しようという奴はそうそういない。ほとんどは何らかの同意を取ろうとするだろう(その手口が悪質な場合はあれど)。
 まあ、私は男性と性行為したいとは思えない以上、仮に相手から要求があれば断るようにしなければならず、それは面倒事だなあとは思う。でも実際にそういう経験はないし、事前にゲイを遠ざけるほどの問題とも思えない。

 同意なしの行為についても、男性と女性だと体格や力の差があったりして危険だろうけど、私は身長183cm体重80kgの体格だから、大抵の男性に抵抗できると思う。
 「目の前のゲイにレイプされるかも」とは、私には杞憂の度が過ぎる。そんな見境のないゲイの人は見たこともない。

 

 他に私がゲイを嫌う理由は、自分の中からは出てこなかった。
 特に同性愛を否定する宗教なんかもやってないしなあ。

 レズビアンの女性に至っては、ひとつも嫌う理由が思いつかない。あちらも私をどうとも思わないんでしょ。

 

 ホモフォビアには、「異性愛が正常だ、自分もそうだ、ゆえに自分は異常ではなく、同性愛者は異常だ」と信じたいような意識とかもあるのかもしれん。
 そういう点では、私が無性愛的な傾向があるがために、「異性愛者も同性愛者も等しく他人事」という態度に傾く理由になるかも。
 現に異性愛者らしい行動はできていなくて、それを彼女いないとか結婚できないとか他人に揶揄されることもあり、そんなときには不快に思う。「異性愛が普通だ」とは同意・同調はしてないし、したくもないし、多分できない。
 「異性愛でも同性愛でも好きにすればいい」と考えることは、妨げるものが何もない。

 

昔あったこと

 いつも冗談でいってるけど、私は高身長で体格が良くて、しかも顔がよい。
 それだけが理由でもないだろうけど、若い頃には少しだけ、女性にモテてたこともあった。

 そんな頃に、女性から言われて今でも覚えてる、印象的な指摘があった。
 酷い言い草だけれども、「ブスでも美人でも全く態度が変わらないから、ブスに好かれる」ということをね、言われたのだ。
 複数人の男女が集まってるグループの中で、わりと顔のいい方であろう女の子から。

 確かに、顔の良し悪しなんかで態度を変えてるつもりはなかった。
 そのグループというのが、趣味で集まってみんな仲良くやってる集団だったから、私以外の男も女の子を顔で優劣つけて対応を変えてるとは思ってなかった。私だけ特異だとは思わなかった。
 それでも、顔を値踏みされてる女の子側からは、差を感じ取れてたのかな。

 

 別に、私が女性の美醜を感じないわけではない。美人かそうでないか、くらいの値踏みはしてると思う。多分2段階くらいしか解像度ないけど。
 でも、目の前の女性が美人だからより好意的に接しよう、とは思わないというか、そうする理由がどこにあるのかと今考えてしまってるな。普段は何も考えずに、特に美人で変わらない態度になってると思う。

 これも、私が「眼の前の女性とセックスしたい」とすぐに思わないことから来るのかなあ。
 セックスするなら相手は美人のほうがよかろうというのは、わからんでもない。私だってAVとか観るなら美人のほうがよかろうと思う。人間関係すっ飛ばしてただ映像として観るだけならね。
 でもなんか、美人をことさら贔屓する理由としては、私には弱いと思えるな。

 

 そういえば、私が顔立ちが好きな女性というと阿川佐和子なんだけれど、「顔が好き」といって現在65歳の女性を挙げるあたりにも、顔の好みと性欲を全く別の話と捉えてるのがわかるかも。
 セックスしたい女性は、と今考えてみたけど、選ぶ基準がわからなくて決めようがなく思えた。

 

少しモテたといってもだな

 去年くらい、「ぬいぐるみペニスショック」というワードが少し賑わっていたことがあった。
 性的に意識してない男性と仲良くしてたら、突然告白されたことで、急に自分に性欲が向けられてるとわかってショックを受けた、みたいな話。
 なんかだいぶモメてたし、言葉自体の賛否は私は特にないんだけれど。

 

 あれだなあ、私が多少モテたことがあるというのも、10代末から20代最初くらいの話だ。
 あの頃に何人かの女の子から、「優しそう」と好意的にいわれていたのも、多分性欲を向けてこないことをそう感じてたんじゃないかな。
 そういう相手とかなり親密になったと思って、ようやく性欲を向けたりしてたら、相手からすれば想定外の事態になっていたように思うよ。
 「ぬいペニ」というのも、私のようななかなか女性に性欲を向けない人間にとっては、留意しておくべき話だったように思う。

 

 今は別に、全くモテるとかないからね。
 理由は無数に心当たりがあるけど、少なくともひとつは、いい年なのに性欲を向けてこない男というのは、かえって標準と外れた得体の知れない人間に見えるんじゃなかろうか。