堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

あの頃に居た八百万の神々

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 読者登録してる「この夜が明けるまであと百万の祈り」で、上のような記事があって、「KKGが強かった頃は懐かしいなー」と思いながら読んでました。

 私もあの頃にブロガーやってて、巡り合せよく、かーずSPにしばしば拾ってもらえるポジションになってたのでした。

 

KKGがネットを隅々まで見てたのか

 KKGくらいのサイトであっても、個人でやってるんだから、いかな情報収集・整理能力が高い人でも、あらゆるジャンルの無名の個人サイトにまで目を届かせるというのは不可能だ。
 が、KKGの目は私にまで届いた。

 

 私が無名の個人blogをやってた頃、それを見つけ出して取り上げてくれたのは、KKGより小規模な個人ニュースサイトだった。

 「魔法先生ネギま!」の連載初期に、感想やら深読みやらネタやらをblogに書いたりしていて。
 そうすると、「ネギま!」関係の記事ばかり専門的に収集してる個人ニュースサイトが拾ってくれた。
 多分Google検索(当時は全ネットを検索できることがまだ新鮮だった)とか、ファンのたまり場的な掲示板とかもチェックして、とにかくネギま関係の記事をどんどん探してたものだと思う。そうでもしないと無名の個人サイトなんか見つからない。

 そして、その専門ニュースサイトを見たKKGが自分のところにも掲載する(これは情報元を明記してやってたから、見ればわかる話だった)。
 KKGが直接ネットの世界を隅々まで見ていたわけじゃなくて、隅々を見るのが専門というようなニュースサイトがあったわけだ。

 KKGを神と呼ぶとするなら、アマテラスやスサノオだけじゃなくて、ネギま!の神様やらアイマスの神様もいる多神教の世界だった、といえましょうかね。
 神々が情報のサプライチェーンを作っていたのです。

 

日本で二番目に高い山は

 しかし15年以上の月日を経てしまうと、ネギま!専門のニュースサイトの名前をもう忘れてしまった。我ながら不義理なものだ。
 「ネギま!で遊ぶ」っていう界隈大手のサイト名は覚えてるんだけど、あれが個人ニュースサイトだったのか、blogとかだったのかを忘れている。うーむ。

 アイドルマスターのアーケード版のときも、私は初期からあれこれ活動した。設置店情報Wikiとか。
 で、そんな私を見つけたのは「idolinglife」っていうアイマス専門ニュースサイトだった。ここは覚えてるな。管理者の方が結婚されて、それから更新止まったなあ。
 ただ、同じようにもうひとつアイマス専門ニュースサイトが拾ってくれたはずなのに、それが思い出せない。やっぱり不義理だな。

 個人ニュースサイトブームの時代って、こういうネットの隅まで目を届かせてくれていた数多の専門ニュースサイトが、情報の流れの重要なところを担ってたはずだった。
 しかしそういうサイトが、どれほど人の記憶に残ってるだろう。なんか報われないなあ。

 

 

サプライチェーンの復旧は可能だろうか

 ブロガー → 専門ニュースサイト → 大手ニュースサイト、というサプライチェーンがまた再構築できれば面白いかもしれない。

 

 大手個人ニュースサイトをまた作る、というのは、狙ってやっても不可能だろう。
 エコシステムの復旧の第一歩としては、(不遇だけど)個人・専門ニュースサイトからになるだろうと思うが、今からできるだろうか。

 ブロガーとかはいいんだ。私みたいに「別に流行らなくても、昔からの友人がウケてくれりゃいいや」という態度でも存在できる。
 けれど、個人ニュースサイトは情報のハブなんだから、見られないんじゃ存在意義がない。
 見つけた情報をトスする先の大手ニュースサイトも縮小しているから、広げてくれるところもない。(まあ、大手が強ければ強いで下働きみたいになっちゃうけれども)

 難しそうな理由はなんぼでも見えるな。
 まあ、かーずSPだって、ゲームのセーブデータサイトからニュースサイト化し、Flash系サイトになってから大手になっていった、というものだし、やってみれば、意外な成り行きもあるかもしれんが。

 

AIに代替され……ないよねえ

 見る方からしても、人間が人の目で選んだ記事を並べてある、というのは、かなり情報価値が高かったように思う。
 私は今でも「駄文にゅうす」を見てるけれど、やっぱり質の高い記事を紹介してくれると信頼している。

 まー、AIでやれそうな気がしなくもないんだけど、誰がそれをやってくれるのか。
 正直なところ、「ハッカドール」なども私には、あんまり好みの記事を紹介してくれるとは感じられなかったしなあ。(コンテンツやキャラクターとしては嫌いじゃなかったけれど)

 だから、私の好みのジャンルについてやってる個人ニュースサイトがあったら、私は見に行くんだけどな。

 

 私も古い時代の人間だから、「ないというなら自分でやれ」という精神がなくもない。けれどまあ、私は性格的に向いてないから、せいぜい一週間しか続かないのが目に見えていて。
 地域ローカル系Vtuber専門ニュースサイトとか、どこかに生えてこないかな。

 

前世紀文化のリンク集サイト

 個人ニュースサイトが流行るより前、特定ジャンルのファンサイトなどを探したい時には、リンク集サイトを使ってたもんだった。
 サイトを作った人が自分で登録しにいくやつ。

 「ネギま!」の2003~4年頃だったら、かろうじて生き残っていた気がするなあ。
 多分私も登録してたと思う。前世紀ネット民で頭が古かったから。

 これだったら管理負荷も高くないし、今でも作れる気がするけどな。
 まあまあ便利なものだったし。

 

 リンク集サイトが廃れた理由が何かは私にはわからんけれど、個人ニュースサイトブームも一因だった気がしなくもない。
 ニュースサイトによって、情報がサイト単位から記事単位にまで細分化された。「サイトを見に行って、いくつか記事を見てみて面白いかどうか判断する」じゃなく、「面白いと勧められた記事を見に行く」と行動が変わってるはず。

 現代じゃもうリンク集サイトじゃダメかな。
 便利だと思うのは私みたいな昭和生まれ・20世紀インターネッターだけか。