さて、THETA Vを購入したのだ。
製品シリーズとしては結構前からあるから、興味はあった。
でも使いこなしが難しそうで、何万円かだすなら一眼レフのレンズ足したほうが幸せかな……とか考えてたけど、いくつかの理由で機が熟した。
- Photodnで知り合った方がTHETAやInsta360で遊んでいて面白そうだった
- PENTAXファン感謝デーが過剰サービスなくらい面白かったのでなにか還元したい気になった
- リコーイメージングスクエア大阪にTHETA Vのアウトレットが格安だった
- しかもスクエアで使えるポイントがかなりあった(ファミリークラブ会員になった時に貰えたやつ)
- それでスクエアで「興味ある」とか言ったら背中押してくれるやん
ということで、PENTAXファン感謝デー開催中のスクエア大阪で、THETA Vを購入してきたのであった。ペンタックスの商品とちゃうけども。
目次
初撮りの儀
開封の儀を動画にとってYoutubeに上げるといった慣習は私にはなく、買ったその場でいきなり開封して充電始めちゃったのよね。
THETAは買った瞬間からいきなり使う準備ができちゃう。
メモリーは内蔵でかなり容量があるので、SDカードなどは不要。
バッテリーも、MicroUSBの本体充電だから、モバイルバッテリーを繋げばその場で充電できる。(今回はアウトレットということもあってか、すでにある程度充電されていた)
付属品も、簡易なマニュアルとUSBケーブル、ソフトケースくらい。
THETA V購入初試し撮り。リコーイメージングスクエア大阪のあるOMMビル屋上テラスから、造幣局桜の通り抜けを見下ろすところ。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
OMMビル屋上は、大阪城や大川、造幣局などが近くに見え、空には八尾空港を離発着する飛行機が通る、なかなか写真にいいスポット。スクエア大阪がOMMビルに入居したのも、屋上の景色が理由のひとつだとか。
撮ってみるとわかったこと
アプリとTHETA360.com
上の全周画像のリンクは、THETA360.comというTHETAの写真を共有するサイト。
スマホの編集用アプリ「THETA+」や、PC用のTHETAアプリから直接アップロードできる。FacebookかTwitterのアカウントで連携する必要あり。
撮影に使うアプリは別途「RICOH THETA」があり、スマホをファインダーやリモートシャッターとして使ったり、露出をマニュアル設定したりできる。
単にオート撮影するだけなら、本体だけでシャッターボタンを押せばいい。
自分の映り込みについて
THETAは全天周カメラなので、周囲の全てが写り込む。
そうすると、自分が写り込むことを回避するのが困難だ。
実際に撮影してみたところ、手がかなり大きく写り込む。
THETAのレンズは、カメラで言うと魚眼レンズで、超々広角になる。よって、レンズに近いものが極端に大きく、離れるほど極端に小さく写る。ゆえに手がでかい。
自撮り棒を使うことで手から離せば、映り込みの大きさがぐっと小さくなる。
また、身体の真上にかざすようにすれば、写り込む自分の大きさも小さくできる。頭のてっぺんと肩しか映らない。(真横に突き出して撮ったりすると全身が入る)
記録される画像はこんなJPEG。各種アプリとかTHETA360.comでは、適切にレンダリングして全周画像にしている。
THETA本体下部の方が、JPEG画像の下端になる。
普通に手に持って撮影したら、自分は画面の一番下に(ぐんにゃりと歪んで)写っていることになる。
上に差し上げて写した場合であれば、このように画面下部を帯状に隠してしまえば自分は消える。
なお、画像自体の上下とは別に、360°再生するときにどこが上になるかは、別途メタデータとして記録される。
カメラの向きにかかわらず、内蔵のジャイロで地面に対して鉛直方向が上になる。THETAを横倒しで撮影しても問題ない。
前後カメラの継ぎ目について
カメラふたつの画像を合成しているので、どうしても継ぎ目はある。
境目と思われる部分をピクセル等倍で切り出すと、画質が落ちている部分がある。引き伸ばし・接合処理の影響とか、レンズの最外周部分だから収差があるとか、いろいろ理由はあるんだろう。
ズレなどで画像の切れ目が生じているようには見えない。
ただ、2眼のズレは至近距離ほど大きくなるので、THETAを持ってる手だとか、置いたところの床だとか、近すぎる位置の映り込みだと継ぎ目ができる。仕方ないな。
特に何か写したいものがあるなら、そちらにレンズを向けるのが良さそう。
THETAを囲む集合写真的なものなら、レンズの真横は避けるのがベター。
THETA360.comについて
私が撮影して公開している360°写真はここで見れる。特にアップロードするにも利用料はかからない。
ビューアーは、ドラッグやスワイプでぐるぐる向きを変えられる。
拡大縮小でもかなり見た目が変わる。ホイールやピンチで拡縮。
それから、画面下部一番右のボタンで、レンダリング方法を変えられる。初期値が「ミラーボール」で、「リトルプラネット」「フラット」「ストレート」の4種。
写真次第で、リトルプラネットが面白かったり、ストレートが面白かったりもするからいろいろ試してみよう。
THETA+アプリを使えば、各種レンダリング方法で処理した静止画で書き出しもできる。
撮影テクニック考
私もまあ、写真が上手いとはいわないけど、撮影が好きな方だ。
どうせなら、この特異なカメラであっても、より上手い・面白い写真を撮りたい。
漫然と撮っても単に「全周写ってますね」というだけで、飽きたら宴会の時に全員写った写真を撮るだけのカメラに成り下がる、という話もある。
私もまだ撮りはじめたばかりだけれど、まずTHETAの写真を変化させる要素はふたつ、「高さ」と「広さ・狭さ」と見た。
高さについて
上の方で出した私の最初のカットは、単に手持ちで上に手を伸ばしてシャッターを切っただけ。
それだけでも、身長3メートル以上の巨人の目線みたいなカットになってしまう。
ローアングル作例 - Spherical Image - RICOH THETA
桜も終わり。 - Spherical Image - RICOH THETA
一方で、地面に置いてしまうとかのローアングル撮影だと、今度は猫の目線のようなアングルになる。また、近くに立っている人が巨人みたいになる。
まずは、思い切ったハイアングルやローアングルが、面白い写真を作るためのポイントになりそう。
「普通な感じ」に撮りたい場合は、しゃがんで手を上げて撮るとか、目の高さくらいに上げた三脚で撮るといった高さにしたい。
広さ狭さについて
「写真は引き算」とよくいう。不必要なものを削ぎ落とし、印象的な被写体だけをきっちりと切り出した写真が良いものだという考え方。
けど、全天周が写ってしまうTHETAは引き算が難しい。
全周すべてが意味のあるアングルになっている、というカットが撮影できれば、それがよい写真ということになろう。
そうすると、まず考えられるのは、「見渡す限り一面の」というような景色だ。
登山して、超常や稜線に立って全周の景色を写し撮るとか、やれるもんならやってみたい。森林限界を超えるような山の稜線からなら、さぞかしすごい景色になると思う。
そんな登山できんけどな。
桜の木に突っ込んでみました。 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
逆に考えると、狭いところに突っ込んでしまうことでも、全周に意味のある画像になる。
一脚につけて、桜の枝のすきまにそっと差し込んで撮った。これは自分で言うけどなかなかいい一枚になった。
用品について
撮り方ひとつで大きく雰囲気が変わるカメラであるため、用品がいろいろ欲しくなる。
THETAは、三脚穴で機器を取り付けるのが基本。
一脚OR自撮り棒
まずは、基本中の基本たる一脚または自撮り棒。
手の映り込みを避けられる、身体から離して自分の映り込みを小さくできる、狭いところに差し込める、高く掲げられるなどなど、これは必須だと思われた。
まず私は、一眼レフでも使うシーンがあるかもしれないので、まずは一脚を買った。モノはVelbon UP-400。2000円くらい。
取り付けた様子なのだが、すごく槍っぽくなった。標準添付のソフトケースがちょうど鞘みたい。
伸ばせば約1.6m(一脚は、一眼レフが顔の高さにくる程度の長さのものが多い)あるので、身長・腕の長さと合わせれば4mくらいの高さまで狙える。
映り込みは多少あるが、まあ仕方ない。
自撮り棒にする場合は、先端がスマホ用のクランプだと、THETAが細くて挟みきれない場合が多いだろう。先が三脚ネジになっているやつを選ぶ。
一脚ほど長くないものが多いが、コンパクトで手軽なのがメリット。普段から一脚持ってるのはちょっと大荷物だ。
余談だけど、THETAをバリバリ使ってるプロカメラマンに、7mある竿の先につけて使ってる方がいるとスクエア大阪で聞いた。それっぽい商品はこれかな。
一脚につけただけで槍みたいになってるのに、7.5mだったら完全に中世ヨーロッパのパイク兵になるな。
超小型三脚
ローアングルを狙う場合は、棒を伸ばして差し出してもいいんだけど、いっそ地面に置いてしまいたいこともある。
THETA単体でも一応自立するんだけど、極めて安定が悪い上に倒れたらレンズから落ちる。何らかの三脚は必要。
で、これを購入してみた。
ほぼ板状に折り畳めて、ポケットやらバッグの隙間に突っ込んでおける。
横に長いんだけど、THETAのレンズに映らない方に合わせてやれば、かなり映り込みを小さくできる。
実験画像をふたつ撮影したので参照のこと。足を垂直に立てた場合と、足を広げた場合。ぜんぜんありでしょ。
ストラップ
手持ちで使うならストラップくらいつけたい。落としたらダメージ大きそうなカメラだし、それでいてつるっとした表面だから、油断すると手を滑らせそう。
RICOH ストラップ用アタッチメント グレー ATTACHMENT for STRAP GRAY RICOH THETA 360°910712
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2013/11/08
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
純正なら、こういう三脚穴にリングをつけるアダプターがある。
PENTAXの純正品はやっぱり仕上げがいいので、悪い値段ではないけれど。
安いやつならこのあたり。ただまあ、現物は値段なり感も否定し難い。 一応ちゃんとした用品メーカーであるHAKUBAの商品だから、ぶっ壊れるような雑なものではないと思うけれど。
スタイル重視ならカッコいいのにしよう。
ホットシューマウンタ
カメラのホットシューにつけると面白いで、といわれて、それ用のブツを探してみた。
NEEWER 2パックプロ1/4 "マウントアダプター 耐久性 三脚スクリュー ホットシュー 【並行輸入品】
- 出版社/メーカー: Neewer
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
ま、マヌケ・アトモスフィア……
しかし、一眼レフで撮影したその場所を記録できる、というのは撮影的に面白いかも。
クリーニングクロス
TORAY クリーニングクロス タブレットトレシー グレー TBTI2520-G101
- 出版社/メーカー: TORAY
- 発売日: 2013/10/07
- メディア: オフィス用品
- この商品を含むブログを見る
THETAにはレンズバリアもなく、ちょっと出っ張ってることもあり、うっかり指紋をつけてしまいがち。
クローニングクロスもいろんなものがあるけれど、東レの「トレシー」 は品質が良くて、ホコリも出ず拭き取り性能も抜群に高い。
まとめ
すごく楽しいのでみんな買おうぜ。