(19年1月14日:ファンノイズについてなど少し追記あり)
少し前から日本橋のパソコン工房に、おそらく仮想通貨暴落でマイニングファームが消し飛んだやつだと思うが、それ用のパーツが流出してすごい安値で売られている。
グラフィックボードなんて、マイニング用モデルなので少々癖はあるけど、破格に安い。
RADEON RX570が13000円くらい。出力がDVIひとつだけというのが難だが、使えば使えるんじゃなかろうか。
さらに、RX470のボードが6500円というの。
馬鹿みたいに安いのだが、これは出力端子がついていない完全なマイニング専用ビデオカードだ。
それは流石にマイニングにしか使えないかと思ったのだが、そうでもないと知った。
内蔵グラフィックと組み合わせる形で、ゲーム用に使える。
(以下、上の記事に書いてあることを超えるような技術的な内容はない。私が同じもの買ってみたというレポートだけ)
- 内蔵グラフィックにディスプレイが繋がっている
- グラフィックボードを追加する(ディスプレイは繋がない)
- 画面表示は内蔵グラフィック側に担当させたまま、3D処理だけグラフィックボードに担当させる
ということが可能。
2018年中に来ていたWindows 10のアップデートでできるようになった。
本来はGPUがついてるゲーミングノートPC用っぽい。
具体的な設定のやり方はこのへんで。
買ってきたレポート
で、私が買ってきたブツは、RADEON RX 470 8G GDDR 5 MINING QUADという商品名らしくて、多分メーカーはSAPPHIREだろう。
6500円ほどの値段は特に変化していなかった。あまり売れてる気配もないので、もしかしたらもう少し下がるかも。なんか話が広まって急に売れてるらしい。(14日追記)
それと、RX470はマイニングブーム以前の2017年中頃、16000円くらいまで下がっていた値ごろ感ある製品だった。その後、マイニングで高騰して4万円とかになったけれど、あくまであれは異常な価格だ。
1年半ほど前に16000円だったモノなんだから、そろそろ中古価格はこなれているのが本来のところ。中古屋が、高騰時に高く買取った品に損切りする覚悟ができれば、1万円くらいまで落ち着くかもしれない。
性能的には、GeForce GTX970や1060 3GBあたりと互角といわれていた。今新品でGTX1060 3GBを買うと3万円近いので、まあ価格性能比は抜群によかろう。
でも消費電力は多め。
RX470には4GBモデルと8GBモデルがあった。これは8GBで安心。
コアクロック1206MHzはリファレンスと同じで、OCモデルではない。
補助電源端子は、リファレンスのRX470は6pinだったが、こちらは8pinにされている。
メモリが1750MHz。リファレンスは1650MHzの帯域が211GB/sなので、少し上がっている。
うちはベンチマークの基準がdistributed.netに依るのだが、OpenCLクライアントでRC5-72解読ベンチマークの結果は以下のようなものだった。
- RADEON RX470 - 3,750,402,522 keys/s
- GeForce GTX1070 - 5,297,460,608 keys/s
- RADEON HD6970 - 2,072,623,683 keys/s
- GeForce GTX750Ti - 960,905,679 keys/s
RC5-72の解読を今頑張ってる人は少ないと思うけど、6500円のビデオカードとしては破格の性能だ。
ファンノイズについて(2/14追記)
ファンの回転音も、アイドル状態でさえそこそこ聞こえる。マイニング用だから信頼性重視でファンを強化してるのかもしれない。
ファンについては、「割り当てられている処理がない」状態と、「割り当てられている処理があるが負荷は小さい」状態とで、回転数が変わってるっぽい。
RX470を割り当てているアプリが一切起動していない状態では、CPUや電源のファンに紛れる程度のノイズしか出していない。つまり聞こえない。
FirefoxにRX470を割り当て、特にHTML5やFlashなどが動作しないウェブサイトを表示して操作しなければ、タスクマネージャーでは負荷率1%の表示になる。
MSI AfterburnerでRX470のクロックを確認しても、コア・メモリとも300MHzと最低値。
しかしファンの回転数は上がって、PCの設置場所が近いとそこそこうるさい程度の音がする。
そしてFirefoxを閉じ、RX470を使うアプリがなくなった瞬間にファンの回転が落ちて、音が聞こえない状態に戻る。
ブラウザのような低負荷かつ長時間使用するアプリには、GPUは割り当てないほうがいいかもしれない。(もちろん、特に重いブラウザゲームなどを遊ぶ場合は別として)
ゲームの動作チェック
私はあんまりゲーム持ってないので、試したのは少しだけだが、大体大丈夫。
- Call of Duty: Modern Warfare 3
- Trials Evolution: Gold Edition
- Besiege
- Player Unknown's Battle Ground
以上はOK。
どうもダメなのはマインクラフトだった。うちではこれが一番よく遊ぶしGPUも使うのだが……
マイクラで使用されているはずのjavaw.exeに、高パフォーマンスグラフィックを割り当ててみても、使用されるのは内蔵グラフィックの方。
CoD:MW3やTrials、Besiegeなどは、現在では古いか軽いゲームなので、設定できる限り最高画質にしてもなめらかに動く。
PUBGだとかなり重くなるので、中か低設定くらいがよさそうだった。
動作確認方法
ちゃんと外部GPUが効いているかは、タスクマネージャーで確認できる。
うまく外部GPUへの処理割当が出来ている場合、タスクマネージャのGPUエンジンの列に表示される。(デフォルトでは出てないので、列ラベルを右クリックして表示する)
うちではCore i3内蔵のグラフィックがGPU 0、追加したRX470がGPU 1になる。
ChromeやExcelは内蔵グラフィックで、BesiegeはRX470で動いているのがこの表示。
一言
2019年にVoodooとかPowerVR PCX1とか使ってる気分や。