結構古いゲームなんだけど、名作と名高いこのゲームをやった。
セールで安く買えて、それからしばらく忘れてたのを今頃プレイ。
外国製のノベルゲームという意味ではDDLCと同じではあるけれど、あちらが内容的にもビジュアル的にも強烈なものだったのに対して、こちらは画面はおとなしい。
Analogueは、絵的にショッキングなところはない。全画面CGすらないくらいで、あるのは画面左に出ている立ち絵一枚だけ。
地味といえば地味なんだけど、ついつい手を止められずに読み込んでしまって、終わってみると、こういうやり方もまだあったんだなあ、という感心が残った。
舞台はワープ航法を完成させた未来、というSF。
何百年も前に地球を発って、そのまま消息を絶っていた、人類初の宇宙植民船「ムグンファ」が発見された。
その中では、何千人かの人類が世代交代を繰り返しながら、目的地の星を目指していたはずだけど、一体どうなっているのか。
主人公はハッカーで、ムグンファのコンピューターに遠隔アクセスして、人々が残したログを回収するのが任務。
ずっとコンピューターに向かい合っているだけの設定で、基礎的なアクセスはオーバーライド端末(Unixのターミナルみたいなの)でコマンドを入力して行う。
少し操作して、AIインターフェースを起動したら、あとは質問に対して2択で応えるだけの対話型になる。
AIは、最初は*ヒョネという女性型のものを起動できる。みんな大好き黒髪ロングの眼鏡やぞ。(怪訝な顔してるが、たまたまそんなスクリーンショットしか撮ってなかっただけ)
*ヒョネと対話しながら、ムグンファに起きた出来事を探っていくのだ。
あんまり長いゲームではないので、休日にやれば一日でも終わる。
人によってちょっと難しかろうところは、やはりオーバーライド端末の操作かな。
最初に*ヒョネを起動するところで意味不明だと思うかもしれない。
コマンドを入力した瞬間にゲームオーバーとか、そういうことはほとんどない。一部あるんだけど、やってはいけないと明示されているか、やばいと自明な操作だけ。
なので、とりあえず表示されているコマンドを入力すればいい。
うまくいく形なら実行されるし、構文ミスとかがあれば解説が表示されるから、それにしたがってやり直せばいい。別にペナルティもない。
コマンド自体も、簡単な英語でわかるものが大部分だ。
例外として、suはUnix由来のもので、管理者権限アカウントに切り替えるコマンド。
ゲームの進め方は、AIからログを出してもらってそれを読み、必要があればAIにログを見せて見解を聞いたり、別のログを追加で出してもらったり、を繰り返すだけ。
時々AIから質問されるが、それは適当に答えていく。
余程重大な質問にろくでもない回答をしなければ、一発アウトみたいな選択肢はそれほど多くない。
必要に応じてオーバーライド端末にコマンド入力するシーンもあって、ここは少々難しいが、どうしても無理ならこの記事に攻略を書いたので参照のこと。
キャラクターと対話するシーンが多いという意味では、日本の20年前のノベルゲームの流れを汲んでいるといえば汲んでいる。
けれど本筋は、コンピューターログを読むことで過去の出来事を知っていく、という、ちょっと私の知ってるゲームには類例が思い当たらないもの。
A Hate Storyという副題にふさわしいような、悲惨な出来事が明らかになっていく。ちょっと覗き趣味的な感じもあるけれど、すごいことになっていて目が離せない。
別にホラーではないから、DDLCみたいにジャンプスケアも仕掛けてこない。でも、Hate Story、憎悪の物語というだけはあるひどい話だ。
それと、私みたいな古い人にとっては、なんだか懐かしいテイストもある。
日本のノベルゲームって、画面全体にグラフィックが出ていて、画面下中央にメッセージウィンドウがあり、そこの文章を読んで選択肢を選んでいく、という形に収斂していったでしょ。
Analogueの画面構成はもっと自由で、こういう自由さはかえって懐かしい。
日本のゲームにこういうのがあるとしたら、95年より少し前、MS-DOS末期かWindows 3.1くらいの頃とかじゃないかなあ。
ゲーム進行にコマンド入力を行わせるというのも、マウスでゲームを遊ぶことが増えてからは稀にしかやらない手法になってると思うし。
で、私はエンディングを3つ見たところで、そろそろ他のエンディングを回収したいな、と思ったんだけど、あいにく日本語の攻略サイトがすぐ見つからなかった。
内容は面白いゲームなんだけど、ストーリーの分岐点がそれほど明快なわけではないし、あまり快適に周回プレイできるシステムでもないのが惜しい。全体的に短いとはいえ、自力で攻略するのは少々面倒だ。
また、後でわかったけど、全部で5つのエンディングのうちひとつは隠しエンドみたいなもので、かなりイレギュラーなプレイをしないと見られなかった。
よって、以下に攻略をまとめておく。
*ヒョネと*ミュートのエンディングひとつずつを見れば、ムグンファに起きた出来事の全貌はほぼつかめるので、そこまでは自力でやろう。
面白いゲームをあっさりスポイルするのはもったいない。
まず、オーバーライド端末の操作部分の回答を書いておく。
ここで詰まったら*ヒョネも*ミュートも、どちらのエンディングにも到達できない。
それで困ってる人は参照して欲しい。
猫で間を取る。
オーバーライド端末の入力コマンド
ゲーム開始直後・*ヒョネ起動
enable_ai Hyun_ae
quit
さすがにこれは、触ってるうちにわかると思うのだけど。
管理者権限の取得
su Hyun_ae
「パスワードは蒼き花嫁の実名にした」という皇后の手紙を読んだ後、蒼き花嫁の実名がヒョネだと知ったら、suコマンドが実行可能になる。
最初はsuコマンド自体がロックされているので、いきなり実行しようとしても駄目。
管理者権限取得後、*ミュートも起動可能になる。切り替える場合は以下。disable_aiしなくてよい。
enable_ai Mute
quit
それから、暗号化されているブロックを解除するようにいわれるシーンがあるが、
decrypt block3
quit
で暗号化解除できる。解除後に「*ヒョネ/*ミュートと話す」とログが追加される。
あとでblock7の解除もあるが、いずれも*ミュートや*ヒョネがずばり言ってくる。
原子炉停止
原子炉の停止は、時間制限に煽られる上にあまり詳しく説明してくれないこともあって、詰まる人は詰まると思う。
まず不要な船内システムを停止して消費電力を減らし、電源を原子炉からバッテリーに切り替える。それから原子炉停止だ。
端的な回答は以下。
power_control disable (core1またはcore2) core3 core4 core5 core6
power_control disable docking gravity rail sensors waste
pss enable
pss switch_battery
reactor disable
quit
core1には*ミュート、core2には*ヒョネが格納されているので、今対話していない方のコアを止めること。
bulkheads(遮断壁)はどうせ次にenableにしなくちゃいけないので、ここではdisableにしない。
これで原子炉は止まるが、オーバーヒートしているので冷却しなければならない。
ノーヒントだけど、少しSF慣れしてたら気づくと思う。私も気づけた。
わからなくても、一旦オーバーライド端末を抜けてからAIと話すと、対策方法を思いついてくれる。
手順は、まず遮断壁を閉じて生命維持システムを起動。
宇宙船内に大気がある状態にしてから、遮断癖を開いて空気を船外に放出。すると一緒に熱が抜けていく。
(disableにしていたら) power_control enable bulkheads
power_control enable life_support
power_control disable bulkheads
quit
成功すれば、画面のノイズが消える。
あとはAIとゆっくり話して、思い残すことがなくなったら、
download
でエンディングだ。
ちゃんと最後まで話さずにdownloadしたら、ちゃんと物語が終わらずに終了しちゃうので注意。話が済んでいれば、AIをログと一緒にダウンロードして連れ帰ることができる。
さて、次は全実績解除まで。
全実績解除
全実績を解除すれば、自動的に全エンディングを見て進捗率を100%にできる。
その方法は、英語ではSteamコミュニティに書かれていたけれど、日本語では見当たらないのでここに。
実績はエンディングを迎えた時点で解除されるので、達成条件を満たしたらエンディングまで行くこと。
- Hack the Mugunghwa
ムグンファのコンピューターの管理者権限を取得する。プレイ中に自然と達成する。 - See you next mission!
ムグンファのログをダウンロードする。通信途絶や死亡などの失敗以外の、何かのエンディングを見ればよい。 - Maid Her Do It
*ヒョネのコスプレを全部見る。change_outfitコマンドが出たら総当たりするだけ。 - Crossdresser
*ミュートを起動した直後に聞かれる性別に、男と答えた場合と女と答えた場合のエンディングをそれぞれ見る。1週じゃ無理。 - Korean Fusion
原子炉を停止させる。 - Abusive Jerk
*ヒョネに嫌われる。
Abusive Jerkは「虐待野郎」みたいな意味で、*ヒョネに対していちいち男尊女卑丸出しの高圧的な態度で接していると、やがてキレられて回線を切断されてゲームオーバーになる。これで達成。
また、*ヒョネに「あなたが知りたかったことは何?」と聞かれて、「きみのこと」と答えずに「管理者パスワード」と身も蓋もない回答をしたら、怒られて一切対話に応じてくれなくなる。これでログだけdownloadしてエンディングを迎えても達成された。 - Rainbow Connection
*ミュートに気持ち悪がられる。
*ミュートは李氏朝鮮時代の価値観に適応してるので、同性愛者だと思わせると達成できる。
最初に聞かれる性別を女性と答えて進め、オ・ソジンとハナの同性愛関係についての文書を読んだ後のこの質問で、「セクシーだった」を選択。さらに、自分が*ミュートとそういうことをしたいと回答していく。
ちなみに*ヒョネは怒らせると通信を切られたり対話を拒絶されたりするけど、*ミュートは仕事はしてくれる。よって他のついでにこの実績もとれる。 - Deep Space Detective
ログ回収率100%を達成する。
1週では達成しない。*ヒョネ・*ミュートそれぞれのエンディングまでを丁寧にプレイしたら、98%にはなると思う。
私がやるとなぜか、「役立ち情報」の「人名について」が出てきていなくて達成できなかった。そうなったら、文書番号検索で 11-AA01 を表示させてからなにかのエンディングを見ればいい。 - Failure to Prioritize
原子炉の停止作業をしているときに、downloadコマンドを実行してしまえば達成。優先順位の付け方がおかしい。 - Friendzone
*ヒョネを友人としてムグンファから連れ出す(エンディング1)。原子炉停止後の選択肢で、友人エンドか恋人エンドかが決まる。 - Mai Waifu
*ヒョネを恋人としてムグンファから連れ出す(エンディング2)。 - Forever Alone
*ヒョネも*ミュートも残したままで、ログだけダウンロードする(エンディング3)。 - TsunderAI
*ミュートをムグンファから連れ出す(エンディング4)。 - 2 Girls, 1 Core
*ヒョネも*ミュートもムグンファから連れ出す(エンディング5)。
「2 Girls, 1 Core」については特殊エンドなので、多分通常プレイでは達成できないと思う。
*ミュートのエンディングまでの過程で、*ヒョネもコピーして*ミュートと一緒に持ち出す流れになったはずなんだけど、それでは達成されなかった。
まず、*ミュートが起動可能になるところまで進める。suコマンドを使ったところ。
そして*ミュートを起動する。
文書番号検索で「6-EUY22」を検索し、「みんな殺してやる!」を表示して*ミュートに見せる。
続いて「7-EUX25」を検索し、「永遠の沈黙」を表示して*ミュートに見せる。
そうすると、*ミュートが*ヒョネと話をするといってしばらく消えて、ふたりで戻ってくる。あとはそのままエンディングへ。
しかし、「2 Girls, 1 Core」って、「2 Girls 1 Cup」が元ネタかと思うのだが、なんでまたそんな……