普段は「Apple Computer? 知らない子ですね」といってる私なのだけど、縁があって初めて我が家の敷居をMacintoshがまたいだ。
動画サイト行っても再生してくれないとかいわれて。
私が触ってみた感じ、Mac OSのアップデート切られていて、そのせいで最新のブラウザが走らずインストールも不可、古いSafariじゃHTML5がだめで動画サイトのプレイヤーが死んでる、という事態らしかった。
CPUがYonahのCore Duo、2がつかない方なもんだから、64bit対応してないせいでMac OSの更新を打ち切られていた。
つまり、親に見捨てられた哀れなMacbookなのである。
でまあ、どういうことになるのかわからなかったが、Linux化してみた。
案外あっさりインストールできちゃった。
目次
- 目次
- Macbook Pro (Early 2006)について
- HDD換装について
- USBブートについて
- Lubuntu 18.10 32bitが駄目
- linuxBean 14.04は大丈夫
- linuxBeanの初期設定
- ブラウザについて
- imwheelについて
- わかっている問題
- はじめてのMacについて
Macbook Pro (Early 2006)について
先述の通りで、Atom以外のIntel製品としては最後の32bit CPUだったCore Duoを搭載している。1.83GHzらしいからT2400かな。
Windows PCでさえCore Duoは触ったことないのにMacで触るとは。
メモリーは2GBになっていた。
2スロットあって、2GBが1枚だけ刺さっている。1GBがもう一枚あったから入れてみたが、あいにくブートしなくなった。電源入れても「のーん」すら鳴らない。
HDDは富士通の100GBが入っていたが、手元で余っていた128GBのSSD(Crucial M4)に変えておくことにした。
HDD換装について
見ての通りで、かなり大きくバラさないとHDDが出てこない。
20本近いネジを外して筐体を開いてキーボードを上げて、ようやくHDDが見えても、わざわざフレキを接着してるわ、bluetoothモジュールを障害物となるように接着して固定してるわというめんどくさい構造。ネジにトルクス混ぜてるしな。
自分でHDD交換なんかやらせねえよ、という強い意志を感じる。
まあ、幸いにも壊さず交換できたけど、簡単な作業とはいえんなあ。
USBブートについて
最初、USBメモリーからLinuxのインストールを企てたけど、Macbook ProのほうがUSBブートをしようとしてくれない。(起動時にOption押しっぱなしておくとブートセレクターが出ることはわかったが、そこに現れない)
古いWindows PCだと、USBメモリーは駄目だけどUSB CD-ROMドライブなら起動できるケースもあったんだけど、Macbook Proはそれもだめ。
なぜ外付けで試そうとしたかというと、単に内蔵DVDドライブが死んでると聞いていたからだ。でも、試しにディスク入れてみたら読んだ。
ひょっとすると、OSをセットアップできるブータブルメディアは、内蔵ドライブのCD・DVDからだけなのかなあ。
ちなみに内蔵DVDドライブの交換にはHDDと同様の手間がかかり、しかもスロットイン型のドライブでなきゃ駄目。
Lubuntu 18.10 32bitが駄目
32bitの中では最も新しく性能がいいCPUが乗ってるPCなわけで、どうせなら一番新しい32bit版Linuxを入れようと考えた。
のだが、Lubuntu 18.10 32bitではLive CDから起動しない。
通常起動だと起動中のロゴが固まって、いくら待っても進まない。起動オプションをあれこれいじってみても、どこかで止まる。
ちょっと私には追求しきれないので、Lubuntuは放棄。
linuxBean 14.04は大丈夫
適当に手元に転がっていたlinuxBean 14.04で試してみたら、起動した。
ベースのUbuntuが14.04 LTSだとサポート切れるの来年なんだけど、まあいいや。
これは普通にDVD-Rからブートしてインストーラーを走らせ、SSDを初期化してインストール。
HDDのフォーマット?について
今回使ったSSDは、過去にWindows 8をインストールした状態で使われていたものだった。(Macに入れたらそのままWindows 8が起動されかける状態だった)
しかし、まっさらなSSD / HDDに換装してLinuxをインストールしようとしても、上手く起動しないらしい。
MacBookをMac OS XなしでHDDから起動させる方法 - 射撃しつつ前転
私のとこでは、多分Windowsの残骸のおかげでこのトラブルは出なかった。
「のーん」と起動音がしてからグレー画面で長めの待ち時間が生じ、フォルダアイコンに?を重ねたようなマークが表示されてから、やっとSSDからOSを読み出し始める、という症状は出ている。
これも早くできるらしいんだけど、Mac OSのディスクが必要らしく、手元にない。
linuxBeanの初期設定
EfficeonとかGeode LXとか古くてややこしいCPUのPCにインストールするのに便利で嬉しいlinuxBean、すっかり見慣れた画面だ。
すべき初期設定はいくつかあるが、適当に手癖でやったから覚えてる範囲で箇条書き。
Macbook Proだと内蔵のWiFiを即認識するのが楽でよかった。
- 「linuxBean スクリプトの更新」を実施
- ゲーム機のエミュレーターなど不要なものをsudo apt remove
- 「linuxBean 設定ウィザード」から必要そうなものをインストール
- sudo apt update
sudo apt upgrade(更新されるものがなくなるまで手癖でやってる)
インストールしたままだとGRUBのOS選択画面が出ちゃうので、こちらを参考にして以下で消した。
あと仮想デスクトップを無効にしたけど、設定のOpenbox Configuration Managerから変更できたっけ。すぐ忘れる。
あの機能、LinuxのGUI触るといつもついてるけど、使いたいと思ったことがないな……所詮私はプロプライエタリなWindowsに魂を引かれた古い地球人だからな。
ブラウザについて
今回、HTML5が走るモダンなブラウザを使いたいというのが目的だった。
「linuxBean 設定ウィザード」からは、32bit版でもFirefoxとchromiumがインストールできる。
Operaはインストール失敗してたみたいで、どうせ使わないのでアンインストールしちゃった。
chromiumはまあ、特に差し支えなく使える。Chrome使い慣れてたら大した差はないし。
ただ、Amazonプライムビデオを再生しようとしたら、「Chromeの最新版使えボケ」と難癖つけてきて再生できず。Youtubeはいける。
Firefoxの方は、音が出なかった。
こちらなどの情報によると、ALSAじゃFirefoxじゃ鳴らないのでPulseAudioをインストールせよとのこと。
インストールするだけでFirefoxからも音が出た。
今回の件、「ブラウザが古くて動画サイトが使えない」という注文だったので、Firefoxの方で要件は満たせた。
しかし、マシンパワーが足りないみたいで動画が結構コマ落ちする。あかんなあ……
まあ本当にパワー不足かもしれないが、Mobile Radeon X1600の動画再生支援が働いてなかったかもしれない。
こちらなど見ると、プロプライエタリドライバを入れる必要があったかな。今度触るときにやってみよ。
fglrxインストール(2018/12/12追記)
UbuntuソフトウェアセンターにプロプライエタリなRADEONのドライバであるfglrxがあったのでインストールしてみた。
しかしインストールして再起動すると、画面解像度が1152×864になった。パネルは1440×900だ。
ARandRで解像度を変えようにも、他の解像度が出てこない。
作業時間があまりなかったので追求できず、一旦諦めてきた。またの機会に。
imwheelについて
引渡してオーナーに触ってもらうと、「ホイールのスクロールが遅い」といわれた。
Windowsなら標準で設定できるんだけど、意外とlinuxBeanに設定がない。imwheelというのをインストールせねばならんと。
こちらを参考にしたんだけれど、ここで紹介されている.imwheelrcの内容だと、全てのホイール入力が加速される。Terminalの入力ログ遡るとかで、数行ずつ飛ばすような動作になったりするはず。
また、imwheelをインストールする前には、マウスのサイドボタンでブラウザ戻る・進むができていたのだけど、インストールしたら効かなくなった。
こちらなどを参考に、以下のような.imwheelrcを書いた。
".*chromium*"
None, Up, Button4, 3
None, Down, Button5, 3
None, Thumb1, Alt_L|Left
None, Thumb2, Alt_L|Right
Control_L, Up, Control_L|KP_Add, 1
Control_L, Up, Control_L|KP_Subtract, 1
".*Firefox*"
None, Up, Button4, 3
None, Down, Button5, 3
None, Thumb1, Alt_L|Left
None, Thumb2, Alt_L|Right
Control_L, Up, Control_L|KP_Add, 1
Control_L, Up, Control_L|KP_Subtract, 1
chromiumとFirefoxに対し、ホイールスクロールを加速、サイドボタンに戻る・進むを割り当て、Ctrl + ホイールで拡大縮小が働く、はず。
他のアプリでどういう挙動してるかとかちゃんと確認してないが。
わかっている問題
ディスプレイの明るさが変わらない。
この記事の方法は効果がなかった。
設定にソフト的に明るさを変える項目があったんだけれど、バックライトは多分変わってないな。
あと、謎の1ボタンタッチパッド、Macの世界ではOptionかAltか押しながらクリックすると右クリック相当になると聞いた気がしたけど、今回の環境では効果がなかった。
マウス繋がないと細かな運用ができないPCになっちゃってるな。
そもそも、Ubuntu 14.04ベースじゃなくて、せめて16.04ベースのディストリビューションでないとすぐサポートが切れちゃうな。
いちいちDVD-Rに焼いて試さなきゃならないのが難で、とりあえず動いたlinuxBean 14.04で済ませてしまったのだが、手抜きをしたのは否定し難い。
はじめてのMacについて
キーのピッチが広すぎるんだろうか、妙にタイピングしづらかった。3日で慣れるやつだと思うけれど。
それにしても、Macというものが、Windows PCと同じLinuxのディスクをそのまま使ってインストールできちゃうほどまでに互換性が高いものだとは知らなかった。
もしかして、Macってもう異なるところはOSだけなのか。PC-98でももっと中身違ったぞ。