※ニコンの新型の噂を聞いて妄想していたらやたら長くなったけど、どうせ台風で家から出られないと思うので、暇ならお付き合いください。
ニコンの新型について、なんとも味のある噂が耳に入った。
なんでも、ローエンド一眼レフであるD3400の後継機を、Fマウントのままで、ミラーレスにするかも、というのだ。
もう1人の情報提供者は、D3400は、PENTAX K-01のようなFマウントのミラーレスカメラに置き換えられると話している。
過去、一眼レフ用レンズマウントをそのまま使ったミラーレスとして、PENTAX K-01が存在したわけだけど、つまりニコンがこういうのを作るというのだ。
K-01は、ニコンすら真似するくらい正しかった!
F-01(仮称)は正しいか
しかしまあこれ、実際どうなんだろう。
ニコンの新型、ここでは仮称F-01を、以下のようなものと想定してみて。
- Fマウント
- 光学ファインダー部を省略し、背面液晶ファインダー撮影専用
- 現行のD3400を踏襲して、Fマウントで可能な限り小型軽量にする?
まあ、単純にレンズ交換式カメラの一モデルとして、こういう機種はあってもおかしくはない。
大して売れなかったとはいえ、同じアイディアであるK-01は実際世に出た。Aマウントαもまあ遠からぬものだ。
F-01のメリットはなんだろう。
- 豊富なFマウントレンズを継承できる
- D3400からぐっと部品を削減して軽量化・低価格化が見込めそう
デメリットはなにか。
- Fマウントである以上、フランジバック以下に薄型化するのは不可能
- AFが遅い可能性が高い
- 常時モニター撮影だとバッテリーが不安
こんなとこかな。
Fマウントレンズの継承について
これから一眼レフの時代が終わっていって、ミラーレスに流れが変わるとわかっている、とする。
しかし、新規にミラーレスシステムを作ってレンズラインナップをすばやく用意するには、かなりの開発リソースを集中投入しなくちゃいけない。
PENTAXにそんなパワーはなかったので、Kマウントレンズをそのまま使えるミラーレスにしよう、というのは、まあわかる話ではあった。コケたけど。
ニコンも今は、フルサイズミラーレス機のために新しいZマウントを作って、フルサイズのニコンを使おうという層が納得するラインナップでZニッコールを揃えにゃならんタイミング。
APS-C機をマウント変更して、アマチュア層が喜ぶラインナップを作り直すまでは、余力はなさそうだ。
今、APS-CのFマウントミラーレス、というのは、わからなくもない。
2年後くらいにモデルチェンジして、APS-CもZマウントになりそうに思えるが。
小型軽量になるはず
D3400がミラーレス化されるとして、やはり訴求しそうなポイントは小型軽量化だろう。
大掛かりな一眼レフファインダーを取っ払う、というのは十分効果が見込めそうだ。
AF機構も変わっていろいろ変更点が出るだろうから、ホイチョイと簡単にできるとはいわないまでも、Nikon 1でミラーレスやった経験やらを活かせばなんとかできるだろう。
D3400が395gしかないが、どこまで軽くなるだろう。350gか、まさか300gか。
ちなみにPENTAX K-01は480gで、近い世代・クラスの一眼レフK-30は590g。110g差があった。
レフミラーとペンタミラー、それから位相差AFの機構まで取っ払えば、D3400の395gから、300g台前半までダイエットできるのでは。
しかし寸法の方はどうだろう。
一眼レフ用のFマウントである以上、フランジバックが長くて小型化にも限界がある。どうやっても46.5mmは奥行きを取らなきゃいけない。
フランジバックだけで、マイクロフォーサーズ機のボディ奥行き寸法より長い。
K-01も奥行き59mmで、売り場では薄らでかい直方体が転がってるみたいに見えていたものだった。
一眼レフと比べれば小さかったけど、ミラーレスと比べられると奥行きが2倍。
K-01を上から見ると、ゴロっとしてるように見える。まあ、デザインが特異に四角いせいもあるけれど。
一眼レフっぽく見えないせいで、ミラーレス機と比べられる。実際は一眼レフより小さめだったのに、ミラーレスと比べられて、うすらでかく見えていた。
ミラーレス機と比べられないようにするには、F-01も一眼レフ風デザインにしたほうがいいのかもしれない。
バッテリーは?
K-01を前例として見ると、意外とグリップ側の出っ張りが大きい。幅があるデザインになってる。それはなぜかというと。
電池がでかい。
まあ、これはK-1にも使ってる大容量バッテリーで、いくらなんでもオーバースペック気味だったけど。
ここまで大きくしなくてもいいとしても、D3400と同じバッテリーで常時ライブビュー撮影となると、バッテリーライフはかなり落ちることが予想される。
……と思ったんだけど、D3400は元々1230mAhある大きめのバッテリーを使っていて、撮影枚数1200枚と非常にタフだ。よそのエントリーモデルの2倍くらい撮れる。
これだったらまあ、バッテリーそのままでミラーレス化=グリップ部の大きさをさほど変えなくても、実用十分なライフはありそうだ。ニコンって省電力技術高いんだなあ。
バッテリーによって巨大化する、という心配はしなくていいなら、本当に「D3400の頭が平たくなった」くらいのサイズで出てくるかも。
オートフォーカスは?
K-01に見られた弱点として、オートフォーカスが遅かった。
PENTAXのは全部遅いだろ、というとその通りなのだけど、K-01は抜群に遅い。
ただ仕方ない部分もあって、位相差AF用に作っていた一眼レフ用レンズを、そのままコントラストAFで使っても、速度が出ないらしい。
コントラストAFに必要な情報が、レンズとカメラでやり取りされなきゃいけないんだと思うけれど。
オリンパスがまだ一眼レフのフォーサーズをやってた頃、コントラストAFを高速にやれるレンズには「ハイスピードイメージャーAF」に対応すると謳ってたものだ。
レンズのファームアップで対応するようになるのもあったくらいだから、機械的なことじゃなくて何らかの情報だと思う。
K-01のAFが抜群に遅かったのは、Kマウントレンズにその情報がないせいもあるんだと思う。ニッコールレンズもそうなるんじゃなかろうか。
まあこのあたりは、像面位相差AF対応のセンサーを使う(PENTAX K-70はそうなってて、ライブビューで従来のKマウントレンズでもすいすいAFできる)といった手もあるので、どうとでもなるか。
F-01(仮)の姿とは
外見は意外とD3400と変わらない、または頭の突起がなくなったような形状。
厚みは薄くないから、ミラーレス機よりは大きい。でもEOS Kissより小さいことをアピール。
AFは今までより遅くなったけど、測距点は全面から自由に選べるようになったり、精度はよくなったり(単にコントラストAFの特性)。
バッテリーライフは今までより悪いけど、必要十分なくらいはある。
歴史あるニコンFマウントレンズからお好みのものを使ってください、と。
これで受け入れられれば、D7500の後継機もミラーレスになるかも。
位相差AFの機構は残しておいてAFは高速に。
レフファインダーはなくなるけど、代わりにEVFを覗き込んで使えると。α77なんかと変わらないスタイル。
Zマウント化+マウントアダプターでよくない?
APS-C機でも、ボディはZマウントで作ってしまって、とりあえずダブルズームでも用意しておく。他のレンズはマウントアダプターで使ってください、と。
それが合理的に思える。
Fマウントは旧資産維持・一眼レフでないとダメな用途に残して、新しいのはみんなZマウントにスライドしていく。
αの通った道、ソニーがうまくやった道だ。
それではダメだ、という理由はあるんだろうか。
ニコン、フルサイズミラーレスカメラ「Z 7」「Z 6」を正式発表 - デジカメ Watch
Z7・Z6の方を見ると、マウントアダプターつきのキットが26000円くらいの差になっている。
D3400の後継になるようなローエンドモデルに、26000円のアダプターを使え、というのは、価格的に苦しいかな。
それと、Zマウントって「フルサイズのハイエンド向けマウント」のようにも見える。
内径55mmもあって、ミラーレスのマウントとしてはかなり大きい。Fマウントは44mmだったし、ソニーEマウントは46mmだ。
Eマウントより1cm以上大きな径になるでかいマウントを、APS-Cのローエンドモデルに使うには、無駄にでかいボディしか作れないのでは。
キヤノンの方も、EF-Mマウントはフルサイズを想定していない設計らしいので、フルサイズミラーレスが出るなら別マウントのようだ。
「APS-CにZマウントはでかすぎる」というのは、十分考えられそうだ。
じゃあニコンAPS-C機はどうなるの
ZでAPS-Cセンサーはやらないとすると、ニコンのAPS-C機は今後どうするか。
APS-Cミラーレス向け新マウントを作るか。
でもそれをやると、F・Zとさらにもうひとつの3マウント並立状態に。規格も機能もバラバラだから共通のレンズは難しい。
いくらニコンでも、そこまで開発リソースがあるか。
新マウントも作らない、ZをAPS-Cにすることもない、とすれば、Fマウントを引き続きAPS-C中心のマウントとしてキープする、という線が出てくるな。
その場合、Fマウントのままのミラーレス化は、ソニーEマウント機やマイクロフォーサーズと直接競合することを目指すのではなく、単に機械を減らしたローコストモデルを狙ってることになりそう。
「歴史あるFマウントを捨てるのか」という話になっちゃうけど、それもどうだろう。
もしかするとだけど、APS-C、DXフォーマットの方を捨てにかかってるとかは。
近頃ヒットを飛ばしたカメラって、D850にせよK-1にせよα7 IIIにせよ、フルサイズばっかりだ。APS-C機は影が薄い。
そりゃ、フルサイズと比べればAPS-Cのほうが携帯性はいい。けど、多くはフルサイズ向けの古い規格に引きずられて小型軽量化が突き詰められない。だからマイクロフォーサーズの軽快さとは比べるべくもない。
かといって、マイクロフォーサーズよりも小さいセンサーの規格は、Nikon 1もPENTAX Qも絶えてしまった。コンデジやスマホとの画質的な差も小さいし、競合して負けたような感もある。
ニコンが描いてる未来予想はもしかして、フルサイズがスタンダードになり、APS-Cは過去のもの、小型がよければマイクロフォーサーズで、というようなものなのでは。
Zマウントミラーレスでハイエンドも入門機も作り、Fマウントは一眼レフでないとダメなプロユースにD6を作って残す。DXフォーマットはフェードアウト。
案外、ありえなくもないんじゃないかな。