堺風の頭部

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EX-FS10 (薄型ハイスピードEXILIM)

 いつものハードオフに寄ったら、CASIO ハイスピードEXILIM EX-FS10が540円で転がっていた。

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 まあ、この次の世代のEX-FC150を当時新品で買ったから、ハイスピードEXILIMがどんなものかは知ってるんだけど、せっかくなので。

 

EX-FS10とは

 ハイスピードEXILIMシリーズは今も続いていて、今はプレミアムモデルのEX-100と、EX-ZRシリーズがクラスを分けて展開している。
 まあ、今はもう廉価モデル以外はみんなハイスピード機能を備えてるっぽい。

 しかし、最初の方はシリーズが整理されてなかったというか、2008年当時としては抜群に特色あるモデルで、かなり肩に力が入ったモデルとしてリリースされた。

 最初は、EX-F1という、EXILIM PROシリーズの機種としてリリースされた。(EXILIM PROは、大型・高画質モデルのシリーズだったんだけど、あまり流行らず3機種ほどで消えてしまった)
 秒間60枚という当時としてはずば抜けた超高速連写、さらに最高1200fpsの高速度ムービーも撮影できる。
 1/1.8型600万画素CMOSセンサー、ライカ判換算36-432mmF2.7-4.6の大型高倍率ズームレンズを備えた、いわゆるネオ一眼スタイルのカメラだった。
 10万円以上する代物だったけれど、完全にオンリーワンな一品で、カメラファンに注目を浴びたものだった。

 その後、EX-FH20という機種が出た。
 連写は秒間40枚、高速度ムービーも最大1000fpsに下がったが、センサーは1/2.3型900万画素CMOSに変更。レンズは26-520mmF2.8-4.5と高倍率化。ネオ一眼スタイルのでかいカメラなのは変わらず。

 それからコンパクトモデルとして、EX-FC100とEX-FS10が出た。

 センサーは同じ1/2.3型900万画素CMOSセンサー
 EX-FC100は、沈胴式レンズで37-185mmF3.6-4.5の5倍ズーム、手ぶれ補正つき。
 EX-FS10は、屈曲光学系のレンズで38-114mmF3.9-5.4の3倍ズームで手ぶれ補正なし。
 レンズとバッテリー以外は概ね同じで、連写は秒間30枚、高速度ムービーは最大1000fps。

 この後、FCシリーズはモデルチェンジを重ねていった。
 しかしFS10はシリーズ化されず、ゴルフのスイングチェックができる機能が付いたものができただけだった。

 

 まあ、FC100は売れたけどFS10は売れなかったんだろう。
 高さ・幅はどちらもほぼ同じ。厚さは2倍ほど違うけど、FC100も際立って大きいわけでもない。
 FC100はテレ端185mmと大望遠らしい望遠が使えるのに、FS10は114mmと物足りない中望遠。そのくせ暗い上に手ぶれ補正がつかない。撮影中にレンズが飛び出さないだけのために、そこまで不利を取れるか。
 これで同じような値段だったらしいからなあ……

 

実写・操作感など

 FS10は、当時にしてもやや画素数少なめの900万画素。同じ2009年なら1200万画素くらいは普通にあった。
 まだまだCCDセンサーが当たり前だった時期だけど、珍しいCMOSセンサー
 デジタル一眼ではCMOSセンサー機が現れ、高感度性能の良さを発揮していたけど、コンパクトデジカメにはまだ珍しかった。
 しかし裏面照射型CMOSセンサーではない。なので、そんなに高感度性能が高いわけでもない。設定できる最高感度もISO1600。

 

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 でまあ画質はというと、はっきりいって悪いな。

 まずレンズが良くない。屈曲光学系のレンズ使ってるやつって大体画質悪いけど、EX-FS10も類に漏れないようだ。
 画面には入っていないけど、太陽が画面右上にあって逆光の条件。白っぽくてコントラストが低いのはレンズフレアのせいだろう。

 

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 等倍切り出ししたのがこれだけど、まるで解像感がない。

 レンズの性能もありそうだし、CMOSの特性もあるだろうと思う。
 CMOSってノイズが多くなりやすいから、かなりノイズリダクションが強い感じの画作りに見える。ディティール感がみんな潰れてる。

 2009年頃の感じだと、CCDは暗いと偽色出まくってダメだけど明るければ綺麗に写る。CMOSは明るくてもあまり綺麗に写らないけど裏面照射型なら暗いときの画質破綻が少ない、という感じ。
 EX-FS10やFC100は、珍しい裏面照射型でないCMOSを使ったコンパクトデジカメなわけだけど、さほど暗所に強くもないのに昼でも綺麗に写らない、という悪いとこ取り感がある。

 もちろん、それと引き換えに高速連写性能を得ているわけだから、これはこういうものと納得するしか無い。

 

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 順光の日向ならこんな感じ。レンズフレアが出てなければこれくらい。地味な写り、一昔前のスマホっぽい。

 

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 解像感はマシではあるけど、まあ、やっぱりノイズリダクションが走ってる感じ。これだけ明るければCCDではノイズリダクションいらなくなると思うんだけど。

 というわけで、静止画カメラとしてはイマイチ。

 しかし、このカメラの面白いのは動画だ。

 

 210fpsで480x360、420fpsで224x168、1000fpsで224x64ピクセルの動画が撮れる。(EX-FC150だったら、120fpsで640x480もあるのだけど)
 再生は30fpsで行うように記録されるから、210fpsなら1/7倍速録画。

 機械は周期的な動きをするからあまりおもしろくないことが多いので、自然物の方が楽しい。
 自然物の中でも、風や波よりは動物の方が動きが不規則で面白い。
 が、何しろ38-114mm程度のレンズでは鳥など撮らせてもらえない。近寄らせてくれる犬猫なら面白いかもなんだけど。

 高倍率ズームレンズと組み合わせたほうが面白そうだなあ。

 肉眼では追えない速さのものなら機械でも。

 しかしミラーはともかく、フォーカルプレーンシャッターとなると、210fps程度じゃちょっと足りないな。
 1000fpsまで行けばもっと違って見えるかもしれないが、ミラーボックス内をそんなに明るく照らすのも難しい。古い機械式の一眼レフなら、裏蓋開けたままシャッター切れるんだけどな。

 

 しかし何分1/7倍速だから、実時間10秒が動画で70秒になってしまう。ちょっと油断すると長く巨大なファイルに。
 Twitterへのアップは、長いとどんどん画質下げられるな。オリジナルデータはもっときれい。

 といってもまあ、オリジナルに近い画質でも「懐かしい写り」といわれちゃったもんで、8ミリビデオみたいな画質ではある。

 

まとめ

 静止画カメラとしてはイマイチなので、ハイスピード動画や連写を活かせるシーンを探したい。
 そういう被写体はそこらじゅうに転がっているものでもないから、狙えるターゲットが広がる高倍率ズームレンズがほしい。

 FS10は、屈曲光学系のレンズにすることで可搬性は少し上がってはいるけど、ズーム倍率わずか3倍で、さしてマクロに強いわけでもない平凡なスペック。
 完全防水だったりすればまた違うことができそうだけど、それもない。

 小さいながらも5倍ズームで大望遠が使えるEX-FC100に比べると、FS10の方はどうもコンセプトミス感があるなあ。

 

 ちなみに高速度ムービーに関しては、現行モデルでも最大1000fpsだし、224x64まで小さい映像しか撮れないのは変わらないようだ。その他のフレームレートでも、撮影画素数は旧機種と変わらない。
 画質は良くなってると思うけれど。

  現行機種でどれかというなら、ズーム倍率が18倍と大きいEX-ZR1800が、高速度ムービー狙いなら良さそうに思える。静止画画質も重視するならZR3200とか4100がよさそうだけど。