※この記事は話が古いです
先日よりmonacoinの採掘をやってみて遊んでいたが、またひとつ国産暗号通貨のKotoというのができていた。
始まったばかりで、儲かるとかそういう話には今のところならないし、将来ありえるとしても先のことだろう。別に何事もなく消えていく可能性もあると思う。
単なる技術的興味くらいしか満たされないものとして、私はそれでもよいということで、少しマイニングなどやってみた。
コト 仮HP - こちらが公式サイト。
Kotoの特徴など
仮想通貨は暗号を用いて通貨としているのだが、暗号には様々なアルゴリズムがある。
MonacoinではLyra2RE2というアルゴリズムだった。他の通貨はまたそれぞれ違う。
これがKotoでは、yescryptというものになっている。
計算内容が異なるので、Monacoinは明らかにGeForceが有利、EthereumではRADEONが有利になるとか、得手不得手が出てくる。
yescryptは、GPUやASIC(解読専用ハードウェア)では解読しづらいアルゴリズムになっていて、CPUで解読するのが一番強い。
だから、大量のGPUやASICを運用するマイニングファームに全部持って行かれるようなことがなく、手元のPCのCPUで空き時間に回す程度でも、効率よくマイニングができる。
逆に言えば、マイニングファームが来ないから採掘者も少なくなって流通量も増えず、その仮想通貨を使って何かしようという人も出ず、結局流行らずに消えていく、という道を辿りやすいようにも思うが。
また、yescrypt採用の通貨としてはBitZenyがすでにあって、あちらはもう金銭取引が行われる規模になってるので、投機とかしたいならあっちがいいと思うけれども。
(あれはあれで3年前に日本人が作って、そのまま開発者が行方不明になったままコミュニティだけ育ったと不思議な経緯を辿っている)
Kotoは始まったばかりで、マイニングをやるとざくざく掘れる。(仮想通貨は採掘されるほど暗号が難しくなっていき、また解読成功時に生成される通貨の量も減っていく)
うちではMonacoinを10日に1monaほど掘る程度だけど、KotoはCPUひとつで一晩回したら30kotoほど掘れた。
1Kotoが100万円くらいになったら億り人になれるぞ。ならんと思うけど。
ウォレットを取った
まだ開発版とされているが、オンラインウォレットができていた。
ここに登録して、アドレスを取っちゃうのが手軽。
ただ、あくまで開発版だからサービスが止まってしまうかもしれないし、サーバートラブルで消滅するといったこともあるかもしれない。
それは嫌だとあれば、オウォレットを自分で作って、厳重にバックアップするべし。
自分で持つなら、このへんの手順からいけるはず。
Javaが必要みたいだけど、私はメインPCにJava入れるのが嫌なので、とりあえずオンラインウォレットにしちゃった。
一応それとは別に、サブのLinux機にウォレット作ってみるか。
CPU Minerをセットアップ
コト 仮HPにCPU Minerも紹介されている。
Windowsでは「Koto minerd for Windows x64 (by わんわんさん)」をダウンロードして使える。名前通りで64bit版Windows専用。
なお、Windows標準のウィルススキャンで引っかかる。仮想通貨マイナーだとして検疫されるが、それはわかってることなので許可する。
ZIPを解凍すると、幾つかのDLLとともに、4つの実行ファイルができる。
- minerd_Nehalem.exe
初代Core iシリーズ。Core 2以前でも行ける? - minerd_IvySandy.exe
おそらくAVXが使える第二世代Core iシリーズ以降。AMD APUもこのへんが多い。 - minerd_SkyBroHas.exe
おそらくAVX2が使える第四世代Core iシリーズ以降。 - minerd_SkyBro-XeonE5_or_higher.exe
詳しくはわからないが、第五世代Core iシリーズ以降。
対応しないexeを実行したら、計算開始とともにアプリが落ちるだけなので、下から順に試せばよし。
うちのSkylake (Core i3-6100)なら一番下のやつ、AMD A6-micro 6500TならIvySandyが使えた。
Ubuntu (Linux)とAndroidに関しては、以前Monacoinを掘った時にセットアップしたcpuminer-multiやNeoNeonMinerがそのまま使える。
Linuxにはもっとyescryptに最適化されたマイナーがあるみたいなんだけれど、私はLinuxについてはタコなので、ビルドして実行ファイルを作る方法がよくわからなかった。
GitHub - koto-dev/cpuminer-yescrypt: CPU miner for Litecoin and Bitcoin
こちらで公開されているcpuminerについては、
https://github.com/koto-dev/cpuminer-yescrypt.git
cd cpuminer-yescrypt
./autogen
./configure
make
とやれば、minerdの名前で実行ファイルができた。ただ、特にcpuminer-multiと比べて早いわけではなかった。
GitHub - macchky/cpuminer: CPU miner for BitZeny and Litecoin and Bitcoin
BitZenyの方で高速化マイナーだといわれてるやつは、Kotoに使ってみると、サーバーにyay!ではなくbooooといわれてハネられた。ダメらしい。
マイニングプールを使う
Kotoのマイニングプールは今のところ、いきなりウォレットアドレス付きで接続してやれば参加できるところが多いようだ。
Monacoinで使うような登録制のマイニングプールがよければ、http://koto.jpool.jp/index.php がある。(ただ私が試した時は、メールが詰まっているのか認証が届かず登録できなかった)
名前が面白いという理由で、この「おコトを少々」を使うことにした。
cpuminerを呼び出す時に「おコトを少々」のアドレスをいきなり指定すればよい。
minerd_SkyBro-XeonE5_or_higher.exe -a yescrypt -o stratum+tcp://okoto.xyz:51000 -u Kotoウォレットアドレス
(下線部は適宜変更のこと)
これだけで、早速プールにつながってマイニングが始まる。
しばらく見ていると、yay!とかyes!といって解読結果を送り返した表示が出るだろう。出ないなら何かミスっている。
あとは、半日ほど置いてウォレットを確認して、振込を待とう。
採掘速度
手元の端末で採掘速度を見てみると、これくらいだった。
Monacoin程度の規模の通貨でさえ、もはやGPUでなければ誤差みたいな量しか掘れなくなっているが、Kotoだったらかなり非力なものでも意味がある程度に掘れる。
- Core i3-6100 - 2.08kH/s
(Windows 10 / minerd_SkyBro-XeonE5_or_higher.exe / 3.7GHz 2C4T) - Core i3-380M - 0.86kH/s
(Ubuntu 16.04 / cpuminer-multi / 2.53GHz / 2C4T) - A6-micro 6500T - 0.49kH/s
(Windows 10 / minerd_IvySandy.exe / 1GHz (実動作) / 4C4T) - Efficeon TM8800 - 0.06kH/s
(linuxBean 12.04 / cpuminer-multi / 1.6GHz / 1C1T) - MT6735 (Acer Z530) - 0.12kH/s
(Android 5.0 / NeoNeonMiner / 1.3GHz / 4C4T) - MT6582M (goo g01) - 0.08kH/s
(Android 5.0 / NeoNeonMiner / 1.3GHz / 4C4T)
と、環境バラバラだから単純にCPU性能差を表しているわけではないけども、こんな感じ。
Linux機は、もっとyescryptに最適化されたマイナーに切り替えれば向上するんじゃないかな。BitZeny向けのものも使えるはず だめかも。
AVX2の効く新しいCPUを使うのが一番強力ではあるのだけど、タブレットや旧型のものでも無意味でない採掘量が出るので、廃品活用にはちょうどいいんじゃなかろうか。
Bitcoinなどは最早個人で掘る意味がなく、MonacoinでもGPU入れないとほとんど掘れないことを思えば、Kotoなら掘れて楽しい。
今のうちに掘っておいて、将来なにか使いみちができた時に、大量に持ってるぞと自慢して面白がろうかと思う。