堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

17年夏アニメメモ

 遅くなってるけど、下書きが残っていた。

 今は私は地上波放送じゃなくてdアニメストアで観ているので、一部はやってない。「メイドインアビス」も「プリンセスプリンシパル」もなし。

 最初の1~3話くらいまでしか観なかったのが、「徒然チルドレン」「ナイツ&マジック」「バトルガールハイスクール」「異世界はスマートフォンとともに」「縁結びの妖狐ちゃん」。

 「異世界スマホ」には確かに、ただただなろうの異世界モノに要求される事項を効率的に処理していくだけみたいな、AIというほど進んでないプログラムが作ったかのような異様さは感じたのだけど、それを面白がって付き合える自信が持てなかった。
 「縁結びの妖狐ちゃん」、中国のネット小説サイト発というところに興味は感じたものの、今少し文化的熟成が待たれるかな。まあ時間の問題で追いついてくると思う。

 

 

NEW GAME!!

 私はどうもゲームづくりモノにアレルギーがあるみたいで、原作をきららで読んでいた頃は、どうも苦手な作品だった。
 小学校高学年から高校生の間に、MS-DOSの黒い画面に向かってひとりでQuick BASICのコード書いて、ゲームとか色々作って遊んでたんだけれど、その記憶と何かコンフリクトするようだ。

 正直に言えば、原作の段階で「これ1コマだけバズっただけなのでは」と思ってしまってたところはあるのだけど、アニメは別にそのバズネタなんかほとんど使いもせず、ちゃんといい仕事していたように思う。
 しかしどうも、きらら系アニメはなんか、売れるやつは素直に質が高いのに、いまいちで終わるやつはなんか微妙にコスト下げられてる感じがあったりする。
 芳文社の戦略的行動がどこまで及んで、どこまで有効に客をコントロールできているのか。

 

ナナマルサンバツ

 声優さんの演技力の話題が突っ走ってしまって。
 確かにまあ、こういうのは久しぶりに聞いた気がする。最近の声優さんが、新人でも若手でもほんと上手いってことなんだろうなあ。
 元々女優としてちゃんとした仕事している人らしいから、なにかアフレコ特有の演技指導が上手くいってないとか、事情があるんだとは思うけど。

 しかしそれはさておいて内容は、視聴者として全然知らなかった競技クイズの世界を見られて、主人公らも色々足りない初心者なりに、クイズの世界へ一歩一歩踏み込んでいく、実に感じが良い作品だと思う。
 かなり高校生離れしてるくらい知識量がある主人公なのに、それがいきなり超高校級の天才だということになって経験者をなぎ倒す、そんな展開にはならず、渋い作りに思えた。好感度高し。

 

アクションヒロイン チアフルーツ

 地に足がついてる、というと、こっちは地に足がついてないのに不思議とそれが悪く出てない。

 まあご都合主義的に、爆薬を扱えて演技が上手い女子生徒なんて途轍もないレアキャラを登場させたりとか、しょっちゅうやってる。
 資金やら会場やら、果てはパクり元に突っ込まれるなんてトラブルも起こすんだけれど、なんかふわっとクリアしていったりする。

 まあ、まずいといえばまずいんだけれど、どうもこの作品は全体的にほどほどのまずさ、垢抜けなさがあって、それが地方都市のローカルヒロインをやろうなんて設定によくマッチしてる気がする。
 何につけても程々な感じもよかった。
 先述の通りにふわっとしたところはあるんだけど、かといってご都合主義的に日本一のローカルヒロインに成り上がるようなこともない。成功しないと辛いだけだからそれなりに成功を収めるし、あくまでそれなりの成功だから、ご都合主義で流した部分がまあいいかで済ませられる。

 似た舞台設定の「普通の女子高生が【ろこどる】やってみた。」は中ヒットはしたと思うけれど、「チアフルーツ」も中ヒットくらいにはなっただろうか。ちょっと足りないか。Twitterとかの雰囲気は意外と評価よく見えたけど。
 こういう垢抜けないローカル感出した作品というのも、まだまだ掘っていく余地がある気がする。私が田舎者なのに地元の田舎が嫌いなので、佳き田舎、善き地方にドリームを抱いてるだけかもしれないが。

 【ろこどる】は流山、「チアフルーツ」は大多喜町がモデルっぽいので、東京からなんとか日帰り可能な距離感もいいとこ。
 奇しくも短い東京在住の間にどちらも行ったな。そしてどちらもいいところだった。

 

異世界食堂

 転生モノって、「遅れた異世界に現代文明を見せつける」って話になりがち。
 「異世界食堂」は明らかにそれなんだけれども、ただただ料理出して食わせて美味いといわせてるだけ、それ以上の話にならなかった。それが節度だったかもしれない。

 料理人が異世界の現地食材や料理に興味を持つとか、そんな展開がありそうなもんだけど、それもやらずに最後まで行ったなあ。
 最終回に盛り上がりを作るために、なんか国家間の争いを料理で仲裁してしまうとか、変にスケールでかい話を差し込んだりするんじゃないかと心配していたけれど。なくてよかった。

 

アホガール

 声優さんの怪演よるところが大きかった。
 実はなかなか声優さんの名前覚えられない方だけど、悠木碧か。
 たまにいる、私が見るアニメを綺麗に避けて通ってしまう声優さんだなあ。シンフォギアワンパンマンしか出演作観てないような。

 これまでヒロユキ作品のノリには馴染めたことがないので、今回は珍しい。
 ただ、どこでか忘れたんだけど、他の方が「よしこがなぜここまで暴行を受けるのかわからない」といってるのを見かけて、それが実にスっと飲み込めちゃったので、そう思ってはいたようだ。

 

セントールの悩み

 なんだか形態差別とかの話がちらほら見えていたけれど、何かそこからややこしい話が広がるのかと思ったけどそうでもなく。
 仕込んだ伏線を使わなかったんだろうか。あるいは、これだけ生態違いそうなものが共存してる状態への理由付けとして、十分使われてたんだろうか。
 結局最後まで日常モノだったけれど、いつどんな話飛び出してくるかという、緊張感とはいわずとも引っかかりがあった気はする。いい効果かどうかはわからないけれど。

 日常モノとしては実に良かった。

 しかしそういえば、ヒロインが大柄な萌えアニメは意外になかなか開拓されない感じがあるけれど、これがそうだったかもしれない。
 エロマンガの流れを汲んだおねショタ的なやつはあるんだけれど、そうではなくて……

 

ゲーマーズ!

 最後まで再生はしたんだけれど、ゲームネタアニメと思って見ていたのにゲーマー恋愛アニメだった、ということを把握し遅れてしまい、混乱したまま終わってしまった。
 星ノ森千秋の姿かたちを思い出そうとすると、どうしても「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」のヒロインのほうが思い浮かんでしまって。
 これでは「アニメのキャラクターってみんなおんなじ顔やろ」と言い出すおじさんおばさんではないか。

 

はじめてのギャル

 ここまでC級なアニメというのも久々で、妹というものが凄まじいまでに歪曲されたシスプリのごとく、ギャルというものが凄まじいまでに歪曲されていて清々しい。
 一時期、「ヤンキーは主流派から弾かれた外れ者同士で、意外とオタクを見下さない」という説が広まってた覚えがあるけど、あれをギャルにも拡大解釈したりしたのだろうか。
 最終回のただただイタいとしか言いようがない流れもよかった。おそらく原作にない、アニメを〆るために独自に追加された話だと思うんだけど、2017年にここまで酷い話をくっつけちゃうというのもなんとも味わい深い。