そういえばうちの投票所、小選挙区と国民審査の投票用紙を同時に渡され、書いたら完全に隣り合わせて置かれたほぼ同じ形の投票箱に同時に入れるスタイルになってて、あれうっかりすると逆に入れると思うんだけど、間違ったらどう扱われていたんだろな。
— 無謀松 (@Mubouan) 2017年10月22日
選挙に行って、というか、私は期日前投票で金曜日にすでに行ってたんだけども、ふと疑問に思ったのが上記ついーとのことだった。
このついーとが少しばかりリツイートされ、また友人からのリプライもあって、改めてよく考えてみたところ、投票方法の問題に気付いてしまったのである。
私の記憶の中での、私の選挙手順は以下のようだった。
- 身元を確認された
- 比例代表の投票用紙と、引換券のようなものをもらった
- 比例代表の記入台で意気揚々と政党名を書き込み、投票箱に投入した
- 引換券のようなものと引き換えに、小選挙区の投票用紙と、国民審査の用紙をもらった
- 小選挙区の記入台でえいやっと決心して候補者名を書いた
- 国民審査の記入台に移動し、どう判断すればいいんだろうと疑問に思いながら×をつけたりつけなかったりした
- 投票箱があると思った方を見たら出口しかなく、係の方にいわれて振り向くと背後にあった
- 小選挙区と国民審査の投票箱が隣接して置かれていて、どっちがどっちか迷った
- 手元の用紙と見比べて間違えないように投入した
- 投票所をおどりでた
と思ってたんだけど、どうも小選挙区と比例代表の順番が逆なような気もしてきた。あれー? そういえばいつもは小選挙区が先だったような……。多分逆だな。
どうも、選挙に対する意識が高いあまり、投票に集中しすぎて周りをよく見ていなかったようだ。
まあ、とにかく選挙の一方と国民審査の用紙が同時に渡されたのは確か。で、冒頭の疑問だ。
なんというか、投票箱が隣り合っていたのに、パっと見てどっちがどっちとわかるような、入れ間違いに対するフールプルーフが無かった。気がする。
小選挙区と比例代表のどっちを先に入れたかも思い出せないようなフールの私には、かなり慎重な注意が必要だった。慎重に注意して間違えていたかもしれない。まさか無効票になったか……?
で、ついったーを眺めていたら、同じように入れ間違いの危惧を持っている人が何人もあった。
おそらく私と同じく間違えそうな人なのだと思う。私程度のどんくささは普通にあることだとわかって安心だ。
そんなついーとの中にひとつ、「国民審査は何も記入せずに投票することが正当な有効票であるので、受け取ってそのまま投票箱に入れてもいい。しかしそれだと、そのように投票したことが傍目にまるわかりだから」との話があった。
選挙の投票用紙も同時に渡しておけば、一度は記入台に行くから、何を書いたかわからない、と。
なるほどそうか、と納得しかけたのだけど、いやちょっと待った。
私のあやしい記憶によれば、選挙の記入台と、国民審査の記入台が別だった。別やんね?
選挙の方には、立候補者なり政党名なりの候補を並べた張り紙が壁に掲示してあった。そして国民審査の記入台にも、同じように審査対象の裁判官の名前が並ぶ張り紙があった。よって、記入台は別だったはず。はず。合ってると思うんだけども。
それだと、選挙書いたら国民審査の記入台に行きもせずに投票箱に行く人がいるはずで、やはり傍目にまるわかりだ。
じゃあ記入台を一緒にするべきか。それはそれで厳しいと思う。
「選挙の候補と、国民審査の対象者と、それぞれを列記した張り紙が両方貼っている記入台で、選挙と国民審査の両方を記入する」ということになり、これもまた間違いの源かと思う。
裁判官に選挙の一票を投じる人が絶対出るだろう。(それで疑問抱かないほど候補者に関心がない人の投票なら別に無効票でもいい気はするが)
記入方法が現状で仕方ないとするなら、投票箱に入れる段階をどうにかできないだろうか。
投票箱にだれか人をつけて、「選挙はこっちで国民審査はこっち」と案内する人をつける、なんてのが現代流の親切な行政では。
で、それは当然ながら、「これどっち入れるん?」というて係の人に書いた投票用紙見せちゃう人がいるからダメなんだろう。特に大阪のおばちゃんはそうする。偏見だけど。
現状で問題なのは、なぜか国民審査と選挙の投票箱がぴったり隣接していたところかと思う。
これを1mくらい離したらだいぶ違うのでは。
と思ったが、それをやると今度は、何の疑いもなく一方を入れてしまってから、もう一個の投票箱の存在に気付いて、違うものを入れてしまったと気づくパターンが容易に想像できる。私はそういうミスするタイプだ。
また、同じ投票箱に両方入れちゃう人も多発するだろう。
そうなるくらいなら、わざと箱を隣接させてふたつあると認識させ、手元の用紙を確認させるほうが有効かもしれない。
やっぱりAIの時代だから、投票箱の投入口にセンサーをつけて、違う色の用紙を入れかけたら口が閉まる仕掛けをつけるか。もちろん、そのセンサーが「投票を監視してる!」という妄想の源泉になる。投票の秘密は民主主義の基本だし。
ちょっと考えたんだけど、そもそも記入台から直接投入できるようにしたらどうなのかな。
くら寿司みたいに自分のテーブルに投入口がついていて、食べたら、いや書いたらすぐ投入。それでカウントされる。
問題は「国民投票は記入せず投入でき、それで傍目に投票内容がわかる」ということなんだから、記入と投入を同じ場所にすれば解消する。
でもまあ、それはそれで、隠し持ってきた偽造投票用紙などをねじ込むチャンスを与えてしまうのだなあ。書いてる様子をオープンにするのも問題があるし。
それで、よく考えて一番良さそうなのはこれだ。
選挙と国民審査は、一見別の投入口に入れるように見えて、実は中は同じになってる投票箱に入れる。で、開票の時に人力で分けちゃう。
つまり、缶・ビン・ペットボトルと別の投入口があって分類してるかのように見せかけて、中では同じところに落ちるゴミ箱方式。
欺瞞的なゴミ箱に倣った投票箱なんて、社会風刺がきいていて極めて知的だ。高度に成熟した社会でなければウィットにならない。おっとそれだと日本じゃ無理だろうか。
選挙で何百億という金がかかってるのに、なおさらゴミ分別、いや投票用紙を仕分けるコスト増やすのか、といわれるかもしれないが、この場合は開票作業という労働の対価として支払われる賃金が増えるだけだ。それは消費に回るので問題ない。知らんけど。
そういうわけで、選挙と国民審査の投票箱が紛らわしいことへの批判として、私はこの「欺瞞的ゴミ箱式投票箱」を対案として提出し、この記事を終えたいと思います。