堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

ボーイスカウトが危機というけれど

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https://mainichi.jp/articles/20170913/ddf/041/040/017000c(毎日新聞の元記事)

 私は、子供の頃にボーイスカウトをやっていた。

 しかしその、率直に言うと、行ってよかったという感情はない。
 まあ私は子供の頃に悪い記憶しかないような、少々極端な人間だけれど、それにしてもボーイスカウトで受けた仕打ちは特に悪い部類に入る。

 得たものもさっぱり。
 違う小学校の子と交流があったといえばあったけれど、その後没交渉に終わる程度だったし。
 もやい結びのやり方すら覚えられなかったけれど、まあ、私がどうも紐の結び方に弱い自覚はあるとはいえ、できるまで丁寧に指導する、なんてことはされてないと思う。

 

 特に教師とか専門家でもない、単なる地元のお兄さん(だと思うんだけど違うんだろうか)に、子供を引率して教導するようなスキルなんて、求めても無理があると思う。
 少なくとも、私にやれといわれてもできないし。

 しかも行き先は山とか、事故のありそうなところで。

 で、今の時代にそういうことをしていて、事故が起こるリスクと、それへの賠償の大きさとかを考えると、縮小するのも仕方ない気がする。

 

 

 で、これは私の恨み節ではあるんだけど、80年代のボーイスカウトでされたことの一例として。
(小学校中学年くらいまではカブスカウトといわれるが、年齢まではっきり覚えてないから以下すべてボーイスカウトで統一する)

 山にキャンプにいって、小川というか沢というかに、丸木橋がかかっていた。
 しかし何年前に掛けられたものかもわからない、見るからにボロボロ、子供の私の目にも危なく見えた。もちろん丸木橋だから手すりもなにもなく、仮に真新しくても嫌なくらい。
 それで私に「行け」と強要し、嫌がったら罵声を浴びせて。
 仕方なく行ったら、橋が真っ二つに折れ、私は沢に転落した。
 私はかなり体が大きくて重いけれど、それでも小学生だ。子供ひとりで折れるような丸木橋ってよっぽどだと思うけど、そんな見極めもできない隊長だった。
 まあ溺れるような水量じゃなかったけど、擦り傷切り傷くらいで済んだのは運が良かっただけと思う。

 

 もうひとつの件も、山にキャンプ行った時。
 子供の頃の私は、自分の大きすぎる体の負荷が大きくて、舎営(テント張らずにロッジとかに泊まるやつ)とかキャンプ行くたびに、歩くのがきつくていつも遅れていた。
 そうすると、大体一日中罵声浴びせられる。
 とにかく罵声浴びせるという指導方法、まあ80年代だからというのもあるし、隊長のパーソナリティによるところもあるし、泉州の気風でもあるだろうけど、今やると問題になると思う。

 それで、そのキャンプの時は、いつも以上に体調悪くて、早々と歩けなくなった。
 「いくら私でも弱るのが早すぎる」なんて気付くほどちゃんと見てるわけもなく、いつものように甘えるなと怒鳴られ続けて。
 それで山を登らされ続け、気を失って倒れ、病院に運ばれて目が覚めたら注射されていた。そのまま二週間入院。
 病気そのものは風邪くらいのものだったけど、本当に体調悪かったのを一切確認しなかったせいで、そこまで悪化した。

 

 もっといえば、コンドームを(もちろん当時は知らない)風船だと渡されて膨らませといわれたこともあった。
 口をつけたらねちゃねちゃしてるし、隊長らの様子もおかしいしで投げ捨てたことまでは覚えてるけれど。

 

 でまあ、体罰も罵声も当たり前というのは、昭和だからといえばそうだ。まさか今はやれないだろう。
 体罰はないにしても、丸木橋のケースは「させた行為が元で大怪我をした」となる直前だったし、山で倒れたケースは「子供の様子をちゃんと見ず、入院するほど病気を悪化させた」だし、いずれも今だったら親が損害賠償訴訟起こしてもおかしくない。
 コンドームの件はいたずらにしてもゲスすぎるし、ボーイスカウトの隊長と隊員という関係がなけりゃ普通に変質者だ。

 

 私のケースは、わざわざ怪我や病気につながるようなことを強要した結果として起きてるから、隊長がまともなら起こらないとは思う。
 とはいえ、複数人の子供を連れて山に行ったりしたら、事故の危険なんていくらでもある。隊長をやる人に、そこまでしっかり指導者としての訓練をすることができるんだろうか。
 万一事故が起きたときの責任とかも、まあ「そなえよつねに保険」というのがあるらしいけど、保険金がおりてすべて解決というわけにもいかんだろうし。
 できるという意味でも、やりたいという意味でも、隊長やる人いるのかなあ。

 30年近く前とはいえ、あそこまで酷い隊長だったことを踏まえると、知り合いの子供がやるといったら止めるくらい印象が悪い。
 私が知らないだけであってほしいけれど、隊長の質がぐっと上がるような何かがあったとは知らない。隊まるごと山で遭難する事故があったとは聞くけど。

 

 まあ、私ほど印象悪化させてる人に見直させるのは、無理だし無駄だから別にいいんだけれど。

 ボーイスカウト参加者を増やす正道って、子供を預かるということを今の時代なりにやれているかを点検し、安全体制を周知した上で募集し、子供が喜んで何かを身に着けたという実績を伝えていくことじゃなかろうか。
 少子化ボーイスカウトのせいじゃないけど、それ以上に減ってるというなら、「塾とか他の団体に取られた」なんてのは泣き言でしかない。他の方が魅力があるから負けているんだから。