堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

PC修理を頼まれることについての諸々

 Windows XPのサポートが終了したのが、2014年4月。
 もう3年以上経過してしまった。

 3年といって気になるのが、そろそろハードディスクが飛ぶ頃だな、と。
 そして壊れたから助けてといわれることが増えると。
 今現在まだ大丈夫でも、ハードディスクは長くても5年くらいで壊れる。2013年あたりに買ったPCは、そろそろ壊れると思っておかないと危ない。
 まあ、いくつも頼まれるんだろうなあ。

 

 それで、壊れたのを修理することが多い身として、いくつか知っておいてほしいこと、やっておいてほしいことなど書いておこうと思う。

 特にまとまりのある話ではないけれど。 

 

目次

 

 

壊れる前にメンテを頼んでくれるのがベスト

 壊れたPCを直してくれと渡されて、まず思うのは、「壊れる前にメンテしておけばいいのに」と。 

 壊れる前のハードディスクの交換は、やる方も楽。
 今使っているハードディスクの内容を、新品にまるごと同じ内容でコピーして、取り替えるだけ。それで済むことが多い。
 前と同じ内容、使ってるアプリもそのまま、ブラウザーのブックマークとかもそのまま、作成した文書とかデータもそのままで、ハードディスクを新しくできる。

 ハードディスクが壊れてしまってからの交換だと、作ったデータは助からないし、設定その他諸々は、買ったときの状態に戻されてしまう。

 

 もちろん私が自分で使うPCは、壊れる前交換。
 おかげでここ15年くらい、システムクラッシュで大変なことになった記憶はないな。忘れてるだけかもしれんけど。

 そういうわけで、私の周りで私に修理を頼みそうな人には、「3年経ったら壊れてなくてもメンテ」をオススメしている。壊れてから持ってこられるより私の手間が少ないので。

 

ハードディスクが壊れてからの復旧は大変

 一般の方が遭遇する自然故障では、やはりハードディスクの故障が多い。
 他の故障もあるけど頻度は下がるし、ハードディスクの故障は「Windowsが起動しない」という致命的な症状になるので、壊れたことが誰が見てもわかる。

 

 ハードディスクが壊れそう、という予兆は、ないわけじゃないんだけど、掴むのは結構難しい。
 だから、予兆をつかもうと考えるより、単純に「買ってから3年過ぎたら壊れるかも、5年過ぎたらもう壊れる」といった時間での判断がいいと思う。

 

 壊れてしまってからだと、修理は厄介。
 ハードディスクは買ってきて取り付ければいいけど、そのまっさらなハードディスクに、Windowsをインストールしないといけない。

 ハードディスクが壊れるとか、あるいはコンピューターウィルスなどでWindowsが壊されるとか、手放すために全部データを消して購入時の状態に戻したいとか、そういうときのために、リカバリーソフトウェアというのが、メーカー製のパソコンには必ず用意されている。
 新しいハードディスクへWindowsを復旧するのにも、これを使う。

 これが、昔はCD-ROMとかDVD-ROMで、別添されていた。
 しかし最近は、ハードディスクを一部区切ってそこにリカバリーソフトウェアを入れておくようになった。
 すると、ハードディスクが壊れると、リカバリーソフトウェアも一緒に壊れてしまう。
 しかも、リカバリーソフトウェアだけ購入ということもできない。Windowsが復旧できない。

 

 こういう場合はどうするかといったら、Windowsを新規に買うのがまあ正当な線。

 Windows 10は正規ライセンス19008円。
 Windows 7がいい、といわれても、もう新規には買えない。

 それから、メーカーが独自に追加したソフトウェアとか機能とかが、一部使えなくなる場合も出てくる。
 TVチューナーが鬼門で、元々Windows 7モデルだとWindows 10で使えないことが多いみたい。

 

 作業する方から見ても、作業量は多い。
 ハードディスク買ってきて取り付け、Windowsをセットアップ、Windows Updateを一通りやる、Windows 10では動かなくなってる部分の洗い出し、足りないドライバーを探して追加などなど。
 Windowsが2万円、ハードディスクも1万円、それだけで3万円に、作業も大変だからそれなりの工賃はもらわないと引き合わない。

 

 メーカー修理だと、ハードディスク交換に5万円はかかる。

azby.fmworld.net

 ただまあ、メーカーなら完璧にやってくれるし、Windows 7のモデルならWindows 7で復旧してくれるし、テレビが見れなくなったりもしない。

 

ハードディスクが壊れる前にやってほしいこと

 ハードディスクと一緒にリカバリーソフトウェアも壊れた、という事態は、事前準備で避けられる。

 PCを購入したら、おそらく「リカバリーメディア作成ツール」といったアプリが入ってると思う。
 それを使えば、リカバリーソフトウェアをDVD-Rなどに書き出すことができる。

 それがあれば、たとえハードディスクが壊れてからの作業でも、Windows 7なら7で復旧できるし、TVチューナーが死んだりもしない。
 Windows 10を買い直すことにもならないから、その費用も不要になる。

 

 もし、今、壊れてないパソコンが目の前にあるなら、早急にリカバリーメディアを作成しておいてほしい。そして失くさないように保管してほしい。

 

 ただまあ、実は作業する方からすると、「リカバリーメディアがちゃんとある場合のハードディスク交換作業」というのは、別に作業的には楽ではなかったりはするんだけど。

 特にWindows 7がなぁ。
 詳しい説明は難しくなるから省くけど、Windows 7も古いものだから、色々問題が起こっている。手作業対応が大量に必要になって、面倒で面倒で……。

 「ちゃんとリカバリーメディア作ってあるから簡単だろ、部品代だけで修理してくれ」とか言われたら、厳しく拒否するよ。
 

PC修理の謝礼について

 私のような「ぱそこん詳しいお兄ちゃん」族は、いろいろな事情があって、対価を請求するのが下手なところがある。

 まあ技術的作業ではあるから、常識的にいって対価は発生すべきだ。誰でもできることをやるわけでもなく、時間も10分20分のことでもない。
 しかしまあ、自分のパソコンについて自分のためにやる分にはタダでやってるんだしなあ、と思ってしまいもする。

 それに、メーカーなら全ての問題に完全に対応できるだろうけど、私がやるのは、あくまで市販品の組み付けで対応できる範囲だけ。
 上手く行かない場合もありえるし、ダメなら諦めて、としかいえない。
 うまくいくときには、メーカーより融通の効く柔軟な対応ができる場合もあるんだけれど。

 いくら貰うのが適価か、とは、なかなか決めづらい。

 

 そういうわけなので、「ぱそこん詳しいお兄ちゃん」に修理をやってもらうときは、頼む方から「部品代プラス○万円で」とか、具体的に金額示すといいんじゃないかな。

 安すぎる値段だったら、「専門店で修理サービスやってますよー」とか「メーカー出したほうが確実ですよー」とか、そういう「他所にいけ」という旨の返答をする。
 高すぎたら、恐縮して「そんなに貰えないから○○円で」とか、逆に安いくらいの値段にしてくれるかもしれない。(大金くれるなら喜んで貰う人ももちろん多いと思うけど)

 人と人との決め事になるので、お互いの信頼に応じて、お互いが損したと思わないくらいのところで決めてください。

 

どんな故障なら個人で修理できるの?

 ここまで、ハードディスクの故障の場合の話だけだった。
 経験的にいえば、故障といえばハードディスクが大多数なんだけれど、一応ほかの故障もありうる。

 最近のノートパソコンが故障した場合、市販品と交換修理ができる範囲は、ハードディスクと、DVDとかの光学ドライブくらい。
 これらは規格品の部品だから、交換できる。

 また、内蔵部品がダメでも、外付け機器で代替できるものもある。
 例えば無線LANが繋がらなくなって、それがパーツの故障であれば、USBに挿すタイプを追加して対応できる。
 音が出なくなったなんてのも、外付けスピーカーでの対応はできる。

 バッテリーは、機種による。大型のノートPCだと交換できる場合もある。


 個人で修理できないものも色々。

 ノートPCの冷却ファンがすごく大きな音を立てているとか、液晶画面を割ってしまったとか、そういうのは無理。
 規格品ではないので、部品が手に入らない。メーカーも部品だけでは出してくれない。
 液晶はともかく、ファンくらいは自分で直したいとは思うんだけど……。(デスクトップPCなら汎用品が使える場合もある)

 

 まあ、どの部分が、どういう理由で壊れたかという判断ができるのも、修理スキルがある人の側。よくわからないけどどこか壊れた、というのは、それは仕方ない。

 詳しい故障箇所は、現物を見て診断しないとわからない。
 けれどその前に、壊れた経緯とか、現在どんな状態になってるか、分かる範囲でできるだけ伝えてほしい。

 2キロくらいはあるノートパソコンを運んできて、現物を見て、これは修理しようがないから持って帰ってといわれても虚しいだろうし。
 こっちはこっちで、時間割いて会って、現物見たら修理しようがない大破状態だった、ではやっぱり虚しい。
 ちゃんと話をしてくれれば、そんな無駄を回避できるかもしれない。

 あるいは、話の内容だけで故障箇所を特定できて、事前に部品を用意して修理期間を短くするとか、代替品を紹介するだけで済むとか、そういう場合もあるかも。

 

 

 

そもそも修理をすべきだろうか?

 故障して診断してみたら、ハードディスク故障だとわかって、修理は可能そうだとして。
 修理するほうがいいか、買い替えたほうがいいか。

 パソコンは価値の低下が早いモノなので、ハードディスクが壊れる3年以上前のモデルというと、あまり商品価値は高くない。
 修理代を考えると、買い替えたほうがいい場合もある。

 性能だけ見れば、2017年の今でも、2010年くらいの古いPCでもそれほど不足はない。ここ数年、あんまりPC性能の伸びが大きくない時代が続いていた。その点では、「修理すればまだ使える」とはいえる。
 しかし、経時劣化するのはハードディスクだけじゃないんだし、ハードディスクが治っても他のところがすぐに壊れる可能性はどうしてもつきまとう。

 

 たとえ古くても元々高級なモデルだったりすると、筐体とかモニター、キーボードなどの質が高く、新品の安物よりも使い心地がよかったりもする。
 こういうものなら、修理の価値がある。

 ハードディスク交換は、高級品でも廉価モデルでも、使う部品は変わらないし、手間も同じ。よって費用も同じくらい。よって、元々廉価なモデルほど修理が割高になってしまう。
 廉価モデルだと、特に思い入れがあるとか、そういうのでなければ買い替えを勧めるほうが合理的になる。

 

 買い替えることにするなら、いくらくらい払えばどれくらいのものが買えるか。
 それに対して、数年前のものを修理するのにかける費用がこれくらいで、どちらが良いか。

 私も、修理を頼まれた結果、買い替え相談に話が変わることはある。その方が相手にとってメリットが多そうなら、そういうふうに話をする。

 

 中古に買い換えるのは?

 中古パソコンってびっくりするほど安いのもあって、2万円以下で買えるようなものもある。
 企業向けに5年くらいリースで使われて、その後に中古市場に流れたやつ、それも元々スペックを抑えた廉価モデルだったりするとそんな値段に。

 だから、故障修理より中古を買ってくるほうが安い、と見える場合もある。

 しかしまあ、5年前に買ったPCが壊れたから、5年落ちの中古を買う、というのも、すぐまた同じ故障に遭うのが目に見えている。
 店によるだろうけど、中古の保証期間なんて1ヶ月くらい。使いはじめて二ヶ月でハードディスクが壊れても、もう保証切れてるから諦めるしかない。

  私もたまに中古PCを買うんだけど、ハードディスクは買ってすぐ交換するなあ。でないと安心して使えない。

 

 中古パソコンって、自分で全部面倒見れる人向けの商品だと思っておいたほうがいいんじゃないかな。