堺風の頭部

徘徊、カメラ、PC、その他。

結局スマホがAcer Liquid Z530になった

 Zenfone 2が今にもダメになりそうなヨレヨレの状態、買い換えるべく通販でポチったSAMURAI KIWAMIは不良品で返品、と紆余曲折を経たスマホ乗り換え問題。

 出かけてなんば駅に着いた途端にZenfone 2がフリーズし、前から起こっていたSIMカード認識トラブルが再発して復旧不能になったため、急遽日本橋でんでんタウンイオシスで、Acer Liquid Z530を購入した。

 しかし思いがけず、結構いい端末だった。

目次 

 

選定基準

 最大の選定理由は安かったからなんだけれども、一応要求最低スペックは以下だった。

 まあ、今時条件ともいえないくらい緩いが、それでもちょっと前のローエンドモデルだと下回る。

 一応「ステーションメモリーズがストレスなく動くこと」という条件がつくのだけども、これは事前にわからんので。

 イオシス店頭には、Zenfone SelfieとかZenfone Goも1000~3000円程度の価格差で売ってたんだけども、現用のZenfone 2とほとんど見た目変わらんようなもんに乗り換えるの寂しかったので。

 Z530が、11800円で未開封品。実際安い。

 

触ってみると

 5.5型のZenfone 2から、さらにでかい6型のSAMURAI KIWAMIを3日程度とはいえ触ってから、5型のZ530に。
 私は手がでかいので、Zenfone 2でもまあ片手で使えていたけれど、Z530なら片手で楽々。

 Zenfone 2もSAMURAI KIWAMIもおおむね長方形だったが、Z530は小判型に近いくらいエッジを大きく落としていて、多少持ちやすいような気がする。手のひらのくぼみに収まる感じがある。

 画面に対して、短辺方向はふちを小さく収めて、長手方向は結構余裕がある造り。
 Zenfone 2は画面外にハードウェアボタンをつけていたが、Z530は画面内のソフトウェアボタン。物理ボタンでなくタッチパネルでもいいから、独立ボタンは欲しくはあるかな。高望みだろうけど。

 

 バッテリーは、交換できちゃうタイプ。
 しかし当のバッテリーがすでに買えないようで。互換品があるけどあんまり安くなかったなあ。

 SIM・MicroSDスロットはちょっとチープな感じ。まあ外れなければなんでもいいけれど。なお側面アクセスじゃなく、バッテリー共々裏蓋の中。

 

意外と軽快 

 起動して触り始めてみると、なんだか意外なほど動作が軽い。
 ブラウザやTwitterのスクロールがするする流れて気持ちがいい。もっとカクつくと思いきや。

 SoCはMTK6735、クァッドコアの1.3GHz。
 処理能力が優れているとは思えないが、Z530はディスプレイが1280x720と解像度低めなので、それで負担が小さいかもしれない。
 5型の画面で1280x720もあれば、画面のピクセルが四角く見えるほどでもない。

 PC用のグラフィックでもそうだったけれど、スクロールってなめらかに流すのは結構負荷が大きい。解像度が上がるほど負荷も跳ね上がる。
 ハイスペック機じゃなければ、解像度は無駄に上げないほうがいいように思う。

 

 さすがにメモリー1GBでは、裏に回したアプリがすぐ終了されがちで、切り替えながら使うのが鬱陶しい。
 けれど、2GBあれば私の使い方なら十分、と見当がついていたし、実際問題なかった。

 要はステーションメモリーズとGoogleマップと、あとブラウザとかスマートニュース、Twitter程度がタスクを切られずに切り替えられればいいだけで。

 

 ストレージは32GBあるとゆとりがあるのだけど、まあ16GBでも、常用するアプリと艦これと御城プロジェクト:REを入れられるので、とりあえず十分。

 

GPS駅メモ適性はまずまず

 私にとっては、ステーションメモリーズが快適に遊べることが大事。

 

 駅メモは時々、やたらと動作が重くなる相性の悪い端末がある。
 arrows tab F-05Eではひどく重くて、まともにプレイできず。
 SAMURAI KIWAMIでも、スクロールなどがガクガクしていて、プレイはできるけどいまいち。

 priori 2ほどロースペックな端末でも大きな支障はなかったから、高解像度端末で重い傾向が強いかも。F-05EはTegra 3でフルHDだから時代としては高解像度だったし、KIWAMIに至ってはWQHD。

 Z530は、さすがに2015年のSoCに1280x720しかない解像度だから、かなり軽快に動いた。

 

 で、位置ゲームであるからには、GPSの精度や速さも大きく関わってくる。

 屋外でなら案外すぐにつかむ。
 Mediatekの廉価なSoCって、過去に使ったMeMOPad HD7 (MTK8125)とかpriori 2 (MTK6582)あたりは、開けた屋外でもGPS掴むのにずいぶん時間がかかった。
 それがこれだけ早くなってれば上等。

 しかし条件が悪いときの動作は、ちょっと不思議な感じ。

 駅メモだと、チェックインボタンをタップしてから測位を始める動作なので、散発的にGPSが呼ばれる。
 それで条件が悪い場所、電車の中でしかも駅ビルがある駅に到着した時だとか、そういう時に、しばしば他県まで大きく現在地が飛んでしまう。
 これは他の端末でも起こることなんだけれど、Z530では頻発した。
 GPSが掴めない時、別の情報から仮の現在地を返すのはよくある動作なんだけれど、Z530は返事を急ぎすぎてGPSをすぐ諦めるのかも。

 また、Zenfone 2の頃は「Googleマップで現在地をトレースしておき、駅に着いたら駅メモにタスクを切り替えてチェックイン」という操作で安定して正しい駅を取れていたが、Z530はこれではダメなことがあった。
 マップから駅メモに切り替える僅かな時間でGPSを諦めるらしく、代替位置情報を返されて、現在地がぶっ飛ぶ。

 

play.google.com

 このアプリで、ずっとGPSを有効にしておくと、かなり安定してチェックインできる。
 たとえ地下鉄に入っても、最後に取得できた位置情報で現在位置をホールドし、更新でき次第そちらに移る、といった動作になる。

 以上のことから、Z530には「GPSの呼び出しを停止した時点で、速やかに現在地情報を破棄してしまう」「GPSで正しく測位できるまで長く待たず、仮情報を返すのが早い」というせっかちな動作傾向があるんだろう、と推測した。

 

 GPSの消費電力はかなり抑えられているらしく、常時測位にしても無茶苦茶な勢いで減るというほどでもない。
 なので、駅メモ用にしては十分快適な部類かな。

 

ディスプレイ周りは上々

 照度センサーに応じてディスプレイの明るさを自動調整する、というのは、何が難しいかわからないけれど、今までの端末ではしばしばダメだった。

 priori 2なんか、照度オートにするとなぜかディスプレイガンマまで変わって色が無茶苦茶になった。
 Zenfone 2はレスポンスが遅いし、オートの連動範囲が狭くて、暗めに設定していると外では手動で明るくしないと見えず、そうして持ち帰ると室内では明るすぎるから手動で暗くしていた。

 Z530はまったくもって快適。常にいい感じの明るさに、速やかに調整してくれる。暗め好み・明るめ好みの設定もできる。

 解像度が低いといってもサイズが小さいから気になることもなく、発色はなかなか鮮やかで眠い感じもない。
 色合いも、私のPCの色設定よりは僅かに青い程度。変な色とは感じない。

 

WiFiがやや弱い

 廉価機ではあるので、WiFiIEEE802.11 b/g/nのみ。5GHzの電波は使えない。

 まあ速度はいいとしても、あまり感度がよくない。
 うちの木造住宅で、壁3枚挟んだ向こうのルーターではアンテナピクトは最低値になる。他の端末ならもう少し余裕があるのだけど。
 また、マクドナルドのフリーWiFiを使おうとしても、接続が安定せずしばしば切れたりもした。

 ルーターの設置位置によっては、他の端末で大丈夫でもZ530ではダメというケースが出そう。

 

カメラは思ったより良い

 リアカメラ800万画素、フロントカメラも800万画素。一般的にはリアカメラの方が力が入ってるものだけど、これは前後全く同じらしい。

 Exifによると、実焦点距離3.5mm。画角は84度らしいから、ライカ判換算で24mm相当。逆算すると、センサーサイズは1/3型くらいかな。
 かなりの広角だから、スペックシートに書いててくれればひとつ利点に数えるんだけどな。

 

 

f:id:mubouan:20170706164346j:plain

 いいじゃない広角。

 

f:id:mubouan:20170706164814j:plain

 ピクセル等倍。まあスマホ的な画質ではあるけれど、ピクセル等倍で追い込む気もないので、十分としよう。

 

f:id:mubouan:20170706165144j:plain

 HDR撮影機能もあったのでチェック。
 一応「撮影中はカメラを動かさないでください」と警告が出るので、複数枚撮影の上で合成しているようだ。
 まあ、やりすぎない程度にやってる感じか。被写体によっては全然効果が見えなかったり、強めに効いてるように見えたり。

 

f:id:mubouan:20170706165414j:plain

 あいにくこういう被写体では、少々安易に露出を取ってしまうようで、葉に引っ張られて露出オーバー気味、花が白飛び。

f:id:mubouan:20170706170013j:plain

 ボケを気にするカメラではないけど、きれいとは言い難いボケ。

 

 カメラアプリの出来は、まあ並というか、力が入ってる感じはしない。
 残念ながら露出補正がメニューの中。水準器も出ない。
 ASUSはカメラアプリが優秀で、アプリ開発者にカメラ好きが居そうだったけど、Acerには居なさそう。
 しかしまあ、文句を言うほど悪くもない。

 

アクセサリー類

 背面と、内側も梨地になっていて、摩擦抵抗を抑えるような造りになっていた。側面はそのままなので、滑って落としやすいなんてこともない。

 以前Zenfone 2につけていたものに比べると、前面側に大きめに出っ張る。これなら、平坦なところに落下させる分には、どう落ちてもショックから護られそう。

 

 SAMURAI KIWAMIで無駄になった、ガラスフィルムをリベンジ。

 元々ガラスの上にもう一枚ガラスを貼る意味があるかどうか、正直いってまだ疑問には思うんだけれども、まあ、手触り・指すべりはプラスチックフィルムよりは良いかな。
 剛性が上がれば割れにくくもなる気はするし、一撃ならフィルムが犠牲になって本体を守るかもしれないし。

 

総評

 華のない機種というか、「これぞ」というアピールポイントがない端末だけれど、使ってみると欠点が全然見えてこない。
 使った感じがすごく快適。
 安いから買った端末だけど、思いがけず良いのを引いた。

 ハイエンド機ほど頑張りすぎてなくて、ローエンド機ほど能力不足でもなく、バランス良い仕上がり。
 こういう感じの端末だったら、私の需要にはぴったりで、次にもAcer選びたいくらい。

 だけど、あいにく日本市場はZ530以後のモデルが来てなくて、諦められてるかな。

www.acer.com

 ウェブサイトにまで華がなく、スペックにも華がない、日本じゃ売れない感じだ……