堺風の頭部

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Dysanのレトロフロッピーディスク

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 ハードオフのジャンク箱を覗いてみたら、こんなフロッピーディスクがあった。

 一応私もフロッピーディスク時代からパソコン使ってはいるんだけども、Dysanとは聞いたことがなかったので、ちょっと調べてみた。
 2017年に「Dysan」なんて聞いても「ダイソンのパチもん?」と思ってしまいかねないが、調べてみるとむしろダイソンのほうが20年も若い企業だった。

 

Dysan - Wikipediaより

 以下、英語版WikipediaDysan - Wikipediaを、Creative Commons — Attribution-ShareAlike 3.0 Unported — CC BY-SA 3.0に従って二次利用(日本語訳)します。
 私の英語力は極めて怪しいから、これをさらに利用するなら翻訳し直すほうがいいと思うけれど。

 Dysanは、カリフォルニア州サンノゼに1973年に設立された、記録メディアメーカーであった。社長(後にCEO)はC. Norman Dion
1976年に5.25インチフロッピーディスクが開発されるにあたって、それを支えたメーカーであった。

1983年、Jerry Pournelleは以下のように「BYTE」誌でレポートした。
「あるソフトウェアメーカーはこう語った。全ての製品をDysanのフロッピーに入れて販売している。最初は高くつくが、しかし長い目で見ると、壊れたメディアの交換費用が節約できる」
その年、DysanはFortune 500に選ばれ、1200名以上の従業員を抱えていた。
さらに、カリフォルニア州サンタクララにあるDysan管理下のディスク製造工場のいくつかは、建築として優れたものであるように考えられていた。例えばある製造工場は、従業員休憩所の大きな中庭、植物に包まれた屋根や壁、屋内も植物に満たされ、滝から川が流れ池にそそぎ、そして生きた魚が飼われていた。

フロッピーディスク、テープドライブ、ハードディスクの他に、Dysanはハードウェアやディスク保存用ケースも製造していた。

1984年春、DysanはXidex Magnetics社と合併した。1997年には、Jery Ticerelliの指揮下にあったXidexは破産宣告を受けた。XidexはAnacompに吸収されたが、後にDysan社の名前で完全子会社として分離独立された。

2003年に短期間ながら再開したが、Dysan社はDylan Campbellの指揮の下、六ヶ月で畳まれた。

Dysanは、使用済み商品のリサイクルを行った最初の技術企業であったといえる。一部のDysanの製品には、以下のようなラベルがついていた。

フロッピーディスクは、環境に良い方法で廃棄されなければいけません。お客様は、使用済みフロッピー(メーカーは問いません)を以下の住所にお送りください。
 カリフォルニア州ミルピタス 私書箱361510号 Dysan環境センター」

 5インチフロッピーの策定にも関わったような、老舗の磁気ディスクメーカーであるようだ。
 フロッピーディスク - Wikipediaも参照しながらいうと、シュガート社が5インチフロッピーのディスクとドライブをはじめて販売したのが1976年だから、Dysanがそれに協力していたのかな。その後も、シュガートと共同で3 1/4型フロッピーを開発したらしく、何か会社としてつながりがあるのかも。
 History of the floppy disk - WikipediaにもDysanの名前が出ていて、3 1/4インチフロッピーのフォーマットの一部が、3.5インチフロッピーにも取り入れられた、と記載がある。(3.5インチフロッピーはソニーワープロ用のものが広まってスタンダード化した)
 また、パソコンで使うようなものではないが、Disk pack - Wikipediaといった大型の磁気ディスクも作っていたようだ。

 

 このフロッピーは2HDだが、3.5インチ2HDが登場したのは1987年あたり。するとDysanがXidexと合併してからの商品のようだ。
 また側面には、Made in Chinaの表記があった。
 この頃のDysanの住所は、オンタリオ州マーカムとある。今でもハイテク企業が集まる町だが、当時はどうだったろう。

 あいにく、3.5インチ2HD登場の87年から、Xidex倒産の97年、その10年の間のどこかの製品、という以上には絞り込めなかった。

 この外箱は、けっこうコストがかかっていそうだ。色付きの樹脂製で金文字のプリント。右下のDysanロゴは浮き彫りになっている。
 私は90年頃のフロッピーディスクなら自分で買っていたが、こんな立派な箱には入っていなかった。5インチは紙箱。3.5インチは、1枚ずつ透明な無地のプラケースに入って10枚シュリンクされてる、とかだったように思う。

 Dysanは高くてもモノがいい、という方向性のブランドだったっぽいので、箱もプレミアムな感じにしたのかな。
 また、ディスクケースも製造販売していたというから、単品売りの商品と同じようなものを添付していたのかもしれない。

 

 私が知る限り、日本でDysanのフロッピーなんて売ってるのは見覚えなかったけど、日本のハードオフに転がっていたからには流通していたんだろうか。

 さっぱりわからないことだらけなままだけど、もしこれに価値があるのであれば、コレクターの方にお譲りするのでご一報ください。

 

リンク集

daisan-i.com

 Dysan社とは全く関係ないであろうダイサン株式会社のページで、フロッピーディスク製造終了を悼む記事が掲載されているのが検索にかかった。

 

www.crimson-systems.com

 フロッピーディスクコレクターくらいは世に居そうなものだけど、と思って検索したところ、かなり強力なサイトが見つかった。