もののはずみで立て続けにα用望遠レンズが転がり込んできているので、ひとつずつ試用。
今回は、ミノルタ純正のAF100-200mmF4.5。
なんだか不思議なスペック。70-210mmとか100-300mmなら他社にもよく見かけるけど、100-200mmってあんまり見ない。PENTAXにはないはずだし、検索した感じもミノルタの他はキヤノンしかなさげ。
キヤノンのEF100-200mmは、F4.5通しなんて特徴的な点、最短1.9mという長さもミノルタと共通。まさか同じかな、と思ったけど、EFは7群10枚でαは7群8枚らしい。重さもかなり違う。
F4.5とはいえF値通し、というとちょっと贅沢にも見える。よく見るとワイド端で勝手に少し絞られるタイプ。中級クラスのレンズにはよくあるやつで、PENTAXのFA28-70mmF4とか、DA17-70mmF4とかもそうだ。
ところが、このレンズ自体はα-7000の廉価版であるα-5000が出たときに、廉価版相応の望遠ズームとして出たものらしい。
テレ端200mmでF4.5だと、一般的な70-200mmF4.5-5.6と比べると2/3段くらい明るいことになるから、贅沢にも思える。まあ、当時のAFセンサーでF5.6じゃ合いにくかったのかもだけど。
嬉しいのは小型軽量で、廉価標準ズームより一回り大きい程度。基本的に私でかいレンズ嫌いだからな。
実写
さて実写。純正フードもついて入手したので、どのカットもフードはつけてある。
行ってみたのは、和歌山公園動物園。
和歌山城の敷地内にある、入場無料の小さな動物園。すごい目玉の動物がいるとかでもないんだけど、かなり古くからやってる。
つばき園で、テレ端の一枚。プログラムオートに任せると、かなり手ブレを抑える方に振ってしまうみたいで、いつも絞り開放になるみたい。これF4.5で1/500秒のISO100。
しかしまあ、画素数が600万しかないαSWEET DIGITALだと、開放でもあまり解像力不足も感じない。
手前のピントがあったあたりは十分写ってるし、背景のボケはちょっとうるさそうな感じもするけどまあ。
ただこれが、距離が近いと描写が悪くなる。これはテレ端200mmでF5.6にちょい絞り、1/160秒だから、もしかしたらちょっと手ブレしてるかもしれないんだけど。
うーん、どうだろう、やっぱブレてる?
うーんうーん。これF4.5開放でテレ端。1/320秒ならブレってことはないと思うけど。
ワイド端だと甘さはましだけど、やっぱりシャープな感じはしないかなあ。
しかしまあ、別にシャープさだけで写真撮るもんじゃないしな。
このインドクジャクはサービスがよかった。わざわざ羽根広げてぐるっと一回転して観客にアピールしてくれた。
なぜかずいぶん数が多くて、5羽くらいいた。サービスよかったのは1羽だけ。
このカットはわりとシャープに出ている。
テンジクネズミ科のマーラという動物。ネズミといいつつ小型犬くらいあるようなうすらでかいやつ。パタゴニアの固有種らしい。
それにしても犬よりだらけた態度。しかも10匹くらい居てみんなこんなん。大勢でだらけてると一種壮観なものがあった。
リスザルを、ほぼ最短近くで。柵越し。
意外とちょろちょろ動き回らず、ゆったり構えていた。わざわざ客に近づいてきて、顔を向けてくれる。
アメリカビーバーがいるんだけど、この通りぐでーっとしていた。
ちなみにワシミミズクもいたんだけど、物陰に隠れてしまっていて。
クジャクとかリスザルとか、あと写真がないけどエミューとかはずいぶん客にサービスするような態度だったんだけど、このビーバーとかマーラとかは随分愛想なく全力でぐだぐだしている。なんか両極端だった。
水禽園に移って。
和歌山公園動物園は、敷地の小ささもあってか、かなり動物との距離が近い。動物園としては嬉しいところだし、写真を撮るにももちろん便利なはずなんだけど、今回のこのレンズに限ってはちょっと不向きだったかも。
水禽園はちょっと距離が遠くなるので、このレンズのいいところが使える感じ。
ヨーロッパフラミンゴ。これはズーム中域の130mm。
遠いとやっぱりよく写る。バリケンというらしい。
オオヅル。
赤いのはただのニワトリらしいけど、この白いのなんだろう。
カルガモとかアヒルみたいなありふれたものも結構飼われているあたり、ちょっと気楽な感じがする動物園だ。カイウサギなんかもいるし。
ちょっと離れた薄暗いところにツキノワグマがいて、これまたどべーっと寝ている。
ちなみにこちら園長様です。
レンズ付け替えちゃって、これはAF24-50mmF4。
大体ペンギンって動物園の人気者なのだが、この通りだらけていて、ペンギンとしては珍しく子どもたちもスルーしていた。
ミーアキャットがひっくり返って腹丸出し、足をたまにピクピクさせるだけの異様な格好してたりして、見てた子供が「死んでる」とか騒いでいた。
一応天守も見てきた。下から。中にはもう何度も入ってるからいいや。
中島望「牙の領域」の舞台だよ。
和歌山城の石垣には、刻印がある石が2000個ほど見つかっているけど、意味はわかってないとのこと。
ぶらくり丁ってめったに来ないから、何年ぶりかで足を伸ばしてみた。
シャッターも目立つんだけど、若い人がやってるらしい店も散見されて、頑張ってはいるみたい。
しかし駅から遠いのもいかんともし難い感じはあるなあ。かつては和歌山市電があってもうちょっと便利だったらしいけど、今はバスだけ。マイカーでも駐車場少なくて不便らしいし。
それと、なんか和歌山市駅から和歌山駅にかけて、なんとも曖昧な感じに商業地が広がってるのが不思議。ぶらくり丁とかははっきり商店街だけど、そこを離れても住宅地に商店が混じったようなエリアが続いて、結局そのまま駅前に出る。
何かあってこうなったのかなあ。
和歌山市街地への鉄道整備もまた、中心駅が二転三転するややこしい歴史があるから、そのへんの影響もあるんだろうか。
現紀和駅が中心駅だったのが現和歌山市駅に移り、現和歌山駅との壮絶な殴り合いの末にようやく和歌山駅が勝つものの、関西空港に客を取られてどっちも凋落して今に至る激しい鉄道戦争があって、これは鉄道ファンならずとも面白いんだけど。
そしてスマートボール屋が。
つい入ってみて、200円で70球。ピンピンと弾いていると、たまたま上手く真ん中のいいところに入って、かなり大量に払い出された。その後は落ち着いちゃったけど、時々入って5球とか15球とか出るもんで、結構長々と楽しめた。
もしかするとちょっと釘が甘いお店なのか、あるいはそういう台に当たったかなあ。運が良かっただけかもしれんけど。
AF100-200mmF4.5について
さてこのレンズの使用感だけれど、やっぱり私は望遠を寄って使いたいようで、寄りすぎてピントが合わないことしばしば。やっぱり最短1.9mは長いなあ。
寄るほど描写が悪くなるのも厳しいところで。
でもまあ、遠ければ案外良い写り。画素数が多いとわからないけど、600万画素のαSWEET DIGITALなら全然問題ない。
APS-Cで使うから、周辺の悪いところは目立ってこない。周辺の流れとか光量落ちとかも、私の目には気にならない。
100-200mmの2倍ズームで広角が効かないことは、使っててしんどかった。
少なくとも、ちょっと看板をメモ的に撮影しておくような時には広いほうがいい。このレンズだとワイド端でも換算150mmの大望遠だから、大変。
50-200mmなんかは結構付けたまま一日過ごしちゃったりするんだけど、100-200mmでそれは無理だ。
小さくて軽いから、持ち出すのに身構えなくていいのは良し。
また撮影中も、傍目に威圧感が出過ぎない。一眼レフである時点である程度出るのだけど、望遠でこれならね。
200mmでF4.5だったら、よくある安ズームのF5.6より2/3段は明るいのもメリットか。大差ない気もするが。
まあ、80年代の廉価ズームにあんまり文句いっても仕方ない。
アラを探せば発見できる写りではあるけれど、アラを気にしないで済ませられる程度の写りはしている。
ボディがもっと上等ならもっと文句が出そうだけど、正直私の懐具合で小銭以上の金額をαに突っ込めるわけもないので、ボディはαSWEET DIGITALから更新はされんだろうし。
発売から30年経ってるレンズが、壊れるわけでもなく未だに仕事していることを愛でよう。