堺風の頭部

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デジカメの型番について

 大阪のカメラ屋さんのついーとで、こういう話を知った。

 

思えば、各社がいかに短いテレビCMにカメラの長所やセールスポイントを盛り込もうかと苦心する中、「きみまろズーム」とやっちゃうLUMIXはかなり上級デスメタルなデジカメではあったかもしれない。

www.nikkeibp.co.jp

 

DCxxxという型番は、かつてKodakが使っていた。

まあ、KodakのDC型番は、20世紀の大昔のことだから今更ではある。

だがそれでも、あの天下のPanasonicの、ミラーレス一眼ではそれなりの地位を築いているLUMIXが、最早誤差くらいしかシェアがないとはいえ一応同じマイクロフォーサーズ陣営でカメラ出してるKodakの型番に被せていくというのは、何か恐ろしいマウンティング行為のようにも感じられるわ。

 

さておき、DMCはDigital Media Cameraだという。初めて知った。

まあ、なんの意味もなくアルファベットふたつみっつ並べるのも逆に難しい気もするので、各社型番には何らかの意味があるのだろうと思う。

多分、いちいち発表したりはしていないと思うが、他社も何か意味があるのだろうと思う。

各社、見ていってみよう。

 

わかりやすい型番

SONY Cybershotと、今はもうないが三洋電機の静止画デジカメ(Xacti、Multi:z)は、DSC-xxxという型番で来ている。

これはDigital Still Cameraのアクロニムだろう。

 

RICOHKodakの20世紀モデルは、DC-xxxだった。

これもまあ、Digital Cameraだろうと思う。

 

メーカーの頭文字にDCを繋げるパターンもあり、RICOHRDC-xxxだった時期もある。他にPolaroidPDC-xxx、日立HDC-xxx。

類似で、当時高木産業という会社名だったパーパス株式会社も、PDC-xxというデジタルカメラを出していた。

KonicaKD-xxxも、おそらくKonica DigitalcameraのKDかな、と思う。

 

ほか、商品名直結タイプの型番もわかりやすい。

SONYがかつて、フロッピーディスクやCD-R、MD-Dataなど色々なディスクメディアに書き込むカメラ「マビカ」を出していたが、これの型番はMVC-xxxだった。MaViCaのMVCでわかりやすい。

またKonicaの「デジタル現場監督」(工事現場などでの記録撮影に対応したヘビーデューティカメラ)はDG-xxxだった。

オリンパスが、コンパクトデジカメとプリンターやフォトストレージなどを組み合わせた「i:robe」というシステムを売りだした(すぐ滑った)が、この時はIR-xxxという型番で出していた。

カシオの大ヒット作となったEXILIMにはEX-xxxと型番がついた。今全部EXILIMだけど、当初は超スリムなカード型デジカメにつけられた商品名・型番だった。

EPSONが出していたCP-xxxは、デジタルカメラにもプリンターと同じくColorioのブランドを冠していた。するとColorio Photoあたりかな、と推察される。

 

わかるようでわからないもの

フジフイルムは、FinePixブランドを始める前には、DS-xxxという型番を使っていた。

Digital Stillだとどうにも座りが悪い気がする。CybershotやPowershotのようにDigital Shotだろうか。

 

静止画デジカメはDSC-xxxと分かりやすかった三洋電機も、自ら切り開いた新境地たる動画デジカメにおいては、DMX-xxxにした。Digital Movie……X? まあ、あの縦持ちで動画静止画両用というスタイルは新しかったので、新体験のeXperienceとかだろうか。

 

PENTAXは、Optioシリーズを始める前には、EI-xxxという型番のカメラをリリースしていた。Electronic Imageとかかな。

 

オリンパスは、C-xxxとかD-xxxとかE-xxxとかX-xxxとか、ざっくり一文字にしてしまう。

フィルム時代にも、レンズ固定式の一眼レフカメラにL-xxの型番をつけていたし、レンズ交換式一眼レフだって、最初はM-1の型番で出た。ライカに「被せんな」と怒られてOM-1に変更されて、今に至る。

なんでMなのかはよく知らない。オリンパスカメラミュージアムサイトでも書いてないが、当時世界最小最軽量だったらしいから、MiniとかMicroのMだろうか。

Lは、上から見た形に拠る。デジタルなら結構あるけど、右から送って左で巻き取るフィルムでは珍しくて、当時は形自体が特徴だった。デジカメになってからも、L型スタイルのものは型番末尾にC-1400Lとか付けられていたものだ。

Cはよくわからない。単にCameraだろうか。ただ、この型番をデジカメに使い始めた90年代のオリンパスは、プロ用カメラでニコンキヤノンに勝てず、新境地を求めてコンシューマ向けのデジタルカメラを率先して開拓している、というポジションだった。それを思い出すと、ConsumerのCもありえるかもしれない。

Dは、Cとほぼ同じものを海外向けに売るときになぜか型番変えてDを使っていた。DigitalのDかな。

Eは、その時点のオリンパス最上位モデルに付けられる型番だった。CがConsumerだとすれば、EはEnthusiastだったりするかも。どれも絶妙にProfessionalって感じじゃないのがまた。

Xはよくわからなくて、eXtremeというようなすごい製品でもなく、eXperimentalというような実験的な製品でもない、平凡な中〜中の下くらいの製品に使われていた。何のXなんだろう。

 

よくわからんやつ

オリンパスは、アルファベット一文字時代はまだしも妄想くらいの余地はあるけど、2文字になるとなんだかよくわからなくなった。

大型高倍率ズーム機はSPで、一回り小さめになってSZ、ぐっと縮んで普通のカード型みたいになったらSH、といった、ある程度ルールはありそう。しかしなんのSで、なんのP/Z/Hかさっぱり。

一時期多かったμ-xxxも、由来はフィルム時代のコンパクトカメラ「μ[mju:]」なのが明らかだけど、そもそも型番なのか商品名なのか。

 

PanasonicLUMIX DMC-xxxになる以前、松下寿電子工業の製品としてデジカメを出していた。

しかしその型番がLK-RQxxxとか、NV-DCF3とかPV-DC3000とか、よくわからない。

LK-RQxxxの中にも、すごく小さなものもあれば、LS-120スーパーディスクを使うでかいのもあり、枝番変えるだけなのが謎。そしてNV-DCF3は割と普通のカメラ型で、PV-DC3000は異様なデザインのカメラ。

長い上に統一感もなく命名規則も見えてこず、不思議な型番。

 

長くてわからんのがPanasonicだと、短くてわからんのがKonicaで、KD-xxxの前はQ-xxx。

Quick, Quark, Quantum, Question, Quarrel, Quit, Quota, Quiet, あんまりデジカメに結びつく単語が出てこない。

またEPSONも、CP-xxxをやめたら次は、L-xxxなんて型番になり、短くて推察もできない。過去のCP型番のカメラはうすらでかかったところ、Lはきゅっと縮んで軽くなったから、Lightならありえるのかな。

オリンパスは1字でも、使っていた製品が多くて意図も多少見えるんだけど、初期Konicaや末期EPSONだと意図を推測する材料が足りない。

 

カシオは、液晶モニターつきデジカメという世界を開拓した、この業界の始祖といっていい存在なのだけど、その初期モデルが名高いQV-10で、以後QV-xxx型番が続く。モニターつきですぐその場で写真が見られる、ということで、QuickViewとかだろうか。

しかし、液晶のつかない廉価モデルを出したら、LV-10という型番になっちゃった。液晶ないからViewじゃないだろうし。

XV-3という機種も出した。QVはプラっぽくて変な形でギミックの多いおもしろカメラが多くて、XV-3は金属外装のオーソドックスで格好のいい普通のカメラだから、方向性が違うだけに型番を分けたのもわかる。しかしXVがなんなのかはわからない。QV-10から数えて15番目だから、とか思ったけど違った。

G-SHOCK風の耐衝撃防水モデルGV-10なんてのも出て、GはまあG-SHOCKの借用としても、じゃあやっぱVはなんだろう、となる。

LV・XV・GVいずれもせいぜい2機種しか出ない短命型番に終わってしまった。

 

まあ、どれも根拠のない推察でしかないから、正しいかどうかもなんともいえない。

それよりか、話にオチがつかないのをどうしたものだろうか。

 

パナソニック太陽電池パネル「HIT®」は、Heterojunction with Intrinsic Thin-layerのアクロニムで、アモルファスシリコンと単結晶シリコンを接合した独自の高性能セルの技術からくる。

しかし、開発した三洋電機がそれを自分で売っていた時は、なぜか型番がHIP-xxxだった。なぜ尻だったのか……