コシナといえば、今ではすっかりフォクトレンダーやツァイスブランドの高級レンズを作るメーカーになったが、かつてはもっと毛色の違う会社だった。
私がフィルムの一眼レフや、デジタルでも*istDS2などを使っていた2000年代前半あたりまでは、COSINA自社銘の交換レンズがあった。
値段がとにかく安くて、シグマやタムロンよりさらに格下っぽい雰囲気の製品だった。カメラ屋より通販でないと買うのが難しい感じで。80年代のカメラ華やかなりし時代の商品が、いまだに細々売られているのかなと。
20mmF3.5の単焦点レンズなんてものを、確か1万円くらいの激安価格で出してたもんだから、一本購入して今でも持っている。
もう少し遡ると、コシナは一眼レフボディも作っていたらしい。
他社がもうフルマニュアル一眼レフなんか作らなくなってからも続けていて、ニコンFM10とかオリンパスOM2000といった、写真学生狙いの廉価品がコシナ製だったと聞く。
そんな調子で、なんだか私の視界にはずっと入り続けていた、不思議な存在感があるブランドだった。
それで、カメラ屋のジャンクワゴンにコシナレンズを見かけて、上のようなことを思い出した。
もともと安いコシナレンズの、しかもαマウントなんて捨て値にしかなりようがないから、買って試しても面白いな、と。